巨大女子相撲部

   寮に待機していた冥瓦に    絡まれ立ち往生を余儀なくされた筑井。 筑井(くそっ・・・。    冥瓦こいつ、怪我人いるのに戦うって    どういう神経してるんだ・・・。    無視して突っ切りたいところだけど    冥瓦相手じゃそれも無理だし) 筑井(こうなったら、    言葉で何とかなだめるしかない)    今までとは違う雰囲気の冥瓦に    得体のしれない恐怖を抱いた彼は    無意識の内に後ずさりを始めていた。    しかし、このまま引き下がることを    許してもらえるわけもないと思い    先へ通してもらえるよう    説得を試みることに。 筑井「今は急ぎなんだ・・!    邪魔しないでくれ・・。    相手なら後でしてやるから」 冥瓦「・・・・・・・」

冥瓦「だめだ、今すぐ戦え。    暇してんだよこっちは」 筑井(やっぱ普通に言ってもだめか    だったら・・・・)    彼ではなく冥瓦めがわらにも戦えない理由が    あることを思い出した筑井は    そのことを伝えることに。 筑井「今僕達が戦ったら監督との    約束を破ることになるぞ。    さっき言われてたじゃないか。    私の言うことが聞けないのかって。    ここで戦ったんじゃもう話すら    聞いてもらえなくなるぞ」    先ほどまでの藤崎と冥瓦の会話を    持ち出し抑制しにいくが・・・。 冥瓦「そんなことはどうでもいい」 筑井「えっ・・・・・?」 冥瓦「藤崎あいつのことなんて知らねえよ。    とにかく誰でもいいから殴りたい」

冥瓦「別にお前じゃなくても    いいんだぜ、その女でも」 筑井(何がどうなってるんだ・・?    監督のことをどうでもいいなんて    言うはずもないのに・・) 冥瓦「5秒だけ待ってやる。    その間にどっちが潰されるか決めろ。    答えねえならどっちも潰す」 筑井「い、いきなりそんなこと言われても」 冥瓦「5、4、3、2・・・」    いきなりとんでもない選択を    迫られることとなった筑井であったが    答えはカウントダウンが始まる    前から決まってはいたようだ。 筑井(こうなったらやむを得ない・・) 筑井「分かった・・。僕が戦うから    この子だけは勘弁してくれ」 筑井(この子だけ置いていくのは心配だけど、    今は逃げるしかない・・。僕がやられ    たんじゃ連れて行くこともできないし。    とりあえず茂みに入れば体格差の    おかげで逃げられる可能性はある・・)

   しかし筑井がそんなことを    考えている間にすでに    冥瓦は筑井に向かって突進    し始めていた・・!!    冥瓦と会ってからずっと    後退し続けていたこともあり    距離は10数m離れてはいた。    それに加えなぜかは分からないが    この島で初めて会った時に比べると    スピードも確実に落ちている。    そのおかげで突進してきている彼女の    姿を目で捉えることができたが    もう、すでに逃げ切れない距離まで    冥瓦は筑井との間合いを詰めていた。    普段ならまだ、何とかかわすことが    できただろうが、少女一人を    抱きかかえ疲れ切っている状態。        冥瓦の動きを捉えることはできても    それに対応することができない。

美海「ウラぁ!!!!」    もうだめかと思ったその時    背後から突如現れた美海!    冥瓦に向かって全力のタックルを加える。    その衝撃で冥瓦がうしろに倒れた。 筑井「み、美海!!」 美海「先輩、大丈夫ですか!!」   (私ちょっとかっこいいかも・・) 美海「て、その子は・・・!?」 筑井「監督から頼まれて、この子を    医務室まで連れて行こうとしてたんだ」 美海「で、こいつが邪魔に入ったと」 筑井「それであってるよ・・」    いつも僕の平穏を乱してくる    彼女だけどいざって時は    いつも助けてくれるな・・。

筑井「そういや、美海冥瓦の決闘の話    聞いて怒ってたはずだけど、    どうして助けてくれたの」 美海「先輩が誰かを助けてるなら    それを全力で助けるのは    当たり前じゃないですか」 筑井「美海・・・・。ありがと・・。    悪いけど先に行かせてもらうよ」    いつもなら別の女性といると嫉妬心    むき出しにしてくるはずなのに。    今は違うんだな・・・。    体だけ成長し続けてると思い込んでた    けど中身もしっかり成長    しているのかもしれないな・・。    僕もしっかりしないと。 美海「えへへ・・。    先輩に褒められたの久々・・    もちろんいいですよ!    早く行ってきてください!」 冥瓦「・・・・・・・」

   地面に倒れていた冥瓦が    起き上がろうとしていたのに    気が付いた美海は急いで    冥瓦の上に飛び乗った。 美海「先輩急いで!    私でもそんなに抑えてられないかも」 筑井「ありがとう美海・・!    この恩は必ず返すよ!」    美海に促され僕は無事寮内に    入ることができた・・。    でも、冥瓦あいつも相当な強さだけど     美海は大丈夫だろうか・・。    とにかく、医務室の場所を    早く探さないと・・・。

