巨大女子相撲部

   練習場所へと辿り着いた    槍薔薇と孔雀の生徒達。        そこはどこまでも広がる平地で    彼女達の大きさでものびのびと    過ごせる程、広い場所であった。    到着後花園の指示を受ける為に    生徒達は彼女の前に整列をする。 花園「孔雀の皆さんには    練習内容は伝えてますから、    各々練習始めとってください」 刀祢「花園監督、槍薔薇の連中とは    試合させてくれるんですか?」 花園「それはちょい待っとき。    まずはウォーミングアップ    から始めなあかんやろ」 花園「それより自分、昨日勝手に抜け    出したこと忘れたとは言わんよな?」 花園「刀祢さんの試合は槍薔薇でやりたい    言う方おらん限りさせられへんわ」 刀祢「まじっすか・・・・」

花園「後で聞いといたるから    黙って先、練習しとき」 刀祢「お、おっす・・」    そして、孔雀の生徒達は    各々練習を始めるのであった。    練習風景が気になった槍薔薇の生徒達は    その様子をまじまじと眺めていた。 花園「うちの練習がどんなんか    気になります?」    花園はそんな部員達の様子を    気にして偶然近くにいた    美穂と寸道に声をかける。 美穂「そりゃライバル達のことですから」 寸道「・・・・・・・・」 花園「寸道ずんどうさんはほんまクールな人ですね。    私相手に何も喋らんなんて」 寸道「ピキッ・・・」 二崎あ、まずい・・・・!?

   花園の言い間違いに気付いた    美穂と二崎が寸道を抑えに入るも    そんな二人を跳ね除け彼女は    花園の前に立つ・・・。 花園「ど、どないしたんですか‥‥!?    寸道ずんどうさん・・・?!」    鬼の形相で近づいてくる    寸道に困惑する花園。状況が    良く呑み込めていないようだ。 寸道「あんた、今私のこと    ずんどう・・・・って言っただろ・・?」 花園「えっえぇ・・言いましたけど」 寸道「だったら、孔雀の監督と言えど    容赦するわけにはいかない」 花園「な、何言っとるんですか‥?!」 美穂「ちょっと!!寸道やめなさいって!!」    寸道が花園を掴み    かかろうとしたその瞬間。

   異変を察知した蒼雲が花園を    助けるべく前に出てきた。 蒼雲「花園監督は藤崎監督みたいに    お強い方やないんですよ。    勘弁してくれませんか‥‥」    優しい口調ではあったものの    その手は強く寸道の頭を    握り締めていた。 蒼雲「監督も監督ですよ。人の名前を    間違えるなんて‥‥。彼女は    寸道ずどうさんて言う名前ですよ」 寸道「寸道すどうだ‥‥」    蒼雲が監督に語り掛けた後、    握りしめていた手を緩め寸道を    花園から遠ざける為に軽く    彼女を突き放した。 花園「あれ、そうやったんか!それは    すいませんでした。寸道さん」   (刀祢のあほ、嘘つきおったな‥‥) 寸道「分かればいいんです・・」

美穂「たくっ・・・もう・・、    いい加減にしてよね」 寸道「名前を間違える方が悪い」 瑠璃(後で目立ったこといつも恥ずか    しがってるんだよね寸道って。    学習しないのかしら‥‥)    再び整列をし直した槍薔薇の    生徒達は花園の話に耳を傾ける。 花園「気を取り直して、今からの    ことについて説明しますけど」 花園「メニューは予め藤崎監督から    貰っとるものがあるから    それを参考に進めていきます」 花園「さっき渡されたばかりで    全然目は通してへんのやけど    えっと・・・・・」    花園が資料を開き中を確認し始める。    その内容を見て何か驚いた様子を    見せる花園。目の前に槍薔薇の    生徒がいることも忘れたかの    ように食い入って確認していた。

花園「蚊・ゴキブリ・ダニ・ハエって    なんなんこの害虫のリスト‥‥?」 二崎「それ、実は練習メニューの    グループ分けで使われている    名称なんです・・・」 花園「普通、数字とか色とか    そういうもんやろ‥‥。    なんか可哀そなってきたわ‥‥」 美穂「最初は抵抗ありましたけど    もう、なれちゃったんで」 花園「それ、なれたらあかんって!    嫌やったらちゃんと言わな。    藤崎監督も一回誰かに説教して    もろた方がええで、ほんま」 花園「このままのグループ名でいくのは    私としては抵抗どころか嫌悪感    あるんやけども呼び名変えると    ややこしなるやろうし    一応、このままで進めます‥」 花園「えっと、誰がどこのグループか    分からんからまず学年ごとに    分かれてもらいましょうか」

