巨大女子相撲部

??「お前は、たしか・・・」    後ろから肩を掴む美穂。    今まで見たことのないような    怒りの表情に美海は怖気づいていた。 美穂「見覚えのない顔だけど    あんたは誰だ…!そいつの仲間か?」 ??「槍薔薇56期主将候補の永嶋美穂…。    藤崎の自慢の教え子と    お目にかかれたのは光栄だ」 ??「お前の言う通り私はこいつの仲間だ。    迷惑してるだろうから    持ち帰りに来ただけのこと・・」 ??「危害を加えるつもりはない。    邪魔をするな・・・・・」

美穂「そりゃ、邪魔するわよ。    あんたらを監督のもとに差し出さ    なくちゃいけなんだから!」 美海「美穂先輩・・これって・・    どういうことなんですか・・・?」 美穂「美海は下がってなさい!」    危険を察知した美穂は    美海に下がるように命じた。    この女は危険だと、彼女の中の    第6感が訴えかけてきていた。    万が一、美海を人質に取られれば、    こちらから手を出せなくなる。    それだけは避けねばと、思い    すぐに離れるように伝えた。

??「面倒だな・・」    美穂に掴まれているにも拘わらず    それを気にする様子もなく    72を拾い上げる謎の女・・・。    彼も抵抗する様子を見せず    彼女に拾い上げられた。    美穂達に回収されてしまうと    時間がかかってしまうと思い    優先して行ったのだろう。    拾い上げた後、彼女の    首元に72は入れられた。

瑠璃「美穂、あんた一人で    かっこつけてんじゃないわよ!!」 二崎「私たちも加勢するわ」    物陰に隠れていた二人も    遅れて登場してきた。 二崎「全く美穂や美海の無鉄砲さには    愛想つかされちゃうわ…。    監督に私達を見られたら    まずいって言うのに・・・」 美穂「じゃあ、こいつらをそのまま    逃がしちゃっていいの?」 二崎「ま、それは私も反対ね。    ミドルが出てきたんじゃ    話が少々変わってくるもの・・・」

   そして、一回り大きなその女を    3人で取り押さえた。 瑠璃「これで、逃げられないよ!    ちょっと大きいとは言っても3人相手    じゃ、勝ち目ないんじゃない?」 ??「ハァ・・この程度か・・・・。    期待外れもいいところだな・・」    完全に彼女達を軽んじている・・。    それを証明するかのように肉体には    力が入ってない。全くの無抵抗。    とてもじゃないが追い込まれてる    人間の姿とは思えなかった。 美穂「余裕ぶってるけど    この状況から抜け出すなんて    あんたじゃ無理でしょ・・!」 ??「見損なったぞ、永嶋・・。    力量すらまともに測れぬとは」 美穂「強がりを・・・・    だったらやってみなさいよ・・!!」

72「はったりかましてる・・    わけじゃねえ・・。    あんたらじゃ勝てねえよ・・」    朧げな表情で彼は言った。 二崎「所詮は敵側というわけね・・あなたも」 72「俺はありのまま事実を伝えたまでさ。    どちらかと言えば、あんた達を    思って助言したつもりなんだがな・・」 ??「どうやら、測りの精度は    72の方が上のようだな」 ??「あまり時間をかけて、藤崎に    出てこられれば終わりだな・・・。    さっさと振りほどくとしよう」    藤崎を呼ぶことが最善の手であるのは    間違いないが、先程までの禍々しい    オーラに加え、壁の頑丈さから声も    届かないと思い込んでいた彼女達は    声を出すという選択肢は頭になかった。    何より3対1なら負けるはずがないと    思っている以上呼ぶわけがない。

72(おい、青髪・・・・)    72が美穂に呼びかける。    呼びかけると言っても    謎の女に聞こえてはいけないので    口パク同然の状態で言葉を発していた。    美穂がそれに気付くことは本来    ありえないはずだが、偶然にも彼女は    上を見上げていたので、彼の    コンタクトに気付くことができた。    美穂が気付いたことを確認した    72は手元から、くしゃくしゃに    丸められた紙を落とす。    女を縛っていた為、両手が塞がって    いた美穂。 掴むことができないので    それを胸の中に無理矢理押し込んだ。    紙が落ちないようさらに    女と密着をする。

