巨大女子相撲部

雪鳴「美海ちゃん、美香ちゃん    監督呼んできたよ!」    皆が会話をしている途中    監督を呼びにいっていた    雪鳴が戻ってきた。    だが、監督の姿は見当たらない。 美香「呼んできたって監督いないじゃん。」 雪鳴「ちょっと用事あるから、もう少し    待ってて言われて・・・」 美香「そんなことより今は・・」 刀祢「雪鳴ぃい!!!」 雪鳴「と、刀祢先輩・・!!?」    名前を呼ばれた瞬間    逃げ出そうとする雪鳴。    それを全力で刀祢が止めに入る。    圧倒的スピードの差で    すぐに雪鳴は捕まってしまった。

刀祢「てめぇ・・・よくも    うちらを裏切ってくれたな!!」 雪鳴「そ、そういうわけじゃ・・」    暴力でも振るいかねない    様子の刀祢を止めるべくすかさず    筑井達も二人の元へかけよる。 筑井「ちょ、ちょっと待ってくださいよ・・!    雪鳴が何したかは知らないですけど    そんな強く当たらなくても・・」 刀祢「部外者は黙っとれ!!」 筑井ひっ・・・・ 美香「部外者ってわけじゃないんですけど。    雪鳴は私達の大事な友達なんですから」 筑井(すごいな・・・。こういう時、    美香みたいな子は頼りになる)

美海「私達に何があったかぐらい    話してくださいよ」 刀祢「こいつはなあ・・・・。    孔雀に来る約束しといて    それを裏切って北の孔雀に    身を捧げよったんじゃ・・!!」 刀祢「これが怒らずにいられるか」 美香「北の孔雀・・・?」 刀祢「槍薔薇のことや、アホ!    日本一みたいなでかい態度    取りおって・・!    今はもう孔雀の方が上なんじゃ!!」 則夫(そういや、孔雀ヶ原って    南の槍薔薇とか言われてんだっけか。    だいぶ気にしてるみたいだな)

刀祢「思いれのある故郷を裏切り    北に魂を売ったこいつを    うちは絶対許さんからな!!」 雪鳴「ご、誤解ですよ刀祢先輩・・    裏切ってなんか・・・」 刀祢「何が誤解や!!    槍薔薇に入っとる事実は    変わらんやろうが!」 美海「雪鳴にだって選べる権利ぐらい    あります!!先輩だかなんだか    知りませんけど、雪鳴を責める    のはおかしいんじゃないですか!」 雪鳴「美海ちゃん・・・」 刀祢「なんやと・・!    さっきからぶつぶつと    うちの後輩に対する愛情を    お前は知っとるんか・・?」    そう言って右下にいる美海を    強く睨みつける。

藤崎「ずいぶん盛り上がってるな    私も話に混ぜてくれないか」    なんと、いつの間にか藤崎が    刀祢の肩の上に座っていた。    右方向を向いていたため    声がするまで、その存在に    全く気付けていなかった・・。 刀祢「うわぁあああ!!!」    驚いた刀祢は雪鳴を掴んでいた手を    離し、彼女を落下させてしまう。    そのまま地面に激突するかと    思われたが、着地の間際    一瞬体が空中で停止し、その後    ゆっくりと地面に降ろされた。    どうやら藤崎の力で    怪我をすることはなかったようだ。     刀祢「こ、これはどうも藤崎監督・・。    先日の練習試合ではどうも    お世話になりました」 筑井(監督が来たら急に    へこへこし始めたよこの人・・)

藤崎「貴様など知らん」 刀祢「えっ・・そ、そんな・・」 藤崎「格下相手に意気がる程度の雑魚を    覚える必要があるのか?」 刀祢「うっ・・・・・」    普段はあれだけど    味方になるとほんと心強いな・・。 藤崎「雪鳴大丈夫か」 雪鳴「は、はい・・」    無事を確認した藤崎は    もう一人彼女に怯えている    存在に声をかけ始めた。

