巨大女子相撲部

   遅れて、いつもの二人も    美海の元へやってきた。 雪鳴「み、美海ちゃんっ・・?!」 美香「ちょ、このままだと    美海が窒息死しちゃう!」 筑井「て、そりゃそうか・・!?    美香、雪鳴・・・・!    急いで美海を引き抜こう!」    僕も美海を引き抜くために    彼女達の元へ駆け寄ろうとした瞬間、    後ろから裾を引っ張られる感覚が・・・。 藤崎「だめっ・・」    監督が小さな声で囁いてきた。    無理やり引き離すこともできないので    美海の元へ駆け寄るのは諦めるしか    なさそうだ。 筑井「悪いけど二人で頼むよ・・」    まあ僕がいようといまいと別に変わりは    しないだろうし問題はないか・・・。

   美香と雪鳴が精一杯の力で美海を持ち    上げようとする。重量が重量なだけに    すぐにとは、いかなかったが、    何とか美海を助け出すことに成功。       口の中に砂が入ったのか多少    咳をしていたが、どうやら    怪我はないようだ。 美海「プはぁ・・・・・っ!    死ぬかと思った・・・・!    ありがとう二人とも」 美香「ちょっと美海・・?    いったい何があったのよ?」 美香(まさか、監督怒らせたり    してないでしょうね・・?)コソコソッ 美海(そんなことしてないって!    私の方が先輩とお似合いって言った    瞬間なんでか分からないけど急に    こんなことになっちゃって・・)    美海の様子にあきれた美香は    注意を促すために指摘し始める。

美香(それがだめなことぐらい分かるでしょ!    ちょっとは気を使いなさいよ) 美海「でも・・・・    事実は事実じゃん」 美香(でも、じゃない・・!    その場だけでも上手くやり過ごせれば    それでいいの!!分かった!?) 美海「う、うん・・・」    美香の指摘を受けた後、    美海は僕の方を見てきた。 美海「せ、先輩!せっかく海に    来たんですし、一緒に泳ぎましょうよ。    そんなところにいるなんて    もったいないですって!」 筑井「えっ・・・。あぁ悪いんだけど    今水着ないから泳げないんだ。ごめん」 美香「それじゃ、仕方ないか・・。    雪鳴も泳げないし、何か別の    こと考えないと・・・」

美海「だったら、砂で埋める、あれ!    私にやってよ」 美香「あの砂かぶせて体覆う奴のこと?」 美海「そうそう、それそれ!」 美海「先輩もお願いしますよ!」 筑井「美海の体を砂で覆うって    相当大変そうだけど・・・」 美海「美香と雪鳴もやるから    そんなに時間かからないですよ!    早く行きましょ!」 筑井「う、うん・・・」   (監督のこともあるし    ここから離れづらいな・・)

   不安になり監督の方を見ると    機嫌を損ねそっぽを向いていた。    止める気はないみたい、よかった・・。    一応二人きりの時の態度は    まだ隠し通す気でいるらしい・・。    隠しきれてるとは思えないけど。    このまま一緒にいるのは    正直言って耐えられるものじゃない。    自然と距離を置けそうで助かった。     筑井「じゃあ、監督行ってきますね・・」 藤崎「・・・・・・」        さっそく砂浜まで向かう筑井達4人。

   砂をかけてもらう為に美海が横になる。    横たわっても高さは僕と    ほとんど変わらない。    見た感じ僕よりも少し高いか・・?    こうやって見ると出会った時よりも、    だいぶ大きくなったんだな。    1年で倍に成長するんだし    これぐらいの成長スピードなのは当然か。    普段表立って体の悩みに    ついて話すことないけど    この成長スピードじゃいろいろと    不安も多いんだろうな・・。 美海「先輩!!!    なに、私の体に見とれてるんですか!    早く砂かけちゃってくださいよ!    ちなみに、先輩はおっぱい担当で」 筑井「あぁ・・はいはい」   (なにこれ・・。    僕だけ苦行じゃん・・)    それから筑井は美海の体に    よじ登り砂をかけていくのであった。

   その後、3度往復してみたものの    それだけでかなりの体力を消耗した筑井。    このまま続けるのは絶対に無理だと思い    美海に相談を持ち掛けてみることに。 筑井「高すぎて、砂を持ち運ぶだけでも    一苦労なんだけど・・・・、    投げてかけていい・・・・?」 美海「駄目です!私のビキニを堪能    することが一番大事なんですから!    それに投げられたんじゃ    顔が砂まみれになっちゃいますよ」 筑井「分かったよ・・・」    言われるがまま再び    体の上に登り僅かな砂を乗せる。 筑井(こんなんじゃいつまで    たっても終わんないぞ・・)    美海の体の上に登った後、    休憩ついでに遠くの景色を眺めていると    あるものが筑井の目に映った。

   筑井の目に移ったのは美穂の姿。    奥の方で一人何かをしているようだ。 美海「先輩、立ち止まってどうしたんです?    まさか、もう休憩ですか?」 筑井「ま、まあそれもあるんだけど・・。    ほら、あそこ・・美穂さん」 美海「ちょっと、彼女の体の上で、    なに別の女に目移りしてるんですか!」 筑井「一人でいるから、妙に目に着いてさ」 美香「なんか、さっきから一人で    トレーニングしてるみたいですよ。    せっかく遊べるって言うのに    もったいないですよね・・」 雪鳴「部活に対するやる気は    誰よりもあるからね美穂先輩・・」    一人でずっと練習しているのか。    普段そんなに一緒になることなかった    からあんなにやる気のある人    だなんて知らなかったな・・。    そういえば部長候補とかだっけ?    一目置かれているのも頷けるな。

