全文表示 巨大女子相撲部

筑井「えっと・・・」

   ガバっ!!

??「しっ!美穂に気づかれるでしょ」

   見知らぬ女生徒に    急に抱き寄せられる筑井。

   おそらく2年生の生徒だろうが    女子は1学年に100人はいる。

   顔を見たことはあっても名を    知らない生徒がほとんど。

   今彼を包み込んでる彼女も    またその一人であった・・。

??「もう、大丈夫かな・・・?」

筑井(無駄に長いこと拘束されていたような。    まあ、その点はどうでもいいや)

   人見知りの性というものか・・。

   彼女が何者なのか筑井は知りたがって    いたが、それを聞き出せずにいた。

   しかし、今はもう7月・・。

   ここに来て、もう3か月は経つと    いうのに、今さら誰かと聞くと    彼女がショック受けそうだと思い    それを聞き出せないでいたようだ。

   このまま会話を進めてもいいと考えて    いたが、いつか知らなかったことが    バレそうで彼は少し恐怖を感じていた。

??「美穂の様子が変だったから後を    つけてたんですけど、凄いもの    見ちゃった・・」

??「誘拐なんてやる人    ほんとにいるんですね・・」

筑井「僕も、今初めて誘拐と聞いて    驚いてたところだよ・・・」

??「何者なんです、あの人って?」

筑井「名前はナナって言うらしいけど    それ以上詳しいことは分からない」

??「ふ~ん・・・・・。ナナね・・。    女の子みたいな名前」

??「私もここから見てましたけど    とても誘拐犯って感じには    見えなかったなぁ・・・」

??「先輩、見失っちゃうのに    別々に逃げてるのも変だし・・」

筑井「それもそうだよね・・。    解放とか言ってたけど・・」

筑井「もしかしてほんとに逃がして    くれただけなのかも・・?」

??「美穂を出し抜く為に言っただけって    ことも、ありえますけどね」

筑井「んぅ・・・・・」

筑井「・・・・・美穂さん、    彼のことどうするんだろ・・?」

??「何するかは分かりませんが、    美穂の性格なら、ただで    済むことはまずないですね・・」

??「て、先輩もしかして・・・    彼のこと・・・・?」

筑井「うん、やっぱりほっとけないよ!    自分だけ助けて貰っておきながら    逃げるなんてできない!」

??「あ、そうなんですねっ・・・!」

??「てっきり先輩・・・・、」

??「彼のこと愛してしまったんだ!    とか、言い出しそうで    ひやひやしましたよ」

筑井「いや、そんなこと言うわけ    ないだろ・・」

??「だって先輩これだけ女の子に    囲まれてるにも拘わらず、    全然、男っぽい部分がないと言うか」

??「エッチな気分になってる様子    ないじゃないですか?」

??「同性愛者かと思っちゃってましたよ」

筑井「僕はただ人見知りなだけ。    女の子に興味ないわけ    じゃないって・・・・」

??「えっ、そうなんですかッ!!    ちなみに今好きな子とかいます?」

筑井「んなこと、今聞くなよ・・。    誘拐犯が誘拐されてんだぞ」

??「話題そらさないでくださいよ!    この問題は私達にとって、    一番大事なことなんですから!」

??「それに、彼に対して更に手を上げる    ことは、しばらくないと思います」

??「もし、すぐに何かするつもりだったら、    気絶なんてさせないでしょうし」

筑井「それはそうだけど・・。    急ぐに越したことは・・」

??「美穂が部のことを一番に大事に    思ってるのは、皆よく知ってます」

??「彼が部にとって危険な存在なら、    いくら先輩の頼みと言っても    聞き入れないはずです・・!」

??「ここは、情に流されず冷静に    なって助ける方法を考えなきゃ    いけないと思いますよ?」

筑井「・・・・・・・」

筑井「それもそうだね・・・。    まさか、女の子にそんなこと    言われるなんて思わなかったよ」

   直情的になって考え無しに    なっては元も子もない。

   彼女の言う通り冷静にならなければ    ことを上手く運べないと思い、    一旦彼は気分を落ち着かせる。

??「で、好きな人は誰なんです?」

筑井「言わないって・・・!    てか、そもそもいないし!!」

筑井「今は落ち着かせてくれよ。    そういうこと聞かれると    冷静になんてなれないって・・」

??「あ~っあ・・。2回もチャンス    やったのに結局言いませんでしたね」

??「” 美海 ”が好きだって・・・・♪」

筑井「あっ・・・・」

   気が動転して交際設定を    完全に忘れていた筑井。

   急にそのことを指摘されたせいか、    あからさまにやってしまったという    ような表情を彼女に見せてしまっていた。