藤崎「何逃げようとしてんだ。    くそはげ」 則夫「いっ!?・・・・・・・・」    呼ばれた瞬間、足を負傷してるにも    かかわらず走り出そうとする則夫。    しかしそれもすぐに止められてしまった。 則夫「ちょ逃げないから締め付けないで・・。    俺も一応けが人なわけだし・・」 藤崎「相変わらず頼りにならん奴だな。    とは言っても、今のお前に    いろいろと聞かなければ    ならないことがある」    そう言って則夫の隣まで    瞬間移動する藤崎。    そして彼の耳元で囁いた。

藤崎「私の弟だってこと、だれにも    話してないよな・・」 則夫「も、もち・・・」 藤崎「話したらどうなるか    分かってんだろ?」 則夫(えっ・・分かってないんだけど?    どうなんの・・・?!) 則夫(今まで俺がミドルと絡むこと    なんてなかったから、そんなこと    言ってこなかっただろ・・) 則夫「柄にもなく心配性だな・・。    ちゃんと分かってるって」 藤崎「なら、いいが」    それから則夫は冥瓦について    分かるだけのことを藤崎に伝えた。    その会話は聞かないほうが良いと    自然に判断した五人は    遠くから二人の様子を眺めていた。

藤崎「大方予想通りと    言ったところか・・」 則夫「にしてもこんな奴俺も    見たことないが、こういった    症例は姉貴は見たことあるか?」 藤崎「ないな」    話がひと段落したようなので    五人は二人の元に近づいて    簡単にでも状況を聞こうと    していた。 藤崎「そこのうるさいの、お前が冥瓦の    相手をしてたそうだな」 刀祢「はい・・。    だけど、うちがやったわけじゃ」 藤崎「そんなことは分かっている。    今のこいつはお前程度でやれる    代物しろものじゃない。これを見てみろ」

   藤崎が冥瓦の襟元えりもとに手を触れ    彼女の首元をあらわにする。    そこにあったものはひどい打撲の跡。 藤崎「僅かながらに残った意識で    自分を止める方法は過度の    自傷行為だけだったようだ」 則夫「急に倒れたように見えたのも    攻撃が早すぎて見えなかった    からってところだろうな」 刀祢「そういうことやったんか・・」 刀祢(こいつ、うちと戦ってる時    手抜いとったってことか・・。    かんさわりよるわ・・) 筑井(さっきの破裂音も冥瓦自身が    攻撃した音だったのか・・・。    あの体の頑丈さだ、どれだけの    力で首にダメージを・・)    以前会った時に彼女の頑丈さを    見ていた筑井はどれほどの力で    自分に攻撃をしているのか    想像することができた。

美海「じゃあ、彼女はこの暴走を    止めてくれる人・・、つまり    監督に助けを求めてたことじゃ」 藤崎「だろうな」 美海「だったら監督、彼女は槍薔薇で    保護してあげるべきじゃ・・」 藤崎「だめだ」 美海「え、なっなんで・・?」 藤崎「生徒以外の面倒は見ないと決めている。    こいつだけを特別扱いはしない」 則夫「おいおい、そいつは冷たくねえか。    それに、ほらそこの筑井君も    正式に生徒になってるわけじゃ    ないんじゃないか・・?」 藤崎「・・・・・・。    転学の手続きはそのうちやる」 則夫(あれっ・・筑井くんのことになると    マジで様子変わるんだな・・)

雪鳴「でも、このままだと彼女    今後も自分を傷つけ続けるんですよ?    特別扱いしてやっても・・」 藤崎「私はこいつが嫌いだ。    相手などしてたまるか」 雪鳴「えっ・・・・」   (ひ、ひどい・・・) 藤崎「だが、ほっておくわけにも    いかないのも事実だ。    だから私は考えた、いいアイデアを」 美香「いいアイデアとは・・・?」 藤崎「私のお師匠様に押し付ける。    力の使い方ならお師匠様の方が    私なんかより圧倒的にうまい」 藤崎「来年までお師匠様に    任せとけば、今のような    暴走はなくなるだろう」 筑井(押し付けるって・・・    なんか可哀そうなお師匠様だな)

