巨大女子相撲部

  誘拐未遂に終わった今回の騒動。   この件について知る   筑井と女子相撲部員4名は   事件以降そのことについて   口を開く者はいなかった。      筑井に関しては話したくても   話せる状況ではなかったが・・。   その事件から数日の時が過ぎ、   筑井は再び見知らぬ場所で   目覚めることとなる。

筑井「うっ・・・・    頭いってぇ・・・・」 藤崎「んっ・・・」    ひどい頭痛により目を覚ました筑井。    目覚めると同時にその痛みは    すぐに消え、いつものように・・・・・・・     周囲を確認する作業に入る。    部屋の雰囲気は高級感を    思わせる、ホテルのような内装。    おそらく学校とは別の場所である。    ベッドわきには、藤崎の姿が。    だが、筑井は藤崎を完全に無視し    状況把握を必死に行っていた。    そんな姿に苛立つ藤崎。 藤崎「ちょっと、筑井くん!!    まず私に何か言うこと    あるんじゃないの?」 筑井「んっ・・・。あぁ・・    おはようございます・・」

藤崎「挨拶とかいらない」 筑井「そ、そうですか・・。えっと・・、    ここって・・どこなんですか?」 藤崎「・・・・・・ふざけてんの?」 藤崎「5日も面倒見てたっていうのに。    そんな私を無視して場所の    質問しちゃうわけ・・・・?」 筑井「そうなんですか・・?!    すみません・・・・。    ありがとうございます・・」 筑井「い、5日・・?!    そんなに寝てたんですか僕・・」 藤崎「丸1日ご飯食べてなかったでしょ?    きっと栄養失調で気を失った    んだろうね・・・、筑井くん    体すごく弱いから」 藤崎「私の料理食べる寸前に    気を失うとは思わなかったけど」 筑井「気を失った原因は    それじゃないかと・・」

藤崎「で、ここがどこか気になってる    みたいだけど知りたい?」 筑井「そりゃ、もちろん・・」 藤崎「じゃ、教えない」 筑井「え・・?!」 藤崎「うそうそ、ちゃんと教えるって」 筑井(めんどくせぇ・・) 藤崎「ここは海の上。じゃないか、    船の中って言うべきだね」 筑井「えっ・・?船・・?    海・・・・・・?」 藤崎「そうそう、今は島まで移動中。    もう少しで目的地に着くと    思うからゆっくりしてて」 筑井(島に移動中・・・?!    何がどうなってるんだ・・?) 筑井「あっそういえば・・!?」    大事なことを一つ思い出した。

   ナナについてだ・・・。    自分が気を失った後、    何事もなければ監督と    会っているはずだよな・・。        あ、でも・・僕と彼は会っていない    ことになってるはずだ・・。    危ない危ない・・・。また瑠璃の時    みたいに失敗するところだった。 藤崎「んっ?なに・・?」    別の質問に切り替えないと・・。    えぇ~っと・・・・。     筑井「なんで船で移動させられてるん    ですか・・?普通気を失ってる人は    安静な状態にしておくべきじゃ」 藤崎「侵入者について話したでしょ?    また来る可能性もあっただろうし    ほったらかしにするわけには    いかないじゃん・・」    また来る可能性か・・・・。    これだけだとまだ会ってるのか    会ってないのかは分からないな・・。

筑井「それはそうですけど・・。    なんて言うか・・別にそこまで    考えなくても大丈夫なんじゃ」 藤崎「なんで筑井くんがそんなこと    言えんの・・・・?」 筑井「すみません。なんとなく    そう思っただけで・・」    槍薔薇ここでは危機を察知する能力が    誰よりもけていた筑井。    これから向かう先に対し    嫌な予感を感じていたため    学校に残っていたかったと遠回しに    伝えようとしていた。 筑井「ちなみに、この船はどこへ    向かってるんですか?」    恐怖心から聞かずにはいられなかった。 藤崎「向かってる先は私が    所有している三里桜島みさとさくらじま。    合宿先だから今移動してるところ」