??「やっぱり交際してなかったんですね!」

??「でも大丈夫ですよ、先輩!    私、言い触らしたりしないんで」

筑井「・・・・・・・・」

筑井「ハァ・・、参ったな・・・」

筑井「きみに嘘は通じないみたいだね。    認めるよ・・。嘘ついてたこと」

??「・・・・・フッ」ニッ

??「完全に認めちゃいましたね・・」

??「先輩・・・・♪」

??「・・・・・?」

??「実は会話も全部録音しちゃってたん    ですよ!これで、もう言い逃れは    できませんね!」

筑井「あ、このやろ・・・!!」

筑井(この子・・・・、    やばいな・・)

筑井(敵に回したら駄目なタイプだ・・)

??「先輩心配しないでください。    これを脅しの道具に使うわけ    ないじゃないですか!!」

筑井「・・・・・・・」

??「それより、ちょっと交際してない    ってことで、ついでに気になることが    あるんですけどぉ・・」

??「なんで美海と先輩が付き    合ってることになってるんですか?」

??「ずっと気になってたんですよね」

??「せっかくですし教えてくれません?    少しは楽になるかもしれませんよ!」

筑井「・・・・・・・・・・」

筑井(くそっ・・・・)

筑井(脅しの道具に使わないと    言っていたけど、すでにこの質問に    利用してるようなもんだ・・)

筑井(情報を漏らされたくなければ    こちらに情報を提供しろと・・・)

筑井(直接的には言ってないけど    そういうことなんだろ・・)

筑井(完全にやられた・・)

   それから筑井は謎の女生徒に色々と    聞き出される破目になってしまう。

   部長や藤崎の話に、留年の話。    そして、ナナのことも・・・。

??「先輩も苦労してるんですね・・」

??「噂では大将にプロポーズ    されてると聞いてましたが、    まさか本当だったなんて・・・・」

??「でも安心してください!    私は先輩の味方ですから」

筑井(だから安心できないんだよ・・)

??「じゃあそろそろ、本題に戻りますか」

??「例の彼についてですが、    行き先なら心当たりありますよ」

筑井「えっ、本当!?    それってどこなの・・?」

??「彼のことを聞いてる限り、    普通の部屋だと抜け出される可能性が    高そうですし、美穂ならおそらく・・」

??「道具倉庫へ向かうと思います」

??「道具倉庫・・・?そこは特別な    造りになってるの・・・?」」

??「あ、いや、そういうわけじゃないです」

??「その中にあるもの・・・・・・・で彼を拘束    すると言うべきでしたね・・」

??「その道具って言うのが    ” 断食強制ヘルメット ”です」

筑井「ヘルメット・・?」

??「見た目は宇宙服のヘルメット    みたいな感じですかね」

??「大きさは私達用に作られてるんで    一般人が入るぐらいの大きさは    余裕であります」

筑井「うん・・・」

??「監督が罰を与える時に稀に使うんです。    私達にとって1日ご飯を抜くのは    拷問みたいなものですからね」

筑井「その中に彼を閉じ込めるって    ことなんだろうけど、でもどうして    美穂さんがそれを使うと思ってるわけ?」

??「ちょっと前に軽い事件があって    その時にそのヘルメットが役に    立ったことがあるんですよ」

筑井「事件・・・?」

??「事件って程でもないですけど、    猫が倉庫に侵入してきた時に    ヘルメットそれを使ったんです」

筑井「ふ~ん。でも、猫をヘルメットなんかで    どうやって捕まえたの・・?」

??「動きを封じるために最初は上から被せた    だけなんですけど、このヘルメットの    仕組みのおかげで無事、捕獲して簡単に    猫を逃がすことができたんですよ」

??「仕組みがどうなってるかと言うと    首がない状態で”閉める設定”にすると    完全に底面が閉まるようになって    います」

??「その底面の開閉に関してなんですが    ヘルメットの外側に開閉するスイッチが    あるので、中に閉じ込められた場合    自力で開閉を行うことができないんです」

??「猫を捕まえる際、被せるように    置いたんですがそれだと、持ち上げた    時に隙間から逃げられるので」

??「試しに底面を閉めてみたら上手く    できたんですよね、そのことはたぶん    美穂もよく覚えてると思うんで    使用する可能性は高いと言えます」

??「ちなみに、開閉ボタンを押せば    酸素の供給もちゃんとされますよ」

筑井「使い方は全然違うみたいだけど    閉じ込めるにはもってこいの道具って    ことだね・・・」

筑井(監督もそんなことしてたんだな・・。    怒らせると何されるか分からないな)

