巨大女子相撲部

   残りの参加者達にお守りを配ると    決めた美穂達は倒壊した神社を離れ    手前の道で皆の到着を待つことに。    それから1時間程度かけ訪れた    参加者全員にお守りを配り終えた。 美穂「これで全員分完了ね・・・。    神社も見られていないし    とりあえず一安心・・・」 二崎「でも、まだお守り一つ残ってるわよ?」 美穂「そういえばそうね・・。    数は私達のを合わせてもちょうど    30個だったしペアで来てるから    余るはずないんだけど・・・」 瑠璃「もしかして先輩が受け取って    ないんじゃないの?」 美穂「あれ、持ってないんですか先輩」     筑井「僕がもらう必要ないかなって。    別に試合に出るわけでもないし」

瑠璃「せっかくなんですし    貰っとけばいいじゃないですか。    思い出の一つとして」 筑井「・・・・・。    そうだね、せっかくだし    貰っておくよ。他の部員には    ちょっと申し訳ないけど」 美穂「他の部員にも後々送られると    思いますよ。去年も合宿後に    個別に貰ってたんだ」 筑井「そうなんだ、だったらいっか」    そして、筑井は左ポケットに    お守りをしまう。 二崎「あまり遅くなると監督から    こっちに来るかもしれないわ。    さっさと、戻りましょう」 瑠璃「そうだね」    神社の存在を誰にも知られる    ことなく 無事肝試しを終えた    四人は元来た道を戻り始めた。

藤崎「やっと帰ってきたか・・・・。    最初に行ったくせに妙に遅かったな」    森を抜けた瞬間、入り口に一人    残っていた藤崎が出迎えてきた。    彼らからしてみればこれ程    嬉しくない出迎えはなかったが・・。 美穂「皆にお守り渡すために残ってたんです。    入り口小さいので筑井先輩に取って    来てもらうのがいいかなと思って・・」 藤崎「なぜ声が小さい・・?」 瑠璃「い、いやあれなんですよ!?    渡すついでに私達で他の皆を    脅かそうってなって、結構大声    出しちゃってたんですよ!    たぶん、そのせいなんじゃないん    ですかね・・・アハハッ・・」 藤崎「まあ、いい・・・・。    さっさと風呂入って寝ろ。    明日は朝から合同練習だからな」 美穂「はい!!」 瑠璃(そこで大声出すなよ・・)

   そして、藤崎を含めた5人は    寮へ帰るべく歩き始めた。    その道の途中、筑井と藤崎が    並んで会話をする中、美穂達3人は    俯きながら二人の後ろを    歩く形となっていた・・。 藤崎「ところでさ、あの神社    どうだった?筑井くん?」 二崎 美穂「!?」 瑠璃    この時、後ろの3人との距離が    明らかに開いたのを筑井は    肌で感じ取った。 筑井「どうって・・、    普通の神社って感じでしたけど」    筑井は瑠璃のことも頭にあったが    彼女達に気を使って倒壊したことは    内緒にしようと思ってあげたようだ。

藤崎「他人からすれば、やっぱり    そんなものだよね・・。でも私に    とっては、とっても大事な場所なんだ」 藤崎「子供の頃あそこでよく    遊んだものだから・・・」 筑井「そ、そうなんですか・・・」 瑠璃(えっ・・・・・    やばくない・・)    後ろでその会話を聞いていた    3人は怯えた様子でそれぞれ    アイコンタクトを取り合う。 美穂(思い出の場所が、瓦礫の山    なってしまったなんて知れた日には    世界が滅亡しかねない・・・)    さらに歩くスピードが遅くなる    3人の異変にさすがに気が付いた    のか、藤崎が後ろを振り返る。

藤崎「どうした?私達に気を使ってるのか?    監視されているようで却って気になる。    お前達も会話に参加しろ」 二崎「え、あっ・・はい・・」    明らかに3人が動揺しているのは    僕から見ても分かるが、監督が    その様子に触れることはなかった。    すると何を思ったのか    瑠璃が突然口を開く。 瑠璃「あっつい!早くお風呂入りたい!    私先入ってくるから!!!じゃね!」    完全に頭が回っていなかったの    だろうか、監督の話も無視して    寮の中に駆け込みだす瑠璃。    冷や汗を偶然にも大量にかいていた    おかげで暑がってるように    見えなくもなかったが・・。 美穂「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!」    それに続くように美穂と二崎も    寮の中へ全力疾走し始める。    結果、監督と僕がその場に残ることに。