筑井「合宿・・・⁉」 筑井(そういえば美海達、合宿に来いって    言ってたな。ビキニのカタログ    見せながら・・。 筑井(つうか、僕が寝ている間に    夏休みになってたのか・・) 筑井(普通なら受験や就職に向けて動かな    きゃいけない時期なんだろうけど、    どうして、こうなった・・) 筑井(まあ、去年の夏休みは何も    思い出せないぐらい中身のない    生活送ってたしそれと比べれば、    充実していると言えなくもないが) 筑井(でも、今は将来だとか過去との    比較だとかそんなことどうでもいい。    合宿がとにかくすげぇ嫌だ・・。    絶対無事で済むはずがないし・・!)    恐ろしい展開を危惧した筑井は    ダメもとで帰れないかという    相談を持ち掛けてみることに。

筑井「ちょっと気分悪いんで帰ることって    できないですか・・?」 藤崎「もう島までちょっとだよ。    病院もあるし、それまで我慢して」 筑井(島に着いたら絶対ろくなことに    ならない・・。どうにかして    帰りたいけど・・)    一人だけ帰るというのも無理な話だよな。    着くまでの間に生き残る方法を    考えなきゃ・・。 これは合宿じゃなくて    サバイバルになりかねないし・・!        そんなことを考えていると    膀胱に違和感が・・。    股間が遅れて意識を取り戻したかの    ように急に尿意が込み上げてきた。 筑井「あっ・・・・・。    いきなりで申し訳ないんですけど    トイレってどこにありますか?」 藤崎「船酔いでもしたの?」 筑井「えっ・・まあそんなところです。    それに、ちょっと用も足したくて」

藤崎「場所分らないでしょ。    私が連れて行くから」 筑井「大丈夫です・・・。    場所さえ教えてくれれば    一人で行けますから」 藤崎「この船広いんだよ。    もし、迷いでもしたら    また漏らすかもよ?」 筑井「またって・・?まさか・・?!」 藤崎「筑井くんの思ってる通り     寝てる時、お漏らしして    ふとん汚しちゃってるから」 藤崎「でも心配しないで!    このことは私以外誰も知らないし、    証拠品も私のバッグに隠してるから    誰かにバレることはないよ」 筑井「いや、捨ててくださいよ!    そんなもの!!」    いくら5日寝てたとはいえ    まさか漏らしてたなんて・・    一生の不覚・・・・。

   それより、なんでこの人頬そめてんの。    色んな意味でほんとおっかないな。 藤崎「いや、だって捨てたらさ、    あの美海バカが絶対取りに来るでしょ・・。    ほら、それってさ何か嫌って言うか、    そうじゃなくて監督として阻止しなきゃ    いけないわけじゃん・・・!」 藤崎「私の所持品にはあいつら絶対手出せ    ないから保管してあげてるってわけ!    ちょっとは感謝してよね!!」 筑井「島に着いたら捨ててくださいよ」 藤崎「・・・・・考えとく・・」 筑井(だめだ、この人・・・・) 藤崎「なんだったらここで出してもいいよ。    それもしっかり回収してあげるから」 筑井「そんなもの回収するぐらいなら    まともな精神の一つでも先に回収    するべきだと思いますけどね・・」    それから監督が部屋でやるように    しつこく催促してきたが、それを退け    なんとか、トイレへ向かうことができた。

   隣に禍々しい気配を感じながら    女子相撲部員用に作られた    大きな廊下を歩いていると、    さっそく、一人の生徒と出会う。 雪鳴「あれっ先輩、お目覚めに    なってたんですか!    お体の方は大丈夫ですか・・?」 筑井「う、うんまあボチボチ・・。    えっときみは・・・」    確か道具倉庫で美海と一緒に    いた子だよな・・? 雪鳴「雪鳴怜奈です」 筑井「あぁ、ごめんごめん・・!    雪鳴だったね・・」    彼女は大人しそうだし、    こういった質問もまだできるな・・。    監督やら美穂さんとか美香とか    気が強い人がばっかりだから    こういう子だとすごく話し    やすく感じる。