   急に女が体を縮こませ始めた・・!    彼女を取り囲んでいた合計体重    約1500㌧もの、おもり達が軽々と    中心へ引き寄せられていく。 瑠璃「う、うそでしょ・・・ッ?!」 二崎(なんて、力・・・⁉    こんなことできるのなんて    3年生でも、そういないはず・・)    そして縮みこませた体に、大きく    力を入れ、それを一気に解放する。    その桁外れのパワーに3人は    為す術もなく吹き飛ばされてしまった。    その衝撃は、遠くにいた美海まで    尻もちを着いてしまうほどである。

??「失望したぞ、槍薔薇・・・。    お前らなら好敵手になってくれると    思っていたんだがな・・」 ??「これ以上無駄口叩いても    仕方ない・・・・」    彼女は72を連れ、その巨体には    似つかわしくないほどの    超スピードで逃走し始める。    見かけとは裏腹にその    移動は”忍”を思わせるものがあった。    今の彼女達のスピードと    パワーでは到底追いかけることも    拘束することも不可能・・・。 美穂「くっそ・・・・!!    私としたことが・・・・」

二崎「あいつは、いったい何者・・?    あんな選手見たことないわ・・」 瑠璃「でも、好敵手って言ってたし    どこかの学校の生徒なのは    間違いないよね・・・」 美穂「・・・・・・・・・。    慢心してた・・、ここまで差が    ある奴が、まだいたなんて・・・」 二崎(根っからの相撲馬鹿ね。他に気に    すること・・、 いや・・・ )    “ 襲撃されるようなことがあれば     絶対に止めてみせる ”    つい先ほど、彼女はそう語った。    過信していたわけではないだろう。    相応の努力をしていたからこそ    自分の実力を信用していた。    その自信をこうもあっさりと    へし折られてしまえば、悔やむ    のは、仕方のないことだ。    いつも一緒にいる二崎だからこそ    彼女の気持ちを理解することができた。    

   3人が話してる様子を見ていた美海    謎の女がいなくなったことで    落ち着きを取り戻していた。    さっそく2年生達に声をかけてみた。 美海「あ、あの・・・・」 美穂「美海・・・・。    今のことは皆には内緒に    しときなさいよ、いいわね」 美海「は、はい・・・・・」    やばいものを目撃してしまった。    それだけは、理解できていたので    その約束は言わずもがな、    果たされていただろう。 瑠璃「美穂、ひとみ・・・・・。    もうここまで見られたんじゃ    少しは美海ちゃんにも、この件の    こと話してた方がいいでしょ?」 瑠璃「一番先輩のこと心配してるの    美海ちゃんなんだしさ」

美海「今あったことと先輩とやっぱり    何か関係があるんですか・・⁉」 美穂「あんたは、余計なこと    しか言わないわね・・・。    でも、このまま何も教えずに    帰らせるのは、あまりに酷ね。    それに多少知ってた方が    秘密も守ってくれそうだし」 美海「・・・・・・・」 美穂「とにかくこのことを    監督に伝えにいかないと・・」 二崎「さっきまでの監督のオーラ    忘れたわけじゃないでしょ・・?    今先輩との時間を邪魔すれば    どうなるか分からないわよ・・」 美穂「まあ、それもそうだけどさ・・。    ダメ元でも行った方がいいって!    監督ならまだ、あいつらを捕まえ    られるかもしれないし!    美海も、もちろん来るでしょ」

美海「先輩が関わってるなら    もちろん行きますよッ!!」    そして監督の部屋へと    行くことを決心した4人は    監督の部屋の窓を見つめた。    それと同時に、謎の飛行物が    監督の部屋に突撃した・・!? 瑠璃「えっ・・・・何あれ・・・?!    隕石・・・・?」 二崎「そんなわけないでしょ・・。    もしかしたらさっきの女か    その仲間が何かしてきた    可能性が高い・・・・」 美穂「少なくとも、良いことでは    ないのは確かね・・」

   窓が割れたことにより藤崎が    作った料理の臭いが爆風と共に    舞い降りてきた・・・。 瑠璃「なにこのひどい臭い・・。    かなり距離あるのに・・。 う”ぅ・・。    もしかして・・ど、毒ガス・・・    じゃないの・・これ・・」 美穂「さっきのあいつ・・・・。    刺し違えるつもりで監督と先輩を    殺りに行ったんじゃ・・・」 二崎「あそこに飛んで入るなんて    さすがの奴でも無理でしょ・・・。    ガスを発生させる爆弾か何かを投げ    入れたのかもしれないわ・・・」 美穂「監督と直接会ういい口実って    言うのはちょっとあれだけど    どうやら部屋まで向かうしか    なさそうねッ!」    飛行物の正体が冥瓦だということも    知らない、4人は藤崎と筑井が    いる部屋まで急いで向かうのであった。

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