美海(いったあ・・・・。    めちゃくちゃ硬いんだけどこいつ) 美海(脂肪のおかげでダメージは    少なかったけど、あの勢いで    普通の人間がぶつかったら    タックルした方がやばいかも・・) 美海「・・・・!?」 美海(それになんか・・    熱くなってきてない・・?    気のせいかな・・・?) 冥瓦「いいなお前・・・!お前になら    もうちょっと力出せそうだ」 美海(なにこいつ・・・・・    こんな奴だったっけ・・?) 美海「うわっ・・・!?」    冥瓦は、体全体に一気に力を込め    上に乗っていた美海を無理やり    吹き飛ばし間合いを取り始める。    美海が尻もちをついた時    背後からは別の気配が。

美香「ちょっと美海、速すぎだって・・!    どんだけ飛ばしてんのよ・・。    て、あいつはさっきまでの」    冥瓦が美海と距離をとった    タイミングで美香と雪鳴が    遅れての到着。 美海「美香!雪鳴!やっと来てくれた!」 美海「先輩とは会えたんだけど    ちょっと冥瓦このこの相手任され    ちゃって今抑えてたとこなの。    二人も手伝ってくれない?」 美香「どうしてもって言うなら・・」 美香「って、言おうと思ってたけど    そんな悠長なこと言ってられる    状況じゃなさそうね・・・。    言われなくても手伝うわよ」 雪鳴「なんか怖い・・あの子・・」

   そんな会話をしているさなか、    ふと3人が目をやると数m先に    立っていた冥瓦の姿が    消えてしまっていた。    彼女はすでに移動しており    美海達の頭上を移動していたのだ。 美海「っ!?」    そして美海の前に姿を    現すや否や、彼女は美海に向かい    手のひらを向け始める。 美海「ぶはっ・・!?」    何をするかと思えば    彼女がやった行為は張り手。    美海の額に向け張り手を加え座っていた    美海の背を地面につけさせる。    そんな挙動も3人からすれば    何が起こったか分かっていなかった。    後ろの二人が分かったことと言えば    冥瓦が突然、美海の前に現れ    そして、理由は定かではないが美海が    倒れようとしている状況のみ。

   しかしそんな状況にも美香は    焦る様子を見せなかった。    冷静さを保っていた彼女は    空中に浮いていた冥瓦に手を伸ばす。 美香「ちょっと人が・・・!」    伸ばしていた手で    冥瓦を掴みその手を    一気に地面まで振り下ろす。 美香「まだ、話してんでしょ!!」    そのまま地面に叩きつけられる冥瓦。    その衝撃で周辺一帯が揺らぎ、    周りの枝や木の葉が大量に舞い散る。

冥瓦「やるな・・・」    顔をにやつかせながら    美香の方を見上げてる冥瓦。    その様子を見た美香は    不気味さから寒気を感じていた。 美香(思いっきりぶつけたのに、    全く痛がる様子もないし気味悪い・・。    まあ、打たれ強さだけで    力は全然ないみたいだから    恐れる程じゃないけど・・・・) 美海「このままだと抑えきれないかと    思ってたけど、二人なら    なんとかなりそうだね。    私と美香で抑えてるから雪鳴    監督を呼んできてくれない?」 雪鳴「う、うん分かった」    美海に呼んでくるよう頼まれた    雪鳴は急いでもと来た道を    戻り始めた。

美香「それにしても美海さっき    攻撃食らってたけど大丈夫なの?    もろ入ってたじゃん」 美海「んっ・・・そういえば    全然痛くない・・?」    美海が言われて思い出したのか    冥瓦に張り手を受けた額に手を当てる。    その時美香は美海の額の状態を    確認しようと思い彼女が    髪を上げる瞬間を見ていたが    赤くなってる様子はまるでなかった。 美海「ほんとだ・・。急にあんたが倒れたから    重いの貰ったのかと思ってたけど」 美海「軽く小突かれただけって感じ。    驚いて後ろに倒れちゃったけど    力で押し倒されたわけじゃないよ」 美海「もし頭にそんなダメージ    入ってたらこんなすぐ動けないし」 美香「こんなに殺気に満ちてるのに・・。    迫力はあるけどパワーは    ほんとないみたいね」

冥瓦「どけっ!!!てめーら!!    いい加減にしねぇとぶっ殺すぞ!!!」    狂的な冥瓦の様子に    圧倒的優位に立っているはずの    二人の方が彼女を恐れる始末。    冥瓦から離れたいという気持ちが強く    あった二人だが、何をしでかすかも    分からない彼女を野放しにするわけにも    いかないので、我慢して上に乗り続ける。     美海「初めて会った時とはまるで別人だし、    いったい何がどうなってるの・・?」 美香「話を聞いてる様子もないし    まじでやばい奴ね・・・。    薬でもやってんでしょこれ・・」    しかししばらくすると、    先ほどまで叫んでいた冥瓦が大人しく    なり始め、次は全く喋らなくなる。    明らかに様子が変化したことで    彼女達の恐怖心が増し、冥瓦に    体重を更にかけ始めるが・・・、    それに合わせるかのように    冥瓦の力が急激に強くなり、なんと    二人を上空へ吹き飛ばしてしまった。

美海   「うぐっ・・!!!!」 美香    1m前後宙を舞った後、地面に    叩きつけられる美海と美香。    着地した時にはすでに冥瓦は    さっきと全く同じ位置に戻っていた。 美香「急に力が強くなってるし・・。    なんなのよこいつマジで・・」 美海「でもなんだろ・・    戦うって言うにはなんか    違和感があるって言うか    言葉は強いのに行動がそれに    伴ってないって言うか・・」 美香「確かになんかひっかかるわね・・」 冥瓦「・・・・・・・」

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