全文表示 巨大女子相撲部

   突如姿を現した大内田 未來。

   その影を見た筑井は    彼女の後を追いかける。

   すでに、浜辺に到着していた未來は    気の立った目つきで謎の女二人を    見下ろしていた。

 葵「あっ!?思い出した」

 葵「たしか未來みらいちゃんだよね?」

未來「・・・・・・・・」

 葵「あれーっ‥?違ったかな?」

則夫「・・・・・・」

未來「どっちがやった・・?」

 葵「・・・・・・」

 葵「んぇ・・?」

   単純な質問。そして単調な声。

   それにもかかわらず、その威圧感は、    人々に恐怖を与えるこの暗い森すらも    怖気づかせてしまいそうな程の    迫力を交えていた・・。

未來「どっちがやったかって聞いてんだ」

 葵「ん?ん?ん‥―――?」

 葵「言ってる意味が分かんにゃい?」

則夫「どっちがって言っても    こいつらは二人で一人だぞ」

則夫「どちらかがやったって    わけではないと思うが・・」

未來「・・・・・・・・・・・」

未來「どっちもだな」

   彼女達を見下ろすために    下げていた視線は更に    角度を増していき、

   その発言の後、誰にも目を    合わせぬよう未來は胸元を    見つめるようになっていた。

   そんな中、やっとのことで    浜辺に戻ってきた筑井。

   次は隠れることもなく    浜全体を一望できる位置に    立って、状況確認を行う。

   最初に倒れている美穂の姿を    見た後、謎の二人の姿を    その目に焼き付ける。

 葵「また一人来てんじゃん」

 葵「ここ人がいないはずなのに    結構~、いるもんだね」

   葵の、また一人と言う発言で後ろに    誰かが来ていることを知った未來は

   ビルの高さよりも長い黄金の髪を    なびかせ後ろを振り向く。

   そこで初めて筑井の存在に気が    付いたのか、驚く様子をで喋りだした。

未來「だ、ダーリン!?」

未來「話を沢山したいところだけど    ちょっと待っててね」

未來「こいつらすぐに追いはらうから‥

   そう未來が発言した瞬間、    森全体が騒々しくなる。

   眠っていたはずの鳥達は一斉に    羽ばたき、ネズミや虫達までもが    浜から逃げるように離れていく。

   他の生物からすれば彼女は    天災と同じレベルの脅威であると    見なされたようだ・・。

   そして、それを感じ取って    いたのは女二人も同じであった。

 葵「私、頭いいから分かるけど    この化け物は相手にしちゃ    いけないと思う・・」

 李「逃げた方がいい・・」

 葵「李もそう思う・・やっぱり」

   ゆっくりと未來が歩き出したのを    見た、葵と李の二人は勢いよく    地面をけり後ろへと移動を開始する。

   そんな二人を見逃すわけもなく目にも    とまらぬ速さで彼女達に腕を伸ばし

   10mを超える巨体二人を    何の造作もなく片手で捕まえる。

   腕を伸ばす勢いだけでとてつもない    突風が起こり波は荒れ森は騒めく。

 葵(はッや・・・!?)

未來「後輩こんなにしといて    ただで帰れると思うなよ」

 葵「・・・・・・・・」

   彼女が現れてから、ずっと    張り詰めた空気が続いていたが

   今は先程までがぬるま湯と    思えるほどの迫力となっていた。

   空間が歪んで見える程の    未來の威圧感に初めて葵達に    動揺の色が現れる。

   すると、未來が彼女達に向かって    一つの質問を投げかける。

未來「右と左どっちがいい・・・?」

 葵「え・・・・・?」

未來「右と左どっちがいいか答えて」

 葵「・・・・・・・」

 葵「何言ってんの・・?」

未來「・・・・・・・」

未來「人の話ちゃんと聞いてる・・?    これで最後よ。どっちがいい?」

 葵「・・・・・・・・・・」

 葵「じゃあ、右」

   ズドゥォン!!

   葵が右と言った瞬間、    未來は左拳を思いっきり彼女達に    向けて振りぬいた。

   その圧倒的パワーによって二人は    水きりのように1度海面を跳ね、

   それからもう数mだけ    吹っ飛び着水する。

則夫「まじかお前・・。すごいな」

筑井(うそだろ・・・)

未來「2度と面見せんじゃないわよ」

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