瑠璃「美穂…。おはよう」    言葉が出てこなかったので    とりあえず挨拶をした瑠璃だが    美穂はそれを完全に無視した。    黙って視線を向けていた先は    二崎の方である。    完璧には状況を掴めていないだろうが    この2人がここにいるのは    間違いなく例の誘拐犯と関係しての    ことだと考えずとも分かっていた。 美穂「ちょっと二人とも外に来てちょうだい…」    二人を外へ誘導をする美穂。    怒りとも悲しみとも捉えられるような    表情に困惑した二人は誘いを断れなかった。 二崎(ここは黙ってついて行けば    少なくとも一年に彼の存在はばれない…)    二崎はすぐに歩みを進めた。    そしてそれに瑠璃が続くが    筑井のことも気にしていた為、多少出遅れた。

   2年生3人が部屋を出てすぐ    残された1年生と筑井。    並々ならぬ雰囲気に完全に黙り込んでいた。 美香「なによあの威圧感…    息するのも忘れちゃってたわ…」 美海「せんぱ~い!!♡♡♡」 雪鳴「美海ちゃん、全然気にしてないし…」 美香「ちょっと美海、あの2年生たちの様子を    見てなんとも思わないの?    昨日からどう考えても普通じゃないわよ    絶対何かあるって!!」 美海「どうでもいい」 美香「えっ・・・?」 美海「先輩見つけれたんだからどうでもいいじゃん」    二人の考えに行き違いが出始めていた。    美香は2年生の秘密を知りたがる方向に    シフトしていたが、美海は筑井が帰ってきたので    もうそんなこと、どうでもよかった。

雪鳴「・・・・・。」 美香「まあ、あんたはそうよね…    でも美海、先輩の問題はこれで    解決してないんだから」 美海「手元に帰ってきたんだから万事解決!    これ以上あのデブ眼鏡と    関わり合いになりたくないし」 雪鳴「美海ちゃん…。もし昨日二崎先輩たちが    筑井先輩を助けるのが目的だったなら、私たちに    奪われてそのままっておかしいと思わない?」 美海「さぁ・・・?もう用事すんだだけじゃないの?    例えば2年生たちの間で先輩を・・・    ・・・・・・・・・    ・・・・・・・・・・・・・。    はっまさか!?」    恐ろしい予感がして美海はロープを    急いでほどき、筑井の体を揺さぶり始めた。

美海「せ、先輩!!2年生たちに    変なことされてませんよね」    しばらく強く抱きしめられていたので    放心状態だったが    体を揺らされ意識を取り戻した筑井。 筑井「っ!?み、美海ごめん!!」 美海「や、やっぱり…!?    そ、それじゃあ先輩のはじめては・・・・」 筑井「え、えっ?あ、待って 何の話・・・?」    筑井はその時、昨晩の夢を思い出し    つい誤ってしまっていた。    2日前の夕方置き去りにした件を    まだ、気にしていたのだ。 美海「2年生達に童貞奪われちゃったんですね・・」 筑井「いや、奪われてねぇよ!?」    奪われそうにはなったけど・・・。

雪鳴「先輩童貞だったんですか…」 筑井「そこ攻めないでほしいんだけど・・。    高校生ならまだ、いいでしょ」 美香「まさかあの雪鳴の口から童貞なんて    言葉がでるとはね…。」 雪鳴「あっ・・・・・」ポッ 美海「よかったぁ・・・先輩の初めては    私じゃないといけませんからね」 筑井「勝手なことばっかり・・・」 美海「それよりなんでさっき謝ったんですか?」    しまった・・、見捨てたことを    気にしてたなんて言えないしなあ・・。    本人はそのことを気にしてないみたいだけど。    とりあえず、周りの雰囲気をうかがいながら    言葉を決めなければ 筑井「いや、丸一日は顔合わせられなかったじゃん。    寂しかっただろうと思ってね」    彼氏のフリしといた方がいいだろう…。    さきほど、瑠璃と会話した時に    失敗してしまったからな

美海「先輩!!私寂しかったです」ギュッ!! 筑井「ウぐっ・・・⁉」 雪鳴「にしてもどうやって先輩助け出せたんだろう…」 美香「最後に後ろに回った時    隣の部屋の電気がついてたじゃん    私たちじゃ3年のドア開けれなくても    二崎先輩なら開けれるだろうし    きっと隣から侵入したとかじゃない」 美香「て、先輩いるんだし直接聞けばいいか…」 美香「ちょっと先輩のびてないで    しっかりしてくださいよ」 筑井「・・・・んっ?どした・・?」 美香「単刀直入に聞きますけど    昨日はどうやって部屋から出れたんですか?」 筑井「部屋から…て、あっ・・・・」    その発言で72について思い出す筑井    2年生たちの姿も思えば    消えてしまっていることに今気づいた。

