巨大女子相撲部

   先に藤崎の元へ着いた美穂は    さっそく藤崎に話しかけ    ようとしていたが・・。 美穂「か、監督・・・!」 藤崎「・・・・・・・・」    筑井がいなくなったことで    衰弱してしまっていた藤崎。    自分の元に残ってくれるものとばかり    思っていたが、彼は美海達の元へ    向かって行ったので傷ついて    しまっていたらしい。 美穂「監督にお願いがあるんですが・・、    あの・・・・・・・・」 藤崎「・・・・・・・・・」 美穂「ちょっと、監督!!!」 藤崎「・・・・・・・・・」 美穂(だめだ・・、会話ができない)

筑井「美穂さーん!」    遅れてそこへ筑井も到着。    筑井が戻ってきたことにより    藤崎の意識は見る見るうちに    元に戻っていった。 藤崎「やっと、帰ってきたし!!」    藤崎の様子を見た筑井は    二崎がなぜ自分を送り出して    くれたのか理解できたようだ。 筑井(口を利ける状態になかったから、    僕をここに行かせたわけか。    相変わらず頭の回る人だ・・) 筑井「か、監督!美穂さんが用事    あるみたいですけど、まず話を    聞いてあげたらどうですか?」    今の発言を聞き、周りの様子を    確認し始める藤崎。ここでやっと    美穂の存在に気が付いたようだ。 藤崎「え・・?あぁ美穂いたんだ」

美穂「いたんだじゃ、ないですよ!    こっちは緊急事態なんですから!」 藤崎「緊急事態?誰か溺れた?」 筑井(監視するとか言ってたくせに    全然監視してないし・・・) 美穂「いや、そうじゃなくて・・    この子を見てほしいんですけど・・」    美穂は腰をかがめ    その巨大な手のひらの上を    藤崎に見えるようにする。    となりに居合わせた筑井も    美穂の手の中に目をやると。    そこには傷ついた少女の姿が。    あまりの怪我に驚き筑井はつい    目を逸らしてしまっていた。    それとうってかわって藤崎は少女の姿を    見ても顔色一つ変える様子はなく、    淡々と会話を進めていく。

藤崎「お前がやったのか?」 美穂「ち、違いますよ!    助けてほしいと言われたので」 筑井「誰に頼まれたんだ?    この子が喋れたとは思えんが」 美穂「・・・・・・・・・    え、えっと・・・それは・・」    真西は藤崎に会うことが不都合    だと言っていたのを思い返す美穂。    その言葉のせいで答えるのを    悩んでしまっていたが彼女の中で    答えはずっと前から決まっていた。    あの大けがのまま放置することは    美穂の性格上できないことであったため    元から彼女も助けるつもりでいたようだ。 美穂「もう一人怪我人がいて、その人から    頼まれてこの子を連れてきました」 美穂「もう一人の怪我人は私一人では    運べそうになかったので、    監督の助けを求めに来たんです」

藤崎「なるほどね・・    分かった。じゃあそのもう一人の    怪我人のところまで案内して」 藤崎「そして、筑井君」 筑井「えっ?はい!?」    あまりに急な展開に気が    動転していた筑井。    今の自分では何もできないと思っていた    彼はまさか自分に話が振られるとも    思っていなかったため声を    かけられたことに驚いていたようだ。 藤崎「彼女を先に寮の医務室まで    連れて行ってあげて。    医務室は入り口すぐ近くにあるから    たぶんすぐに分かると思う」 筑井「僕がやるより、ほかの    女子相撲部員の方がいいんじゃ?    ここから寮までの距離はそんなに    ないですし、そっちの方が早い    はずですよね・・?」 藤崎「いや・・、それはだめ・・」 筑井「ど、どうしてですか・・?」

藤崎「理由は後で話すから    今は急いで連れて行って」 筑井「は、はい・・・。」   (あまり人目に触れていいものでも    ないだろうし、そういう判断    なのかもしれないな・・)    美穂さんの手のひらの上にいた    彼女に近づいて様子を見てみる。    あまりに生々しい光景に    持つことに抵抗を見せる筑井で    あったが運ばないわけにも行かないので    何とか持ち上げようとする。    正面の傷はひどいが背中の    傷はまだ少なかったので    背負う形ではなく、お姫様だっこ    という形で落ち着いた。

