巨大女子相撲部

   そして、筑井達はすぐに    道具倉庫に移動するのかと思いきや    そうではなく、瑠璃が筑井の体に    ロープを巻きつける作業をしていた。 筑井「なんでロープ巻いたの‥?    これじゃるで犬じゃん‥‥」 瑠璃「さっき先輩逃げ出したじゃ    ないですか!!だから逃げられない    ようにリードつけたんです!」 筑井「・・・・・・。    いや、逃げないって」 二崎「信用できません」 筑井「二崎さんまで・・・」 二崎「それに先輩には部屋に戻っていた    だかなくてはいけないので、    逃がすわけにはいかないんですよ」 筑井「・・・・・・」    そして、筑井達は道具倉庫    へと向かい始める‥。

二崎「先輩、道具倉庫に行く理由そろそろ    教えていただけませんか?」 筑井「あぁ、そうだったね    えっと、かくかくしかじかで・・」    筑井は、ナナの情報を二崎に伝える。    いつも美穂と一緒にいる彼女なら    何かいい情報を教えてくれるのでは    ないかと思ってのことだ。 二崎「先輩も、ほんとお人好しですね…。    それが先輩の魅力だと思いますが」 二崎「ただ、美穂の邪魔をすると言うなら    賛同しかねる部分もあります」 瑠璃「だったら、あんたも美穂側なんだ!    先輩!今こいつは、協力する気ない    みたいですよ。 絶対一緒じゃ    ないほうがいいですって!」 二崎「そんなこと先輩なら話す前から    分かってるでしょ。 それでも、    ここまで話してくれたのは    私を信用してくれてるから‥、    そうですよね、先輩?」

筑井「うん。二崎さんが美穂さんと    仲良くしてるのはよく知ってるし    たぶん、美穂さんの意思を汲み取る    だろうと予想はしていたけど・・・」 筑井「ただ、二崎さんなら僕たちに    協力してくれるんじゃないかなって    なんとなくだけど・・・」 二崎「先輩って、案外無鉄砲なんですね。    慎重な方かと思っていましたけど」 筑井「僕だって男だ。いざって時は動くさ。    いつまでも慎重になってたら、    助けられるものも助けられないし」 瑠璃「女子相撲部なんですから    先輩は、半分は女ですよ。    まあ、私はちゃんと男性として    見てますけどね、せ・ん・ぱ・い♡」 二崎「お前は黙ってろ・・」    それから二崎さんは昨夜のことについて    話をしてくれた。警備をしていたこと、    そして美海達が訪れていたことも。

二崎「ナナという人物についてですが    美穂と私は監督から前もって    少しの情報だけ聞いていました。    彼が来るということ、そして先輩と    接触させるな…。監督に言われたのは    それだけで、それ以上は何も・・・」 二崎「監督に聞きたいことは山程ありますが、    おそらく何も教えてくれないかと。    多くを語られる方じゃないので‥」 二崎「もちろん美穂もそれは分かってる    はずです。だから、早朝一人で    彼の元に向かい情報を聞き出そうと    していたんだと思います‥」 二崎「そして、それを私が止めに入るのも    予想できていたんでしょうね‥。    何も言わずに出て行ったのが    それを証明していると言えます」 筑井「止めに入る‥?実際にそう考えてた    みたいだけど、どうして‥?」 二崎「率直に言うと、あまり今回の件に    ついて関わりすぎないでほしいと    考えているんです‥」

二崎「何がきっかけで危険に巻き込まれる    かも分からないじゃないですか‥。    穏便に済ませられるならそれに    越したことはありませんし‥‥」 二崎「隙を見て彼に荷物を渡し帰ってもらおう    と考えていたのですが気付いた時には    美穂はもう姿を消してて今に至ります」 二崎「先程賛同しかねると言いましたが    あれは、美穂の意思を尊重する場合の    話です。私自身の気持ちとしては    槍薔薇から逃がせればそれで    いいと考えています」 瑠璃「誘拐についてはもうバレてるわけだし    さすがに続行するとも思えないよね。    だったら逃がしても問題ないんだろう    けど、それは美穂が納得する結果    ではないってことか」 瑠璃「ひとみは逃がしたいと思っている    けど美穂はそれと逆なわけね‥。    それに、こういったことだといつも    美穂って真剣になるからひとみも止めに    いきづらいってところかしら?」 二崎「えぇ‥」