美香「・・・?    あってどうしたんですか?」    今すぐにでも助けに行きたいが    この状況を抜け出すのは難しいだろう    それに、わけを説明して    連れて行くこともできない… 筑井「僕の口からは説明できない…」    今はこう言うしかなかった。    ナナさんの安否についてはあの二人に    まかせる他ないか・・・。 美海「そうそう、無事出てこれたんだから    無理に話を聞く必要もないって    美香って絶対彼氏の携帯とか見るタイプでしょ    やめた方がいいよ、そういうの」 美香「うっさいわね!たしかに見ると思うけど    気になることを聞いて何が悪いのよ!?」

美香(隠されたらかえって気になるじゃない…。    こうなったら私一人でも2年生たちに…。    いや、怖いしやめとこ・・・。 美香(でも、気になる今回の監禁の真意が・・) 美香(だったらもっと他の角度から攻めてみるしか…    こっちのカードは先輩しかないわけだし) 美香「先輩、2年生の方たちと    何しにここに来たんですか?」 美海「また美香はもういいでしょ!」 美香「これが最後だから」 筑井「それはさっき話したでしょ。    断食ヘルメットだっけ・・・?    それをとりに来ただけだよ・・・」 美香(断食強制ヘルメット・・・。    さっきまでそっちに向かってたし    二人の反応を見てもそれはまず間違いないか。    でも、結局なにも持ち帰らずに出て行ってたし・・。    今得られる情報はこれが限界かしら    ここから導き出せるものを考えないと) 美香「そ、そうでしたよね…ごめんなさい」

雪鳴「それより美海ちゃん先輩を    これからどうするつもりなの?」 美海「どうするって私たちの部屋に    連れて帰るに決まってるじゃん」 雪鳴「それはさすがにできないんじゃ・・・。    とりあえず監督の部屋に戻した方がいいんじゃない?」 美海「それもそうか・・。監督が帰ってきて    監督の部屋じゃなくて、私たちの部屋にいたんじゃ    その後最悪の結末が待ってるだろうし・・」 美香「大会も最長で3日。あくまで延期とかになった    場合のための、3日目だからそれ以前に帰ってくると    考えてた方がいいと思うわ」 美海「で、でもせっかく先輩と再会できて    監督がいない、このチャンスに何もしないで    部屋に戻すなんてしたくない!    今すぐ帰ってくることなんてないだろうし    ちょっとぐらい、いいじゃん!!」 雪鳴「そんなこと言っても2年生たちを    相手にしたらすぐ奪われちゃうよ」

美香「2年生達が、何で急に外に出たかは    分からないけど、それって先輩よりも    優先しなければ、ならないことが    あったってだけで、それが終わればすぐに    先輩を取り返しにくるはずよ」 美海「それもそうだよね…    力じゃさすがに勝ち目ないし、どうしよう…」 雪鳴「ちょっと思いついたことあるんだけど    いや・・、やっぱりやめとこうかな…」 筑井「きみら、本人の目の前で    いろいろ話しちゃってくれてるけど    少しは僕のことを気にしてくれないわけ…」    この時美香は情報を知りえる    最後のカード、筑井をむざむざ    2年生に引き渡したくないと思っていたので    筑井の意見に同調しておらず    美海に関してはもちろんのこと    筑井と離れたくないので無論反対の意思。    そして残された雪鳴。    彼女はあくまで美海と筑井の幸せを願っており    離れ離れにしたくない、つまり彼女も    美海と近い思考にあった。

   つまり、この状況で何を言おうとも    筑井は彼女達の元から離れるのは難しいようだ。 美香「す、すみません先輩・・    でも、美海だって離れたくないでしょうし    もう少し待ってくれませんか?」 美香「そういえば雪鳴何か言おうとしてたけど何?    話すだけ話してみてよ」 雪鳴「う、うんさっきさ断食強制ヘルメットの    話してたじゃん・・。しばらく中で先輩に    隠れててもらうのがいいんじゃないかなって…」 美海「ちょっと、雪鳴!    先輩をなんだと思ってるのよ!!」 雪鳴「うぅ・・・、でも、でもさ    しばらくは2年生も来ないだろうし    見つからないと思うんだよね」 雪鳴「美海ちゃんだって先輩だって    2年生に奪われてばらばらになりたくないでしょ」 美海「そりゃそうだけど・・・」 筑井「・・・・。」    だんだん彼女たちが72に近づいているような    気がして少し不安になっていた。

