巨大女子相撲部

   これは筑井が槍薔薇女子相撲部に    入部する前のお話。        彼が高校3年生になったばかりの    ある日の出来事である。        廃校となった旧槍薔薇高校の跡地に    興味本位で足を踏み入れた筑井は、    そこで初めて美海と遭遇していた    のであった・・。

美海「こんにちは!初めまして!」 筑井「えっ・・・・?」    突然姿を現した巨大な女生徒。    彼女は遥か頭上から嬉しそうに    筑井を見下ろしていた。     美海「前も一度ここに来ていましたよね?    その時、私も偶然ここにいたんです!」     筑井「あっ・・ぇ、そうなんですか・・」     美海「まさか、また会えるとは思っていま    せんでした!もう来ないものとばかり    思っていたので・・・・。    こんなことそうないでしょうし、    私この再会に運命感じちゃってます」     美海「だから、思い切って声をかけてみたん    ですが、えっと・・その・・紹介したい    ところがあるので、もし良かったら私に    付いてきてくれませんか・・・?」 筑井「ぇ"っ・・はぁ・・」    廃校にて突如出くわしてしまった怪物。    そんな彼女の誘いを断る勇気もなく、    恐れつつも彼は謎の巨人の後に続く。

美海「みんな!見てよ!私の言ってたこと本当    だったでしょ!ちゃんと連れてきたよ!」    道場らしき建物に入ると中には彼女と    同じ体格の女生徒が他にも数十人おり、    呼びかけに気付いた女生徒達は驚いた    様子でこちらに近づいてきた。 美香「まさか本当に人が来るとは・・。    しかも男の人だなんて・・・」     美海「名前は筑井先輩って言うんだって!男子高の    3年生らしいよ。それでさ、せっかく来て    もらったんだし私達の練習見てもらおうよ」 筑井「れ、練習・・・?」 美海「ここでいつも、相撲の稽古を    やっているんです。先輩にはもっと    私達のことを知ってほしいので    ぜひ見て行ってください!」     筑井「う、うん・・」 美海「もし気に入ってくれたら・・。    入部してほしいなぁ・・なんて・・」     筑井「えっ・・か、考えとくよ」

   練習試合を行うべく、美海が練習着に    着替えると同時に、筑井は女生徒達に    囲まれ服を脱がされてしまった。    それから土俵内に無理矢理運ばれ美海と    もう一人の相撲部員の隣に立たされる。 筑井「な、何で服奪ったの・・?」 美海「近くで試合を見てもらう為に服を    抜いでもらったんです。結構砂が    舞うんで汚れちゃうんですよね」    美海はこの時、取組前の姿勢。つまり    屈んだ状態で筑井と会話をしていたが    それでも顔は筑井のまだ上。そんな状況に    彼は彼女達の巨大さを改めて痛感させ    られていた・・。     美海「それじゃあ、先輩!はっけよい、    残ったって言ってください」     筑井「わ、分かったよ・・。よし・・、    は、はっけよーいのこった・・!」    掛け声とと共に二人は勢いよく踏み込み    大地にとてつもない衝撃を与える。        その衝撃は2つ隕石でも落ちたかのような、    驚異的な破壊力で、その力によって、    筑井の体は2~3mの高さまで投げ出される    こととなってしまった。

   宙に投げ出されたかと思えば    その次は両サイドから 2つの巨体が    プレス機の如く彼の体を押し潰す。        象やサイなどの突進の比になる    威力でないことを押し潰された    筑井自身が一番理解していた。        これは例えるなら、最高速で    突っ込んでくる10トントラック2台に    挟まれているような状態である。        本来なら命の10個は軽く消し飛んで    いてもおかしくないアクシデントで    あったが、奇跡的に彼は無傷にすんでいた。     美海「せ、先輩!?だ、大丈夫ですか!」        美海の心配するその声は、彼女達の    肉の壁に阻まれもちろん耳に届くはずも    なく彼が反応を示すことはなかった。        心配した二人は急いでお互いの体を    離し、筑井の容態を確認する。    意識どころか怪我の一つもしていない    ことに美海達は一先ず安心していた。

