巨大女子相撲部

筑井「お、同じ・・・?    確か女子相撲部員みたいな人達のことを    ミドルって言うのは知ってますけど    アンダーっていったい・・?」 則夫「そういやアンダーって    普通の奴知らないんだっけか。    アンダーって言うのは    姉貴みたいな力を持ってる    人のことをそう呼んでいるんだ」 則夫「えっと、そこの姉ちゃん名前は?」 美穂「永嶋美穂です」 則夫「じゃあ、永嶋さんは、    姉貴からこの話されたことある?」 美穂「まあ、簡単になら・・・」 則夫「あんま知らなさそうだし    2人にミドルとアンダーについて    教えてやろうかな」

則夫「早い話あれだ、どちらも    未知のエネルギーを吸収して    今の状態になっている」 筑井「み、未知のエネルギー・・?    なんかオカルトみたいな話ですね・・」 則夫「実際に変化が起きてる人達がいるわけだし    オカルトと一括りにはできんがな」 美穂「その未知のエネルギーって?」 則夫「うん、分からん。    分からんから未知なの」 則夫「約50年前に突如現れてから    研究が進められてきたが    発生する原因は何も分かってない」 則夫「ちなみにこのエネルギーは    源(げん)と呼ばれている」

則夫「この概念を知ってる人物自体    まだ少ないんだが、話聞く限りじゃ    それがこの世を構成する    最小単位でほぼ間違いないらしい」 則夫「だから全てのみなもとってことでげんって    名前になったんだ」 則夫「普通の人間もそれらを取り入れては    いるらしんだが、ミドルやアンダーは    その割合が圧倒的に多い」 則夫「だから力が強かったり    体が大きかったりするんだ」 美穂「でも、なんで監督は    巨大化してないんですか・・?    源って言うのを取り入れたら    私達みたいに大きく    なると思うんですけど」 則夫「んぅ~っと・・。それはだな」

則夫「源そのものには質量とか    大きさとかそういった概念が    存在しないんだ。ただ、あるという    事実があるだけなんだよ」 則夫「そういったものがあることが    アンダーの登場で分かったんだが、    今の人類じゃ干渉するすべがない」 則夫「簡単に言えば、観測できる形で    供給が行われるのをミドル。    観測できない形で供給されてるのが    アンダー。この両者の違いはそれだけだ」 筑井「じゃあミドルの場合は    脂肪や筋肉に変換されて供給    されてるってことですね・・」 則夫「んぅ、そうかもとしか言えないんだが、    そう捉えるしかないからな」 則夫「だけど、冥瓦っていただろ。    あいつその両方を成してるわけだから    どっちにも属さねえんだわ」 則夫「あいつのせいで今までの定説も    見直さなきゃいけない日も    来るかもしれんな」

筑井「じゃあ、則夫さんがネズミを    捕まえてるのって環境保護と    その源って言うものの研究を    するためなんですね」 則夫「んまあ、そだね。    メインは後者だけど」 則夫「仮に巨大化してない個体でも    何かヒントを得られるかも    しれんからな」 則夫(源については喋るつもりなかったん    だけどな・・、どうも最近    口が軽い気がする、ぼけたか?) 筑井(この島が立ち入り規制    かけられてるのには色々と    難しい理由が多いんだろうな) 則夫「最後にちょっと面白い    話してやるよ姉貴についてだ」    監督に関する面白い話・・?    いったいなんだろ・・。

則夫「仮に姉貴がミドルだとしたら    どれぐらいのでかさになると思う?」 美穂「でかさ・・?どういうことですか?」 則夫「さっきも言った通り姉貴には    目に見えない形で源が供給されてる    わけだが、それがもしミドルみたいに    目に見える形で供給されたら    どのぐらいになるかってこと」 美穂「監督の場合目に見えないだけで    私達よりずっと強いし源の量も    めちゃくちゃ多いってことですよね?    てことは、それだけ大きく    なるってことですか?」 則夫「そうそう」 筑井「あんだけ強いなら500mぐらい    ありそうだけど・・」 美穂「いや、1000mはありますよ」 則夫「どっちも違うな」 則夫「これはあくまで学者が予想した    ものでしかないから、    実際どうなのかは分からんが」

則夫「答えは150万mぐらい。    kmになおすと1500㎞ぐらいか」 筑井   「・・・・・・・・」 美穂 美穂「150万mって私10万人分じゃん・・」 筑井「となると僕の100万人分の    力があるってことか・・・・。    さすがにぶっ飛びすぎと言うか    なんというか・・・・」 則夫「正確には100万人じゃなくて    100万の3乗。つまり、100京人分の    力が姉貴の体には備わっているらしい」 筑井「全人口合わせても監督の方が    源の総量、圧倒的に上なんですね・・」 則夫「そういうことになるな」 筑井(それだけのエネルギーを体に収めているのか。    本気出したら地球はなくなって    しまうんじゃないか・・?    世界征服とか考えるような人じゃ    なくてほんとに良かった)

則夫「だからある意味、ここまで力を    抑制できてるのも奇跡に近い」 則夫「冥瓦でも、せいぜい100の3乗で    100万倍ってところだろう。    姉貴は文字通り桁が違う」 筑井「そういえば則夫さん・・    冥瓦で思い出したんですけど    あの女の子と冥瓦の様子は    今どうなってますか・・?」 則夫「そいつは夜姉貴がめんどう    見るって言ってたから俺は    今どうなってるかは知らんな」 美穂「監督なら、肝試しあるんで    今こっちにいますけど・・・」 則夫「そうなのか。それなら    しばらく心配はないってことだな。    まあ、様子見にそろそろ俺も    一度戻るとしようかな、足痛いし」    そして、則夫さんは僕たちが    来た方角から寮へ帰って行った。