筑井「彼女の様子を見ても    穏便に済ます気はないだろうね‥」 筑井「ただ、僕としても部屋に閉じ込め    られてた状態から彼に外に出して    もらった恩はあるんだ。美穂さんが    危害を加えるようなら逃がして    あげたいとは思っている‥」 二崎「美穂には申し訳ないですけど    彼を見つけ次第ここから    逃がしてあげることにする。    そういうことで大丈夫ですか?」 筑井「・・・・・・・」    その時、筑井は二崎の    意見に黙って頷いた。 筑井(ナナさんを救えそうで 良かったけど    果たしてこれで良いのだろうか‥?) 筑井(すでに彼に危害を加えているわけだし    それがきっかけとなって美穂さんに    危険が及ぶ可能性もある‥。    だから、帰すなら帰すで問題が    ないとも言い切れない‥)

   漠然とした不安を募らせ続ける筑井。    だから彼はそれを紛らわせるべく    こう自分に言い聞かせる。    人助けができるならそれで    いいじゃないかと‥。    それから、二崎と瑠璃が会話を    行っていたがそれに筑井が    加わることはほとんどなかった。    そして、しばらく歩いた末    1年寮前の道具倉庫に到着する。    普段、道具の準備は1年生が    担当しているらしく、それで    1年寮前に建てられたらしい。    時計を見つけたので時刻を確認する。    時間は早朝の5時過ぎ。    7月と言うこともあり気付けば    日もすでに昇り始めていた。

二崎「彼がいるかは分からないけど    ここにいれば逃がしましょう。    美穂がいた場合が一番厄介ね…」 瑠璃「説得すれば、分かってくれるよ !    ここに彼を残すのは部員達に    危険が及ぶ可能性があるって言えば、    美穂も考え方変えるでしょ」 二崎「それもそうね・・、じゃあ開けるわよ」    扉は学年ごとのサイズが準備されており    二崎は2年生用の扉を開ける。 筑井(彼が無事でいてくれればいいが    美穂さんが連れ去ってから    しばらくの時間が経過している。    すでに酷い目に合わされているんじゃ)    心中でいろんなことを考えながら    道具倉庫の中を確認する・・。 瑠璃「やばっ! 先輩隠れて!?」    そう言って、瑠璃がロープを引き上げ    自身の胸の中に筑井を放り込んだ。

美海「お、おはようございます!    あれ?  先輩方?    どうされたんですか…    こんな時間に?」    中にいたのは、美海達だったようだ。    美海達の角度からだと、胸に挟まれた    僕はどうやら見えていないらしい。 二崎「あなたたちこそ、こんな時間に    な、 なにしてるのよ…」 美香「私たちの部屋が、今日の朝練の    当番なので準備してただけですよ」 瑠璃「普通6時からでしょ・・・?!    早すぎじゃない?」

美海「先輩を助けるためです!    昨日の部屋にもう一度行く時間が    欲しいので先に準備してました」 瑠璃(先輩は今ここにいるんだけどね…) 瑠璃(先輩の存在に気づかれたら    とやかく事情を聞かれそうだし    気づかれないようにしないと)    筑井は瑠璃の考えをすぐに    理解し、1年生たちに存在が    ばれないよう気配を消していた。 雪鳴「先輩方はどうしてこちらに・・?」 二崎「私達は、監督の命令で    道具の準備を頼まれたから    ここに来ただけよ」 瑠璃「断食強制ヘルメットなんだけど    どこに置いてたっけ?」

美海「それなら私が持ってきますよ!    先輩たちは待っていてください」 二崎   「あぁあ!!!いいから!いいから!」 瑠璃 二崎「わ、私達で取りに行くから大丈夫よ…    あなた達は朝練の準備続けてなさい」 二崎「この馬鹿デブ…何考えてんのよ…⁉」 瑠璃「場所忘れてたんだから仕方ないでしょ!」 美海「・・・?    わ、分かりました?」 美香「美海…?なんか変じゃない?    先輩の部屋で監視してたはずの    二崎先輩が、私たちが行こうと    してるのを止めないなんて・・」 美海「どうせ無理とか思ってるんじゃない?」 美香「そうかなあ・・・?」

二崎「さっさと行くわよ!瑠璃」 瑠璃「ちょっ!?引っ張るなデブ眼鏡!!」 1年「・・・・・・・」    二人は道具倉庫の奥へと姿を消す‥。    その後、しばらく立っても    1年生3人は何故か皆動かない‥。    それが何故かというと・・。 美海「デブ眼鏡・・ だって…」クスクス 雪鳴「笑っちゃいけないんやろうけど    二崎先輩…  プッ・・・」 美香「笑い堪えるのが辛かったわよ・・!    デブ眼鏡って、そのままじゃん…ウフッ」 3人「アハハハハっ!」    我慢できずに噴き出す3人。    なお、その笑い声は二崎の    耳にしっかり届いていた模様・・。

