全文表示 巨大女子相撲部

   さかのぼること昨日の昼

   美穂と真西が会話をしていた時、    あることを美穂は教えられていた。

真西「だから少し私の話を聞いて    くれ。大事な話がある」

美穂「大事な話・・・?」

   一度俯いた真西は    何とか力を振り絞り    美穂の顔を見て語り掛ける。

真西「私をこの姿にした奴は    まだ、この島にいる」

美穂「えっ・・?!    それってまずいでしょ」

美穂「あんたが今見つかったら    どうなるか・・」

美穂「それに、もしそんな奴がいるなら    私達だって危険なんじゃ‥?」

真西「心配するな。奴らは私達がここに    いることは気付いていないだろうし、    おそらく探すこともない」

真西「そして、お前達と接触することも    ないと言っていいだろう」

美穂「探すことはないって‥。    そいつらの狙いはあんた達    なんでしょ?」

美穂「この島にまだいるのに    探さないっていったい    どういうことなのよ?」

真西「そもそも、そいつらの    狙いは私達ではない」

真西「狙っているものは別にある」

美穂「・・・・・・?」

美穂「何なのよそれって‥」

真西「狙っているもの‥。    それはネズミだ」

美穂「・・・・?」

美穂「ね、ネズミ・・?」

美穂「あのちっちゃいやつ?    それを捕まえに来るって    言うのもしかして・・」

真西「ああ、そうだ・・。    明日の夜に奴らは動き出す」

美穂「明日の夜‥」

美穂「そのネズミを探している連中が    明日の夜に行動するのは分かった」

美穂「けど、なんであんた達は    そんな姿にされているわけ‥?」

美穂「ネズミとは関係ないんでしょ?」

真西「ネズミ狩りの任務の    ついでにやられた」

真西「一応裏切った身ではあるからな」

美穂「裏切った‥?仲間なのそいつら?」

真西「私が所属していた場所に    いた連中だ。別に仲間という    訳ではない」

真西「奴らがこの島に来る過程で    偶然私達を発見し始末を    行おうとしたのだろう」

真西「だが、奴らの目的はあくまでネズミ」

真西「必要以上の追蹤ついしょうは任務に支障を    きたすことになるから捜索を    中断したってところだろうな」

真西「こうして生きているのにも    そういった理由がある」

美穂「で、その情報を伝えて    何がどうなるわけ?」

美穂「そりゃ、あんた達にとっては    大事な話なのかもしれない」

美穂「けれど、こっちからしてみれば    何の関係もないし、何かメリットに    なることがあるとも思えない」

真西「それも今から説明してやる」

真西「まず奴等は協会の指示で    ここに来ている」

美穂「協会・・・?どこのよ・・?」

真西「女子相撲協会だ」

美穂「女子相撲協会‥?」

美穂「なんでそこが    ネズミ狩り何か‥?」

真西「その点は気にする必要はない」

真西「重要なのは今回出された    指示は藤崎の許可が降りて    いないという点にある」

美穂「・・・・・・・・」

   そこまで聞いた美穂は    考え込みだす仕草をとり、    何かを理解したのか彼女なりに    分析したことを真西に話始める。

美穂「立ち入り規制がかけられている    この島に無断で侵入し、ネズミを    狩る行為がアウトで」

美穂「そして、その現場を抑えら    れれば協会の黒い部分を    明るみにできる」

美穂「そういうことかしら?」

真西「あまり頭がいい方では    ないと思っていたが、    案外呑み込みは早いな」

真西「協会内での藤崎の立場は決して    強いと言えるものではない」

真西「こういった商材が一つでも多いに    越したことはないだろう」

美穂「でも、明日の夜とは言っていたけど    監督が今この島にいる状況で    ネズミ狩り何てほんとにやるの?」

美穂「とてもじゃないけど監督の力を    知っていれば動き出すと思えない」

真西「いや、藤崎はおそらく    明日この島から消える。    それを理解した上での行動だ」

真西「だから奴にこの島に残るよう    伝えろ。そうすれば、奴らを    確実に抑えられる」

美穂「なんで監督がいなくなる    前提なのよ・・・・」

真西「一々質問をするな。    とにかく今言ったことを    伝えてくれればそれでいい」

美穂「・・・・・・・・・」

   そして、その日の夜。

   肝試し中に則夫と出会い    ネズミの話を聞いた美穂。

