巨大女子相撲部

   美海のことが心配になり外に出た筑井。    玄関を出て外の様子を見てみると    冥瓦を取り押さえていたはずの美海は    なぜか、美香と一緒に玄関手前に    立っていた。 筑井「美海!美香!大丈夫か?」    美海と美香に声をかけるも    二人が筑井の呼びかけに対し返事を    することはなく、美海は筑井に    目を合わせた後、彼の視線を誘導    するためにそのまま目の前へと    視線を流した。     筑井「んっ・・・・?」    美海の誘導に流されるまま筑井も    彼女達の見つめる先を見てみると、    その先にいたのは見覚えのない    女生徒が一人と、その奥に    倒れている冥瓦の姿があった。

   構えをとったまま動かない謎の女生徒。    広場にいる人間の全てが硬直状態になると    いう奇妙な状況がしばらく続いていた。    今来たばかりで何が起こっているのか    理解することができなかった筑井は    続けて彼女達に質問をする。 筑井「これはいったい・・・・・。    それに彼女はいったい誰なんだ・・?」 美海「さ、さあ・・・?    別の学校の人みたいですけど」    別の学校・・・・?    そういえば、合同合宿言ってたな。    じゃあその学校の人ってことか。 美香「さっきまで私達の代わりに    冥瓦の相手をしてくれてたんですけど    大きな音がした後、冥瓦が動かなく    なって、その後あの人も    立ち止まったままなんです」

        筑井「そうだったのか・・。ごめん    危険な目にあわせちゃって」 美海「何謝ってるんですか・・?    先輩何も悪いことしてないのに」 美香「それより、あの二人全然    動かないけどもしかして    手前の人も気失ってんじゃないの?」    門手前で倒れたまま全く動くことの    なくなってしまった冥瓦と    もう一人の立ち尽くしている女生徒。     話を聞いてる限り    二人は少しの間一戦交えてた    みたいだけどそれ以上のことは    この2人も分かってないらしい。    美香が心配になり別の学校の    女生徒に声をかけようとした    タイミングでその人物が    こちらを振り向いてきた。

??「おい、あんたら    こいつの知り合いか・・?」    彼女の第一声は、こちらを威圧する    ような少し低めの声に聞こえた。 美香「知り合いかと言われると・・    ちょっと違うような・・・」    突然声を掛けられ    筑井達は言葉を詰まらせていた。 ??「なんか分からんけど    急に気失いおったでこいつ。    うちがやったわけちゃうからな」 筑井「は、はあ・・・」 美海「で、あなた誰なんですか・・?」 ??「は・・・・?まさか、うちのこと    知らんのか?お前ら・・・・?」

??「聞いて驚くな!    孔雀ヶ原高校の次期エース!    刀祢とね いずみとはうちのことや!    これで誰か分かったやろ!!    はよ驚かんかい!!」    初めは暗いトーンで声をかけて    きたにもかかわらず、次は    テンション高めに声をかけてきた。    急に調子が変わったことで3人は    若干引き気味になるのであった。 美海「・・・・・・・・」 筑井(孔雀ヶ原ってどこ・・?) 美香(たしか南でそれなりに強い高校    だったはずですけど、私も詳しくは) 美海「何言ってるか良く分かんないですけど、    助けてくれてありがとうございます」 刀祢「こいつ・・・・」チッ… 刀祢「うちのこと知らんだけなら、    まだしもボケまでスルーしおって・・。    そんなんやから、北の人間は    冷たい言われるんやぞ・・」

美海「なんかボケてたの・・?」 美香「驚くな言ってたのに、驚けって    言ったことでしょ」 美海「あーなるほど」 刀祢「一々解説せんでええわ!    分かっとるならすぐツッコめ!!」 美香「初対面の人に対して    ツッコみなんてできないですよ・・」 刀祢「ほんまだらしない1年共やな。    んっ・・?1年で思い出しけど    そっちに雪鳴っておるやろ?    うちの知り合いなんやそいつ。    あいつ今どこにおるか分かる?」 美海「えっ?!雪鳴の知り合いなんですか?!」    そういえば雪鳴たまに    方言口調になってた時あったな。    やっぱり南地出身だったのか。 刀祢「せや、あいつに言いたいこと    あるから、どこにおるか    知っとるなら教えてくれ!」