   ズシィン!! ズシィン!!        二人から解放された後    道場全体がリズムよく揺れだす。     ??「その人が美海の言っていた例の・・?」 美海「美穂先輩・・!はい、そうです!」    揺れの原因は彼女達の上級生と思われる    人物が起こしていたものであった。        美海達でさえ途方もない巨体なのにも    かかわらず、訪れた上級生はその    彼女達すらも凌駕する超巨体。        筑井からしてみれば、山が歩いて    いるようなそんな迫力であった。 美穂「本当に連れてくるとは思わなかったわ。    この方が入部希望者ってわけね?」     筑井「えっ・・」     美穂「初めまして、2年の永嶋美穂と申します。    入部希望ということであれば、まず    一度私と取り組みを行いましょうか」    淡々と話を進める美穂に対し筑井は    あまりの恐怖に何も言い出せずにいた。    結局、半強制的に彼女と取り組みを    行われることとなってしまう・・。

   試合を始めるために腰を下ろす美穂。    彼女の上半身だけでも一軒家程の    大きさがあり、そしてそれを支える    屈強な脚まで持ち合わせている。        全てにおいて圧倒的。    腰を下ろした状態でも彼女の巨大な    胸はまだ筑井の頭上、遥か上にあった。     美穂「男性と試合を行うのは初めてなので    ちょっと緊張しています・・。    それも年上の方ですし・・」     美穂「私程度じゃ、まるで相手に    ならないかと思いますので、    お手柔らかにお願いします」        馬鹿にしてるのか、本気で言ってるのか。    それは分からないが、お手柔らかに    お願いしたいのはこちらの方だと    筑井は思っていた。        だが、そんな言葉を口に出せるわけも    なく、ただ残酷に時間は過ぎていく。        そんなことを考えている間に、    試合が始まった・・!

   開始の合図があるわけでもなく、    美穂はまず最初に、大きな右の    掌を近づけてきた。 美穂「あ、言い忘れていましたが負けた場合、    勝った人を背中の上に乗せて腕立て伏せを    することになっています」     美穂「この部での決まりなので、仮に    私達の先輩でもそれだけは守って    いただきます」     筑井(そ、そんな・・!?)    そこまで喋り終える頃にはすでに    筑井の隣まで巨大な掌は迫っており、    それが直撃すると彼は成すすべも    なく吹き飛ばされてしまった。     筑井「グハッ・・!?」 美穂「あれっ・・。こんなに簡単に・・。    手加減しなくていいと言ったのに    優しいんですね先輩は。それじゃ約束    通り腕立て10回やってもらいますよ」        しばらくすると、もう一人美穂と同じ    サイズの部員が登場してきた。彼女は    出て来るや否や地面に背を向け横になり、    何かの準備を始める。

美穂「じゃあ、この子の上に乗って    腕立て伏せの体勢になってください」 美穂「男性なんですから、足場の不安定な    場所でやらないとトレーニングに    ならないと思いますし、今回は特別製の    マットを準備させてもらいました」     美穂「私じゃ少し軽すぎるかもしれませんが    文句言わないでくださいね」     筑井「重すぎて文句も言えないよ・・」 美穂「何か言いました?」 筑井「なんでもないです。はい・・」   (間違えて心の声を漏らしてしまった)    瑠璃「美穂、早くしてよ・・。    興奮してどうにかなっちゃいそう」        彼女の体の上に乗っていた筑井は爆発的な    鼓動音を聞き、その興奮状態という言葉が    嘘でないことを理解し恐怖心が増すことと    なっていた・・。 美穂「男性の裸を見て興奮しちゃったのね。    無理もないわ。だって・・私だって・・。    な、何でもないわ・・・・!    とにかく腕立てが先だから我慢して」

美穂「さぁ、先輩!頑張ってください!」    それから美穂は数百トンはあろうかと    いう超巨体を筑井の上にゆっくり    降ろしてきた。     瑠璃「美穂は2年生の中じゃ小柄な方    なんですよ。これぐらいどうって    ことないですよね」ニヤニヤっ・・   (小さくて、ほんと可愛い)    美穂「3年生は私なんかよりもずっと    大きいんですからこれぐらい難なく    やっていただかないと」        しかし、しばらく経っても全く動き    ださない、ことを変に思った美穂は    体を退け筑井の様子を見る。    もう当の昔に、彼は失神してしまっており    意識不明の状態となってしまっていた。            この日を境に筑井は槍薔薇女子相撲部で    囚われの身となり、半強制的に生活を    送らなければいけなくなってしまう。        ひ弱で小さく頼りない男子生徒が一人    女子相撲部に入っただけの出来事であったが    これが後に彼らの運命を大きく変える    こととなる。