刀祢「でも、こいつめちゃくちゃ強いっすよ。    そのお師匠様って人に預けて    大丈夫なんすか?」 藤崎「お師匠様なら問題ない」 美香「そのお師匠様どんだけ    強いんですか・・・・」 藤崎「今はどうなってるかは知らんが、    冥瓦程度なら問題ないはずだ」 筑井(監督や冥瓦以外にも    似たような力を持ってる人が    まだいるのか・・・) 美香「監督のお師匠様かぁ・・。    どんな人か気になりますね」 藤崎「人前に絶対出ないからな。    直接会いに行きでもしない限り、    姿を見ることは絶対にないだろう」

藤崎「もう軽く40年は山に籠りっきり。    私も何年会ってないことか」 美海「よ、40年・・・・    ほんとに仙人みたい・・・」 藤崎「お師匠様の話はこの辺に    しとくぞ、あまり話されるのを    好む方じゃないからな。    おい、くそはげベッド二つ分用意しろ。    冥瓦の体だと二つは必要だ」 則夫「えぇ・・めんどくせ・・。    ミドル用の医務室あんだろ、    そっちに運べよ」 筑井「ミドル・・・・?」 雪鳴「私達みたいな巨大化した    人のことをそう呼んでるらしいですよ」 筑井「へぇ・・・初めて知った」 美香(私も知らなかった・・)

藤崎「こいつはミドルじゃない。    それに移動が面倒だ。ベッド    余ってんだろ、さっさとしろ」    そういって指先を動かし    冥瓦を宙に浮かせる監督。 則夫「くそっ・・・・」 則夫(ベッドの準備も自分でやった方が    早いだろ・・。こき使いやがって)    毎度見て思うことなのだが    いったいどういう原理で    浮かせられてるんだ・・・?       あれもお師匠様が    教えた技なのだろうか・・。

藤崎「ことはすんだ、    海にでも戻って遊んどきな」 藤崎「孔雀ヶ原のお前も    美穂と桂子に会いたいんじゃないか」 刀祢「そや!?あいつらも    思えばここに来とるんか!!    寸道のアホ・・。待っとれよ」    さきほど則夫さんが下りてきた    窓から冥瓦と監督は医務室に    入っていった。    医務室に送られた冥瓦と謎の少女の    ことは気になっていたが二人とも    気を失っていては、こちらからは    なにもすることができない。    取り残された僕たち4人は    孔雀ヶ原の刀祢さんを引き連れ    再び海へ戻ることに。

  医務室へと入った則夫と藤崎は   先ほどまでの会話の続きを   していた。 藤崎「明日の朝、こいつを届けに行く。    その間、部員達のことを頼む」 則夫「頼むって何すりゃいいのさ・・。    ミドルをまとめるなんて    俺じゃ無理だぞ・・・」 藤崎「何か起こった時    手助けしてくれればそれでいい。    さっきまでのようにな」 藤崎「基本的に孔雀の監督にめんどう    見てもらうつもりだから、    お前の出る幕はないだろう」 則夫「それは分かったけどさ、    この島出るなら今から    行きゃいいんじゃねえの・・?」 則夫「冥瓦こいつがいるの正直落ち着かねぇし、    さっさと連れ出してほしいんだが・・」 則夫(姉貴がいるのが一番    落ち着かないんだけどな・・・・)

藤崎「お師匠様の元に行くまでに    色々とやっておかなければ    ならんことが多くてな」 藤崎「先に言っておくが今晩はここにいる。    2人の様態を見ておかねばならん」 則夫「そ、そうなの・・。俺の寝室    別にあるからその間じゃあ頼むわ」 藤崎「お前患者が寝てる時どうしてるんだ?    万が一と言う場合があるだろ」 則夫「ベッド使う奴いないからな・・。    思えば今回使うの初めてだし・・」 藤崎「こちらの出資も無駄というわけか。    お前の給料も考えねばならんな」 則夫「嫁と子供いるし勘弁してくんねえか。    そりゃまあ余裕がないわけじゃ    ないけどさ・・・」 則夫「つか、姉貴の方こそ金有り余るほど    持ってんだろ?さっさと結婚しろよ。    飛空さんにもいつも言われてんじゃん」 藤崎「今夜はお前もここで寝るか    くそはげ・・・余計なお世話だ」

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