瑠璃「あんた、1年に笑われてんじゃん」ニヤニヤ 二崎「あいつらも後でぶちのめす‥。    あと、お前もな・・・」    鬼の形相‥。殺気に満ち溢れている‥。    美穂さんより、今やばそうなのは    完全に二崎さんの方だ・・・。    僕も少し笑っちゃったけど‥。 二崎「さっさと目的の誘拐犯見つけて    逃がすッ!!いいわね!!」 瑠璃   「は、はぃ‥!」(すごい迫力・・) 筑井    そして僕達は3年生用の    断食強制ヘルメットが    ある場所に辿り着いた。    数は全部で5個、全て後ろ向きに    置かれていた。美穂さんが見えない    ようにこう置いたのだろうか‥?

   二崎さんがヘルメットを左から順に    向きを変え中身を確認していく。    最初の一個を見てみると、なんと    その中にナナさんが捕らえられていた。 72「てめえは‥昨日の‥‥?」 二崎「心配しないで…私達は    あなたを助けに来ただけよ…」 72「助けに・・・?嘘をつくな・・」 瑠璃「ほら、これ見てよ」 筑井「ナナさん助けに来ましたよ!」 72「なんで、わざわざ・・」 筑井「恩を返しに来ただけですよ・・!」 72「変わってんなあんた・・。    まあ、礼は言っとくぜ」

二崎「あまり時間もないと思うわ。    美穂が帰ってくる前に    さっさとここから逃げなさい」    その時、ナナさんの様子を見ると    だいぶ苦しそうに咳をしていた。    それを心配してか二崎さんが・・ 二崎「あなた大丈夫・・?    だいぶ苦しそうだけど。    昨夜はごめんなさいね・・・」 72「これはお前らのせいで苦しんでる    わけじゃねえよ。ただの風邪だわ」 二崎「そう・・・それなら良かった」 筑井(たしか彼が捕まった時は    気を失っていたはず‥。    今美穂さんがいなのはきっと    彼が気絶して話を聞けないから    だろうな。運が良かった‥)    そして二崎が自身の襟元に彼を入れ、    一年生がいる出口へ向かう。

美香「あれ?先輩達    もう戻ってきたんですか?    何も持ってないみたいですけど?」 二崎「え・・、 あぁ・・・・。    言われてみれば3年生が帰ってくるまで    時間あるし、まだいいかなって…」 美海「そうなんですか?    んっ・・・?」    美海は瑠璃を見てある異変に気づく。    ひものような物が胸元から    垂れ下がっていたのだ。    何も言わず瑠璃に近づく美海    その時、瑠璃は72のことが気になって    美海のことは気にしていなかった。 美海「なんか垂れてますよ? 瑠璃先輩?」    美海はただ、ごみを取ってあげる    つもりだったのだろうが・・・・、

   引っ張った先にいたのは筑井・・。    筑井は胸の上を引きずられ    その後地面に真っ逆さまに落ちる・・!    それを胸でキャッチする美海。 美海「せ、先輩!!!!!!!!!!!!!    どうりでさっきから先輩の臭いが    すると思った!!」 美香(お前は犬か…?!) 美海「会えてよかったです!!!    ほんと心配したんですから!!!」    ムぎゅううううう!! 筑井(あまりに強く抱きしめすぎ‥?!) 美香「なんで瑠璃先輩の中に先輩が…⁉    ちょっと二崎先輩ちゃんと    説明してくださいよ!!」 二崎「うっ・・・・」   さすがに言葉をつまらせる二崎   同時に瑠璃に対して、更なる   怒りを覚えていた・・・・。

瑠璃「こ、これはそのね・・・!    そうだ! 私たちがあの部屋から    先輩を助け出せたのよ・・!」 二崎(そうだ!ってあんたね・・) 雪鳴「なんで、隠してたんですか?」 瑠璃「えっと・・・・」 美香「他にもまだまだ秘密がありそう    ですけど何、隠してるんですか?    ちゃんと話してください!!」    すると、入口からもう一人    誰かが入ってきた。 美穂「あんた達・・何してんのよ?」 二崎   「あ・・・」(最悪のパターン・・) 瑠璃   突如戻ってきた美穂。   はたして筑井達はこれから   どうなるのか・・。

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