   3人が消えた後、妙な間が生まれた。    そんな空気を無視するかのように    監督が一言呟きだす。 藤崎「知らないとでも思ってるのか、    馬鹿どもが・・」 筑井「えっ・・・?」    表情に強い変化があるわけでは    ないがどことなく嬉しそうな    雰囲気を醸し出す監督。 筑井「まさか、神社が壊れたこと    知ってたんですか・・・?」 藤崎「やっぱり壊してたんだ」 筑井「あっ・・・」   (やべっ・・・口が滑った・・) 藤崎「秘密にしてあげようとして    たんだね。優しいね筑井君は。    でも、心配しないであれ    壊される前提で建てたから」

筑井「建てた・・・?子供の頃の    思い出の場所なんじゃ・・?」 藤崎「嘘だよ。子供の頃に住んでた    のは、たしかだけどこの島に    神社なんてそもそもないし」 筑井「・・・・・・・・」 筑井「なんか話の全容が見えてきた    ような・・・。じゃあ、あの神社は    肝試し用に建てられたもので」 筑井「神社が壊れたのも、そして    さっきまでの僕との会話も    全部彼女達を怖がらせる為の    計画の内だったってわけですか・・?」 藤崎「せいかい!中にあるお守りの箱を    取って10秒ぐらいしたら壊れる    ように作っておいたの。    これが、本当の肝試しだったわけ」 筑井「その仕様のせいで僕死にかけたん    ですが・・・・」 藤崎「だから、昼間も言ったじゃん。    今無事なら問題ないって。    私、結果論でしか物事語らないから」

藤崎「ちなみに、神社は冥瓦が切り倒した    木材があったからそれで作ったの。    すごいでしょ」 筑井(あるもの全部利用してるわけか・・。    末恐ろしい人だほんと・・・) 藤崎「お守りも罪悪感を強める為に    効果あると思ってたんだけど、    何で泣いて土下座してこなかった    んだろ。押しが足りなかったのかな」 筑井(もう怖いわ、この人・・・。    ここまで行ってると則夫さんの    言った通り、僕が弱い存在だから気に    入られてるとしか思えなくなってくる) 筑井(そう考えだしたら更に怖くなってきた。    この人前にするのが一番    肝を試されている気がする・・) 藤崎「土下座させられなかったのは    残念だけど、今筑井くんと    二人っきりになれたのは計画通り。    やっと、やりたいことができる」 筑井「・・・・・!?」   (な、なにを考えているんだ・・?)

   先ほどまでの3人と同じように    筑井自身も己の身の危険を感じ    冷や汗を大量にかき始めていた。        何をするかも分からないこの女に    恐怖心を抱かずにはいられい。    そんな心境のせいか、無意識に    後ずさりを始める筑井。その様子を    不機嫌そうに藤崎は見つめていた。 藤崎「なんで退いてるの?    何されると思ってるわけ?」 筑井「な、なにって、こっちが聞きたいですよ」 藤崎「ほんと筑井君のむっつりも考え物ね。    ちゃんと自分の気持ちを    素直に言えないなんて・・」 筑井「な、なんの話ですか・・」 藤崎「そりゃ最初は緊張するかも    しれないけど男なら立ち向かわなきゃ    いけない時もあるんだよ」 筑井「監督・・・勝手に僕の    心の内を作らないでください」

藤崎「やりたいことって言っても    分かんないだろうし    医務室向かうよ。話はそれから」 筑井「い、医務室・・・!?」   (まさか・・・・) 筑井「か、監督・・・!?    まだ、心の準備が・・・」 藤崎「なんで心の準備がいるわけ?」 筑井「え、だって・・二人っきりになってから    医務室に向かうってことは・・」 藤崎「相変わらずめんどくさい。    さっさと行くよ・・・」    緊張しながらも    僕は監督の後に続いた。    これだけ奥手でも男は男。    ついて行かないわけにはいかない・・。    そもそも逃げられるとも思えないし。

   それから少し歩き二人は医務室前に到着、    前を立っていた藤崎が突如振り返り    壁に寄りかかって会話を始めた。 藤崎「さてと、まず大事なことだから    先に話だけさせてもらうよ。    他の誰かに聞かれちゃ困る内容だし    念の為、ここまで移動してきたわけ」 筑井「・・・・・・・・・」ゴクッ 藤崎「昼間の女の子のことについて    ちょっと話をするね」 筑井「えっ・・・・?!」   (そういやここの病室だったな。    でも、やりたいことって・・・・?) 藤崎「そろそろ、目を覚ます頃だし筑井くんと    会わせる為にここに移動してきたの」 筑井「やりたいことって、もしかしてその彼女と    僕を会わせたかったってことですか?」 藤崎「そうだけど。それ以外に何かあるの?」 筑井「あ、いや別に・・・」 藤崎「とりあえず彼女の今後について    話さなくちゃならないから聞いて」