雪鳴「でも、最近の美穂先輩見てると    なんだか余裕がないような    気がするんですよね・・」 雪鳴「何て言うか焦りのようなものを    強く感じられると言うか・・」 筑井「ふ~ん・・・」    たしかに焦りのような切羽詰まった    雰囲気が美穂さんの姿を見ていると    伝わってくる・・。    それは実力に不安があって    来るものなんだろうけど    皆から一定の支持を得られているのに    何をそんなに焦ることが    あるんだろうか・・・。    もしかして、5日前のあの時に何か    あってそれが原因だったりして。    それはさすがに考えすぎかな・・。

筑井「オわァ・・!?」    美海の上半身が急に揺れだし、    たまらず落ちてしまった。 美海「ちょっと!先輩!!    いつまで美穂先輩を見てるんですか!    さすがに嫉妬しちゃいますよ!」 筑井「だからって急に揺れるなよ!    せっかくのせた砂まで    落ちたじゃないか!」    苦労してのせた砂も今の揺れで    どこかへ消え失せてしまった・・。    これじゃまるでさいの河原の石積みだよ。    ふるい落とされ、やる気がなくなって    しまった筑井。起き上がりはするも、    体に登る気を無くしてしまっていた。    だが、彼が少し俯いていたその間に    急に頭上から大量の砂の落ちる音が・・。    別の誰かが美海の体の上に    砂をかけてくれたらしい。    気になった筑井はすぐに顔を上げた。

二崎「美穂のことについて、    話してたみたいだけど何話してたの?」 美海(げっ・・デブ眼鏡・・・。    めんどくさ・・・) 美香「あ、いや美穂先輩が    ずっと一人でトレーニング    していて、それが気になって」 二崎「あら、美穂の心配してくれてたの。    いい後輩をもって彼女も幸せ者ね」 美香(ほんと、この人美穂先輩    大好きだな・・・) 二崎「美穂のことなら心配しないで。    彼女は大丈夫だから」 美香(大丈夫・・・?)    それから、なぜか二崎さんも加わって、    美海の体に砂をかぶせていった。    学年も違うし、かなりクールな人だから    初めは気まずい空気だったけど    案外気さくに話しかけてきてくれたので    次第に場は和やかになっていった。

   それから何気ない会話を    しながら美海の体に砂をかけていく4人。 美海「二崎先輩は2年生の方達と    遊ばないんですか?」 筑井(こういうことよく平然と    聞けるな・・・・・) 二崎「いや、ほら私、眼鏡だから・・    海入れないし・・」 美海「あ、そっか・・」 美香「で、二崎先輩。    最近私も美穂先輩の様子が    気になってたんですけど    先輩がいなかった日と    美穂先輩の様子が変わったことと    何か関係あったりするんですか?」 筑井(美香もしつこいな・・・・    答えるわけないだろ・・) 二崎「ええ、そうよ・・」

筑井   「えっ・・・?!」 美香    ど、どうしたんだ急に・・。    二崎さんのことだからこの手の秘密は    バラさないと思ってたんだけど・・・。    ていうかまさか、あの日と    美穂先輩の態度が関係していたとは。    冗談交じりの予想が当たって    しまっていたなんて・・。    でも、なんで教えたんだ?    何か狙いでもないと彼女は    こんなこと言わないだろ。    この程度なら知られても問題ないから    教えただけか?それとも間接的に    僕に向けてメッセージでも送ってるのか? 美香「まさか、答えてくれるとは    思ってなかったんで    びっくりしちゃいましたよ。    ちょっと悪ふざけのつもりで    聞いたんですけどね・・・」 二崎「・・・・・・・・」

雪鳴「に、二崎先輩・・・?」 二崎「あれっ?私何か言ったかしら?」 美海「えっ!?まさか覚えてないんですか?」 二崎「あら、ごめんなさい・・。    少し考え事しててぼーっとしてたわ」    この様子だと僕へのメッセージと    いうのは考えすぎか・・。       ただ、二人の様子を見ても    ナナの件については    平穏に終わりましたって    ことはまずないだろうな・・・。    彼のことが気がかりだ・・。

   その頃美海はと言うと    彼女もまた、この件について    関与している数少ない人間のうちの一人。    不用意な発言をし兼ねないと思った    彼女は黙って皆の様子を伺っていた。    しばらく無言を保っていたが、    自身の不自然な静けさに違和感を、    持たれかれないと思い始め、    表情だけでも見せぬように、唯一動かせる    頭部を二崎のいる左方向にへと向けた。    そこで、あることに気付き    発言を控えていた美海が口を開く。 美海「あれっ・・?美穂先輩いなくなってる」    自然と口からこぼれてしまった呟き。    その声に皆が反応した。 雪鳴「どうしたんだろ?    ずっとあそこから    移動してなかったのに    急に姿を消すなんて」 二崎「・・・・・・・・」

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