美海「それだったら、しばらくここで    待っていれば来ると思いますよ。    丁度、監督呼びに行ってるところ    なんでしばらくしたら来るかと」 美香(言って良かったのかしら・・。    なんかちょっと怒り口調だけど) 刀祢「おお!そうなんか!    教えてくれてありがとう!    あいつには山ほど説教したい    ことがあるからな」 美香(やっぱ教えちゃまずい    やつだったか・・・・) 筑井(説教って、そんな怒られる    ようなこと、する子には見えないけど    二人の間にいったい何があったんだ?) 刀祢「どうせここで待っとかな    あかんのやったら、ついでやし    このイカレ女を病室に運んどこか」    そう言って彼女は腰をかがめ    冥瓦に手を伸ばそうとした時・・

則夫「ちょっと待ってくれ」    則夫さんが窓から顔をのぞかせ、    こちらに声をかけてきた。 則夫「今そいつに触れないほうがいい」 刀祢「なんや兄さんこいつの    知り合いか・・・?」 則夫「に、兄さんって。    どう見てもおっさんだろ・・」 美香(そこ訂正するとこなの・・?) 則夫「とにかく待て、ちょっと俺も    そっちに行くから」    どうやらそのまま窓から出て    こっちに向かって来るようだ。    そして、則夫さんは窓から    軽やかに外へと出てきた。

則夫「あっ・・・・!?」グギッ 美香(なにしてんのよ、あのおっさん・・) 刀祢「だっさ」プッ    窓から飛び出た勢いで    着地時に足をぐねらせて    しまった則夫。    そこからしばらく足の痛みに    もだえてからこちらに近づいてくる。    そんな哀れな姿を4人は何も言わず    傍観するのみであった・・。 筑井「則夫さん大丈夫ですか・・?」 則夫「これぐらいなんてこと・・ない」 美海「先輩この人のこと知ってるんですか?」

筑井「うん、医務室にいた先生だよ」 則夫「槍薔薇の新芽達か。    一人違うのがいるみたいだが」 刀祢「おっさん、触らないほうがいいって    どういうことなん?    そんなに脆い奴ちゃうぞこいつ」 則夫「逆だ、今の彼女は見たところ    姉貴と同じ状態になっている」 美香「姉貴と同じ状態・・?」 美海「おっさんのお姉さんと    同じ状態ってどういうことですか?」 美香「なんであんたまで    おっさん呼びなのよ・・」 美海「だって、おっさんって呼べって」 美香「・・・・・・」 則夫「そういや皆知らないはずだよな。    筑井くんにはもう話したけど    改めて自己紹介をするか」

則夫「俺は槍薔薇の監督である    藤崎美理央の弟。名前は則夫。    姉貴と違って結婚もしてる。    まあ、よろしこ」 美海 美香えええぇ!?」 刀祢 美香(この禿親父が監督の弟・・?!    どう見ても監督より年上にしか    見えないけど・・・・。    つか、監督って何歳なのよ!!) 刀祢「あの、藤崎さんの弟さんだったとは    失礼なこと言ってすみませんでした!」 則夫「なんだ急に改まって    なんかやり辛い奴だな・・」 則夫「でも、これで俺の話を聞く気に    なってくれたみたいだな。    ちょっとそいつのことについて    話をまずさせてくれ」

則夫「簡単に説明させてもらうと、    今こいつの体からいろいろと    危ないもんが飛び出してる状態だから、    直接触れれば怪我をしてしまう」 則夫「直接触れさえしなければ    怪我することはないから、    とりあえず今は近づくな」 筑井(直接触れなければって・・。    監督と一瞬触れて手が腫れた    あれと同じ状態ってことか・・?    姉貴と同じって言ってたし) 則夫「誰か姉貴を呼んできてくれないか    今こいつを運べるのは    姉貴しかいないんだ」 美香「それだったら丁度    雪鳴が呼びに言ってるところ    なんでしばらくすれば来るかと」 則夫「タイミングがいいな。    俺はできれば会いたくねえんだけど    こいつと生徒達だけ残して移動    するわけにもいかないし、    一緒に待つことにしよう」

刀祢「それにしてもなんで    こいつは急に気を失ったんやろ?    則夫さん何か分からんの?」 則夫「・・・・・・」 則夫「さあなあ・・・・。    まあ可能性はいくつか考えられるが    断定したことは姉貴が来るまでは    確認できないな」 美香「急に力が強くなったから    力の暴走みたいなものなのかしら?    色々と気味が悪いと言うか    私達とは明らかに別人種よね。    小さい体に力がある感じは    監督と似たようなものを感じる」 美海「小さい体って言っても    一般人よりよっぽどでかいけどね」 美香「細かいことはいいでしょ!    私達から見りゃ十分小さいんだから」    それから僕たちは    雪鳴と監督が訪れるのを    しばらく待つこととなった。

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