美香(そういえば…2年生はなんで    断食強制ヘルメットを持たずに出てきたのかしら…?    先に準備しにきたって言ってたのにおかしくない?) 美香(それとも別に目的のものがあったからとか…?    で、それがなかったからそのまま・・・。    いや、もしかしたら欲しいものを    すでに手に入れたから、出てきた可能性も…) 美香(そうよ・・⁉筑井先輩よ・・・!    なんか普段より元気なさそうなのも    ヘルメットの中に丸1日いたなら説明がつく) 美香(昨日の監督の部屋の前にいたのはミスリード。    先輩が部屋の中にいると思わせるための    二崎先輩の作戦…。でも、それは本来私たちの    為ではなくて美穂先輩対策…) 美香(今回の監禁について監督から話を    聞いていたのはおそらく性欲があまりなさそうで    賢い二崎先輩と、どういう理由でかは分からないけど    瑠璃先輩だけ…。    美穂先輩にまかせればレイプする可能性があるから    監督の指示で二崎先輩が隠してたってとこかしら…) 美香(先輩が寮生活するという話の時も一番最初に    一緒の部屋と言い出したのは美穂先輩だったはず    監督の中でマークしてるに決まってる)

美香(でも、性欲が強いというのも、    あくまで監督の妄想    責任感の強い美穂先輩は自分にまかせて    もらえなかったことを悔いてたのかも…。    そしてそれが怒りに変わりつつあって    二崎先輩の管理能力のなさを    見せつけるために先輩強奪を考えたんじゃ) 美香(どこかに閉じ込めていたんなら    安否の確認もしないといけないでしょうし    そのタイミングを見逃さない為に    二崎先輩をつけていた。    だからちょっと後に入ってきたんだわ) 美香(先輩がどうやって脱出できたのかを    言えないのもきっとこの、事実があるから…) 美香(もしそうなら、ヘルメットの中はまずい    もう一度見られる可能性は大いにありそうだし)    そうだいな妄想に駆り立てられながら    思考を重ねる美香。そして彼女は先輩を    どうするかについて結論を出す。

美香「雪鳴、それは確かに悪くないと思うけど    一度確認しに来た以上はそこに置いておくのは    ちょっと危ないと思うわ…」 美香「先輩の意見を聞いてあげていいんじゃない?    さすがに私たちで勝手に話を    進めすぎてた気もするし」    予想があっているか確かめたかった美香は    質問に答えてもらえないなら、筑井自身に、    動いてもらい様子を見たいと思っていた。    手放すリスクはあるが美穂と接触するのを    避けているのであれば2年生たちの    元へは向かわないはずと考えていた。 美海「い、いやだよ!せっかく会えたのに!!」    美海は、さきほどまで筑井は2年生達の元に    いたのだから、彼女たちの元へ帰ると思っていた。 美香「美海たまには彼氏の言うことも尊重してあげたら?    ケータイ見なくても束縛ばっかり    してたんじゃ何も変わらないわよ」 美海「先輩だって一緒にいたいはずですよね?    ちゃんと答えてください!」

筑井「・・・・・・」    いろいろ考えなくちゃならない    ことが多いが、どうすればいい・・・。    どうにもまとまらない・・。    けど、やらなきゃいけないことは    分かってる・・・。    まずは2年生たちの元へ向かわないと。    彼のことを第一に考えるなら    話にけりをつけなきゃいけない・・・。 筑井「僕は・・・2年生たちのもとに行くよ。    元々は彼女たちのところに    居たわけだし戻るの方が正解かな」 筑井「それに彼女たちに話をしなくちゃ    ならないことがある。    今はどうしても戻らなくちゃならない」 美海「はい・・・・・」

筑井「2年生のもとへは僕一人で向かう。    君たちはここにいてくれ。」 美海「お、お見送りぐらい・・・」    すると、美香が美海の前に手を    かざし制止しに入る。 美香「美海・・・!」    それ以上は何も言わなかった美香    ただ察しろと、それだけの制止の合図 美海「・・・・・・。」コクッ 筑井「美香が突然あんなこと言い出すとは    思わなかったけど、ありがとう!    行ってくるよ」    そういって筑井は開いた扉から    飛び出していった・ 美香「ありがとうね・・・」

雪鳴「ほんとうにいいの・・・?    美海ちゃん・・・?」 美海「し、仕方ないよ。    先輩も私のことを考えてのことだろうし…」    ただ美海が本当に悲しがっていたのは    最後に礼を言ったのが    美香に対してだったからだ。    しかしその美香はさっそく腑に落ちて    いなかった。なぜなら彼女の予想では    美穂と筑井が接触するのはまずいはずなのに    彼は自分から美穂のもとへ向かっているからだ。    どんよりとした道具倉庫の中    そこで最初に切り出したのは、やはり美香 美香「先輩の後をつけるわよ…」    疑いだしたら止まらない美香の性    真実を確かめるべく、後をつけると決めた    もちろん二人の解答は美香と同じものだった。

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