   則夫さんと別れた後、僕達は    再び暗い森の中を進み始める。    目もだいぶ暗闇に慣れてきて    恐怖心も薄れてきていた。    すると、波の音とともに潮風の香りが漂う。    うっすらと光が差し込む場所が見え    そこに目を移すと、そこには浜辺が。    月明かりに照らされたその景色は    美しさと共に、どこか怪しげな雰囲気を    醸し出してた。 美穂   「・・・・・・・・」 筑井    則夫さんと別れた後会話が弾むことも    なく、しばらく喋っていなかった二人。    何かを切り出そうとお互い    考えていたようで、二人とも    立ち止まり海を眺めていた。    そんな状況で先に切り出したのは美穂。 美穂「あの、もし良かったら    ここで少し休んで行きませんか?」 筑井「う、うん・・」

   ここでの休息はナナのことに    ついて聞き出す絶好のチャンス。    ではあるのだが、相変わらず    彼女に対してどうアクションを    とっていけばいいか分からずにいた。    どうやって切り出そう・・。 美穂「先輩・・・・?」 筑井「な、なに・・?」 美穂「先輩に渡したいものがあって・・」    渡したいもの・・・?    いったい何だろうか・・?    すると美穂さんはポケットから    何かを取り出す仕草を見せた後    その手を僕の前にもってきた。

美穂「これなんですけど・・」    美穂さんの巨大な掌の上に    小さくまとめられた紙が    置いてあった。 筑井「こ、これは・・?」 美穂「ナナから去り際に渡されました」 筑井「去り際・・・・・?    監督に引き渡してどこかに    連れていかれたの・・?」 美穂「いや、それは・・・。    とりあえず先に中を見てください」    なんか暗い表情だけど    何があったのだろうか・・?    監督にただ、引き渡して    終わったという様子ではないな。

   紙を開いて見てみるとその中には    AとYと言う文字と、離れてNそして    下にはOで最後に" こまったら "    それだけが紙に書かれていた。    でも待てよこのOオーには    斜線が入ってるから0ゼロか?    たぶんそうだよな。 筑井「・・・・・??    これどういうこと・・?」 美穂「いえ、私も何のことかさっぱりで・・。    筑井先輩なら何か分かるかなと    思ってたんですけど先輩も    何も分からないみたいですね」    全く見覚えのない文字。    何の検討もつかない。    何かのイニシャルだとは    思うんだけど・・・それだと    0の意味が分からないな・・。

筑井「うぅ~ん・・。考えても    全く何も思い浮かばない・・。    これ誰宛に送られたものとか分かる?」 美穂「渡された時、とても話せる状態じゃ    なかったので分からないです・・」 美穂「なんとなくですけど、その紙    私宛に送られたものじゃなくて    先輩宛のものだと思うんです・・。    なので、先輩が持っててくれませんか?」 筑井「・・・・・・・。うん」 筑井「今彼はどうしてるの・・・?」 美穂「それが・・・」    僕がナナと別れた後の話を    美穂さんが教えてくれた。    72が見知らぬ女に捕獲され    連れていかれた時の話を    事細かに話してくれた・。 筑井「そうか、じゃあ今彼が    どうなっているのかは分からないのか」 美穂「・・・・・・」

美穂「はぁ・・・・」 筑井「どうしたの、ため息ついたりして。    なんか美穂さんらしくないね」 美穂「この先上手くやっていけるか不安で・・」    彼女が弱音を吐く姿何て    この時初めて見た・・。 筑井「美穂さんなら大丈夫だって!    自信持ってよ!」 美穂「ナナを連れ去っていった女・・。    そいつに惨敗してしまって正直    自信なくなってるんですよね・・」 美穂「それに私より強い人なんて    他にいっぱいいるのに、この先    部長としてしっかりやっていけるか    不安で・・・・・」 美穂「でも、今までだって人よりは    頑張ってきたつもりですし    これ以上何をどうすればいいのか・・」

美穂「皆の将来を大きく左右する    立場にいるって言うのに    今のままだと・・・・」    再びため息をつき俯きだす美穂さん。    少しではあるが体に震えが    あるように見えた。 筑井「・・・・・・・」    にしても・・すげえ重い・・・。    こんな相談今までされたことないぞ。     筑井「そんなに強さにこだわりすぎる    こともないと思うけど・・。    一番上に立つ人が必ずしも    強くある必要はないはずだし」 筑井「美穂さんが部長候補になってる    理由は強さだけじゃなくて    そういった責任感の強いところが    評価されてるからだと思う」 筑井「だから上に立つ資質は誰よりも    あるんじゃないかな・・。部員の皆も    きっとそう思ってるはずだよ」

美穂「そう思われてるならこの上なく嬉しくは    あるんですけど・・、実力や結果が    伴わないと自信に繋がらなくて・・・・」 美穂「とてもこんな気分のままじゃ相撲に    真剣に向き合える気がしないんです」 美穂「今の私が皆の柱になるには、あまりにも    もろい・・。この不安感さえ拭いきれれば    やれそうな気はするんですけど」 筑井「そういった責任を追う立場に    たったことないから上手く    アドバイスができないな・・。    一応年上なのに、頼りなくてごめん」 美穂「い、いえそんなこと・・。    先輩だから打ち明けたんですよ!    言えただけでもスッキリしました」 筑井「そ、それならよかったけど・・」    相談相手に気を使わせてしまうとは    つくづくダメだな・・。    相撲はできないけど、彼女達の    サポートぐらいはしてあげたい・・。    それぐらいはしてあげないと

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