   ここで真西の言っていたネズミ狩りの    話が本当のことだと理解する。

   その後、浜辺まで移動した際に    筑井に真西のことを相談したのも    このネズミ狩りの話が    頭を過っていた為である。

   そして、夜が明け次の朝を迎えた時    真西の予言した通り藤崎が    三里桜島から姿を消した。

   それからの合同練習中、    刀祢との試合で敗北した後、    練習を行わずにいたのは    この日の夜の為である。

   真西をあそこまでした連中を    自分の手で捕まえたいと思い    万全の態勢を整えていたようだ。

   そして、何故彼女が藤崎に    今回の件について話さなかったのか。

   それは様々な事象が重なった    結果によるものである。

   次の部長を任されていることから    早く認められたいと考えていたり、

   目のかたきにしている人物の意見を    素直に受け止められなかったりと、

   安定性にかける精神状態で    あったのが主な理由であった。

   一つだけ言えることは、    誰かに頼ろうなどという考えを、    今の彼女は持ち合わせて    いなかったということ。

   とにかく自分の力だけで何かを    成し、自信に繋げたいと彼女は    考えていたようだ。

   夜が更け皆が落ち着き、寮で    休み始めた頃。美穂は一人    森の中へ歩みを進める。

   もし、ネズミを狩るということで    あれば昨夜、則夫が森の中でネズミの    捜索を行っている姿を見ていたので、    迷わずそこへ向かっていった。

   誰かについて来られでも    したら、危険に巻き込み    かねないと思った彼女は、

   誰にも言わず一人で    捜索をすると決めていたようだ。

   それから美穂は筑井達が訪れる    少し前に浜辺に到着していた。

   浜辺の様子が見えるか見えないか    という場所まで近づいた時、

   その先に人の気配を感じ、    筑井達と同様に木の陰に身を    潜めながら浜辺に近づいていった。

   そして、ギリギリの位置まで    辿り着くと一度その場に静止する。

   このまま前に出るべきか‥?    と、悩んでいると、

   浜辺にいる人物の方から    声を掛けられる。

??「そんなんで隠れてるつもり?」

??「さっさと出てくればいいじゃん」

   その瞬間大きな緊張が彼女を襲う。

   しかし、バレてしまっている以上    隠れ続けても仕方ないので、    腰を上げ前へ出て行く。

   そして、声をかけた    人物を見る美穂。

   その姿を見て目を    疑うこととなる。

   なんとそこに立っていた人物は    二人のミドル・・・、

   のはずなのだが・・・。

   その体はお互いの肩から    完全に繋がってしまっていたのだ。

   最初に見た一瞬は驚いていたが、    すぐに、そんなことを気にする様子も    なくなり、次はその二人に彼女から    声をかける。

美穂「・・・・・・・・」

美穂「あんた達ネズミを捕まえに    きたんでしょ・・」

   心中は確実に動揺している    ものと思われるが、できるだけ    それを見せないよう必死に    立ち振る舞っていた。

??「・・・・・・!?」

??「ほぇ~~~~。    な~んで、知ってんの?」

美穂「監督から聞いたのよ」

   真西を庇うべく美穂は    ここで藤崎の名前を出す。

??「あ~にゃるほど」

??「自分がいなくなる代わりに    あんたに任せたってーわけね」

??「意外とこっちのこと知られ    まくりな感じじゃん」

??「藤崎って噂通りすごいんだね。    そう思うでしょ?すももも」

 李「うん・・・思う」

??「じゃあ、私らを止めに    来たってーわけよね」

??「まあ、こっちはあんたの    ことなんて、どうでもいいんだけど」

??「そっちが来るって言うんなら、    仕方ないのかな~~‥」

美穂「・・・・・・・・」

 李「あおいちゃん・・。    向こうは戦いたいって‥」

 葵「やっぱそうなの」

美穂「・・・・・・・・」

美穂「何・・・・・?」

美穂「人の心が読めるとでも、    言いたいわけ?」

 葵「そんな大層なもんじゃないってー」

 李「顔にそう書いてる‥」

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