藤崎「ちょっと雪鳴・・・。あの美海バカは    近くにいないでしょうね?」 雪鳴「美海ちゃんなら今    部屋にいますけど」 筑井(バカで通じるのね・・・) 藤崎「あいつがいないならいいや。    安心してトイレに行けそう」 雪鳴「トイレに向かってたんですか。    私もちょうど出てきたところです」 雪鳴「でも、監督ここには・・」    何か不安そうな表情で    監督を見つめる雪鳴。    トイレに何かあるのだろうか・・? 藤崎「雪鳴・・。今トイレに誰かいた?」 雪鳴「いえ誰も・・・」 藤崎「なら問題ない」

藤崎「部屋に戻っても筑井君が起きたことは    絶対言わないでよ!! 分かった?!」 雪鳴「わ、分かりました…」    (筑井君・・・?) 筑井「今から美海達の所に行くの?」 雪鳴「はい。同じ部屋なので」 筑井「そうなんだ」 藤崎「もう!そんなこといいから    さっさとトイレ行くよ!!」 筑井「あぁ・・!はい・・」    そして僕たちは、その場を後にし    トイレへと向かっていった。 雪鳴「・・・・・」 雪鳴「先輩まさか監督と    浮気してるわけじゃ・・・。    ないか・・」

   そしてトイレに着いたが    なんか普通のと違うような・・。    大きさじゃなくて、何か    足りないというか・・、あっ・・・・。 筑井「女子トイレしか    ないじゃないですか?!」    雪鳴が心配そうにしてた    理由が分かったな・・・。 藤崎「女しかいないんだから男子トイレ    なんて作るわけないでしょ」     藤崎「そういえば、今のセリフで気付いた    けど女性用のマークつける意味ないね。    ありがとういい発見ができた」 筑井「そんなことどうでもいいですよ!    僕男ですよ!?お・と・こ!!    こんなところで、できませんよ!」 藤崎「じゃあ部屋戻る?」 筑井「・・・・・・」 藤崎「大丈夫だって、誰も筑井君が    入ってても気に何てしないから」

筑井「僕は気にするんですけど」 藤崎「もうめんどくさいな、    ほら、つべこべ言わず入った」 筑井「ちょっ・・・?!」    空気を操り無理やり筑井を    中へ入れる藤崎。    結局のところ、女子トイレしか    この船にはないので、入る以外に    選択肢はない。    先ほど雪鳴が言った通り    中に誰もいないのが    不幸中の幸いである。 筑井「トイレもやっぱりでかい・・。    僕が使えるようなもの見た感じ    なさそうですけど・・・・」

藤崎「大丈夫ちゃんと私専用のも    あるから、それ使って」 筑井「ちゃんとあるんですね」    隅っこのほうに小さなトイレがあった。    周りが巨大すぎて    小さいものと一瞬、錯覚したが    サイズは普通のものと変わらない。 藤崎「ちょっと待って!?」    そういうとトイレの扉を    開け中を確認する藤崎。    一瞬確認してから筑井の方を    振り向きなおした。 藤崎「大丈夫。さ、入って!」 筑井(大丈夫・・・?    紙の確認でもしてたのか・・・?    この人の大丈夫を信用していいかは    分からないけど、早くトイレしたいし    そんなこと気にしてる場合じゃないな)

   監督が扉を開けていてくれたので    そのまま中に入る。    中に入ると扉は自然に閉まった。 藤崎「あ、そうだ・・?!」 藤崎「私忘れ物してたんだちょっと    抜けるね・・!」      なんだ急に・・?もしかして気を    使ってどこかへ行ってくれたのかな?    デリカシーのない人かと思ってたけど、    きっと気も使えるんだろう。    仮にも人の上に立てている人だ。    そうじゃなきゃむしろおかしい・・。    いらぬ誤解をしていたみたいだ。    おかげでやっと落ち着くことができる。

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