筑井(初めて持ち上げる女の子が    まさか重症の子になるとは・・。    それにしても思っていたよりも    軽いんだな・・・女の子って・・) 筑井(て、こんな時に何を考えてるんだ!?)    抱きかかえ上げたはいいものの    人並み以上にひ弱な彼にとって    人一人を運ぶのはかなりの重労働。    今の彼の強みと言えば    少しだけ強くなった足腰だけ。    上半身の筋肉はてんでだめなので    できるだけ早く連れて行かなければ    ならないと彼は考えていた。    そう思った彼は慌てた様子で    寮へ向かっていったのだった。

藤崎「・・・・・・・」 美穂「監督・・・・・?」 藤崎(今度私もやってもらおうかな    服越しなら触っても大丈夫だろうし・・) 美穂「監督!!!!!」 藤崎「んっ?えっとじゃあ    もう一人の所に向かうか」 美穂「ほんとしっかりしてくださいよ・・。」    そして美穂と藤崎は    真西が倒れていた場所へ向かう。    そんな様子を眺めていた    美海達4人はというと・・・・

二崎(あの様子だと、ただ悩みを打ち明けに    行ったわけじゃなさそうね・・・。    何か事件でもあったのかしら?)    ただならぬ雰囲気を感じ取った    二崎は他の3人のことを    気にする様子もなく移動する    美穂と藤崎の様子を眺めていた。    ただ、そうなっていたのは二崎    一人ではなく美香もまた同じであった。 美香(監督が動いてるなんて    よっぽどのことがあったんだわ・・。    それに筑井先輩まで消えてるし    いったい何がどうなっているの?)    二崎、美香の2人は完全に    美穂達の方に視線が流れて    しまっていた。    雪鳴だけはもくもくと作業を    続けていたが・・・・。

美海「むむむむぅ・・・・    うガああッ!!!!」    2人の様子を見かねた美海が    急に砂の中から飛び出してきた! 雪鳴「ちょっと美海ちゃん・・(涙)」   (せっかくお城作ってたのに・・) 美海「ちょっと二崎先輩も美香も    美穂先輩の方ばっかりじゃん!    せっかく海に来てるのに    なんなんですか!」 美海「そんなに心配なら二人も    監督達の所に行けば    いいじゃないですか!」 美香「そんなこと言ってるけど    ほんとは美海が一番    気になってるんじゃないの?    筑井先輩消えちゃったし」 美海「ぎくっ!?」 美香「でもダメなんですよね。    二崎先輩・・・?」

   少しは悩むかと思い    馬鹿にしたような言い方をした    美香だったが二崎は迷う様子もなく    美香の質問に対しすぐに返答してきた。 二崎「私が美穂と監督に今あったことを    聞いてくるわ・・。    あなたたちはその消えた先輩を    探したいなら探してきなさい」 二崎「そのかわり、私達の方には    来ないでね。分かった」 美香「・・・・・分かりました」    少なくともこれで彼女達を    美穂と藤崎の元へ行かせないことに    成功した二崎。彼女の考えとしては、    どこへ消えたかも分からない筑井よりも    今起こっていることの全容を    知っている美穂達と確実に接触する方が    より情報を得られると思っての選択。    ことの発端が美穂にある以上、    今起きてることの全容を知るには    美穂に聞くのが一番早い。

   なによりこの、美香や美海も    あまり止めすぎるよりもある程度    発散させた方がコントロールを    しやすいと考えた上での判断。      珍しく許しが出たことで深読み    することのなかった美香。    上手い具合に二手に別れることができ    二崎にとっては一番都合の    いい展開となっていた。 美香「よしっ!二崎先輩からの    許可も出たことだし!    先輩を探すわよ!    雪鳴!美海!」 雪鳴「う、うん・・・」   (お城・・・・・・) 美海「絶対先輩を見つけてやる!」    こうして筑井と女の子を追う    美海達3人組と、美穂、藤崎    そして、それを追う二崎の    二つのグループに別れることとなった。

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