   それから各学年ごとに4つの    グループに分かれ、合計8つの    グループができあがるがなぜか    美海だけ一人取り残されていた。 花園「あんたなんで一人だけ    残っとんの?自分のグループ    もしかして分からんのか?」 美海「えっいや・・そうじゃなくて」 美海「最近グループ別にされちゃって。    ”シ”ってグループ私だけなんです」 花園「シ・・?そんな虫私は知らんなぁ‥‥。    藤崎監督はやっぱ博識なんやね。    無駄に年食ってるだけのことはあるわ」 花園「でも、資料の中にはそんな虫    載っとらんで・・?」 美海「あ、いやそうじゃなくて・・。    死ぬとか生きるの””です」 花園「・・・・・・・・・」 花園「あんた何したん・・・?」

美海「いろいろあって・・・。    早い話、私嫉妬されてて    そのせいみたいなんです」 花園「あの天下無敵の藤崎美理央が    妬みなんて持つことあるんか‥‥」   胸以外のことで‥‥     花園「しかも、それが自分の生徒に    対してなんて信じられんへんわ」 美穂「あながち嘘という訳でも・・。    現にこうやって迫害を    うけちゃってるわけですし」 花園「それもそうやな・・。    とりあえず前にいた    グループに入っとき」 美海「は~い」    そして美海は1年生の    ダニグループに混ざるのであった。

   先に練習を行っていた孔雀の生徒達。    その中で蒼雲と一緒に    ウォーミングアップをしていた    功刀くぬぎ ともえ。先程の寸道の件について    二人は会話をしていたようだ。 功刀「寸道さんと交えた結果、    手ごたえどんなもんでした?」 蒼雲「んぅ~そうねぇ‥‥‥。    一言で言えば、たぶん私勝てんわ」 功刀「またいつもの謙遜ですか?    身長差倍近くあるんだから    勝てないってことはないと    思いますけど・・」 蒼雲「冗談やないって・・!    これに関してはほんとだから!」 功刀「それじゃあ、やっぱりいつも相手を    立ててたのは嘘だったんですね」 蒼雲「・・・・・・。    嘘とかじゃなくて・・、その・・    努力を評価しとるだけやから!」

蒼雲「あの、余裕な表情・・。    いつでも振りほどけるって    私に伝えとるようやった」 功刀「それだけで寸道さんが    強いと判断したんですか?」 蒼雲「まあ、そうなんやけどね」 功刀「強者特有の勘ってやつですか」 蒼雲「だから強者ちゃうって!!    こんななりやけどか弱い乙女    なんやで、わたし!」 功刀「か弱い乙女って‥‥。プロレスラー    1000人の力合わせても、さつきより    よっぽどか弱いと思いますけどね」 蒼雲「ハエ一匹にすら勝てんのに    プロレスラーに勝てるわけないやん。    ひどいわ・・ほんと・・」 功刀「とにかく現状だと勝てない    そういうことですね」

蒼雲「ええ、そう・・。    悪いけど花園監督に試合は    組まんで欲しいって頼んで    くれんかな?私が言っても    聞いてくれんやろうし」 功刀「それは構わないですけど    せっかく監督も楽しみに    してたのに残念がりますよ」 蒼雲「まあ、そうやろうけど、    寸道さんも努力を表向きに    したくない子みたいやし    今はこれでいいと思う」     蒼雲「やるのは本番の時それだけ。    その時、必ず結果を残すって    監督に伝えといて」 功刀「分かりました」    こうして孔雀と槍薔薇の両高校は    ウォーミングアップをはじめ    本格的な稽古へと入っていく。        そして、そのころ藤崎は    というと・・・・

   彼女は今、冥瓦を連れ    海岸に立っていた。    どうやら誰かを待っているようだ。    しばらく海を見つめた後人の気配を    感じ取った彼女は後ろを振り返る。 藤崎「やっと姿を現したか。    怪我人の件は助かった」 藤崎「分かっているとは思うが    私はもうここには帰らん。    後のことは任せたぞ」 ??「‥‥‥‥分かりました」 ??「藤崎監督。最後に一つお伺い    したいのですが冥瓦かのじょは    いったい何者なんですか‥‥?」 藤崎「そんなことを気にするようになるとは    お前も生意気になったもんだな」 ??「すみません・・」 藤崎「そうだな‥‥強いて例えるなら」

藤崎「逸脱した始祖鳥‥‥‥。    そんなところか」    その言葉を最後に藤崎と冥瓦は    三里桜島から姿を消した。

NEXT