筑井(勢いで外に出てきたけど、部屋に    いた方が良かったんじゃ・・・)

??「んぅ・・。でも道具倉庫とは言っても    美穂がずっとそこにいることはできない    ですし、ヘルメットを自分の部屋に    移動させている可能性はありますね」

筑井「それはないんじゃないかな?」

筑井「ヘルメット持って歩くのは目立つだろうし、    3年生用のヘルメットなら、今それを    利用する人もいないし、そのままに    しておくと思うけど」

??「言われてみればそうですよね」

??「誘拐犯って言うぐらいだから他の    生徒に見られることを一番に避けてる    でしょうし、普通ならヘルメットの    移動なんかしませんか・・・」

筑井「うん、たぶんそうだと思うけどな」

筑井「まあ、とにかくきみ・・がいなかったら、    居場所の特定もまともにできて    いなかったよ。本当ありがとう」

??「・・・・・・・・・・・」

??「さっきから、きみきみって    言ってますけど、先輩っていつも    人のことそう呼んでましたっけ?」

筑井「う"っ・・・」ギクッ⁉

??「美海を呼ぶ時は" 美海 "」

??「美穂を呼ぶときは" 美穂さん "、    だったような・・・・?」

??「もしよかったら・・、    私の名前呼んでくれませんか」

筑井「・・・・・・・・」

筑井「う、うん・・・」

??「うん・・・じゃないですよッ!!!!」

??「もしかして名前分からないんですか?」

筑井「ご、ごめん・・・」

??「まあ、2年生だけでもいっぱいいるし    覚えてないのは仕方ないですけど」

??「でも、覚えられてなかったのは    純情な乙女心が傷ついちゃいましたよ」

筑井(この話方は・・・定番の流れじゃ…)

??「相談ものってあげて、この仕打ち」

??「何と不幸な少女だこと・・・」

??「今の私は誰がどう見ても    悲劇のヒロインそのものだと    思いませんか・・?先輩・・?」

筑井「いや、ぜんぜん・・・」

??「ぬぅっ・・・・💢」

??「寛容な私でも許せないことは    ありますよ・・⁉乙女心を弄んだ罪は    償っていただかないといけませんね」

??「わたしと、せっ・・・・」

??「て・・、あ”ああぁあ!!!?!」

   彼女が喋っている間には    すでに筑井は逃走を開始していた。

   彼が向かっていた先はもちろん    美穂が歩いていった方角である。

筑井「情報提供ありがとう!    この情報は無駄にしないから!!(汗)」

   だが、彼女も諦めるわけもなく    全力で筑井を追いかける。

   彼女は筑井を捕獲する為に上の階から    垂れていたロープを引きちぎり、    追いかけ始めたようで、

   そのせいもあってか、スタートが    だいぶ遅れていたようだ。

   10倍近い身長差があったものの    彼女の出遅れによる距離に加え、    筑井もここに来てから” 逃げる ”速さ    だけは恐ろしい程に鍛えられていた。

   その為、曲がり角などの地形をうまく利用    しつつ彼女との距離を徐々に広げていく    ことに成功していた。

   そんな状況に、追いつけ    ないと思った彼女は結局・・。

??「先輩!!!この録音したもの    校内放送で流してもいいん    ですか!!!」

筑井「あ、卑怯だぞ!!    さっき脅しには使わないって・・」

??「しょうがないじゃないですか!    だって先輩が逃げるんだもん」ハァ ハァ

??「先輩も分かってると思いますけど    私たち欲求不満なんですよ!!」

??「皆いつ爆発してもおかしくないんです!」

??「彼に同情するなら私に同情    してくれてもいいじゃないですか!」

筑井「同情って…別に卒業してからでも    そういうことできるでしょ・・?」

筑井「別に今すぐやらなくても・・・、    少し我慢すれば・・・・」

??「できないんですよ、私たちは・・」

筑井「・・・・・?」

   そして彼女は悲しげな表情で    自分達の実情について語りだした。

??「この情報は一般には公開されて    ないんですが、私達が一般人と生活が    できるのは中学校までなんです」

??「高校生になってから男性との出会え    ることは、普通ないんですよ・・」

??「それに加えて、ここを卒業してしまえば、    ほぼ全員、一生一般社会と関わる機会は    もらえないんです」

??「行きつく先は、ひたすら肉体労働。    それをやらされて私達の人生は終わり    を迎えます・・・・」

??「男性とも出会えなくて一生奴隷生活。    少しは可哀そうだと思いませんか?」

筑井「いや、まあ・・うん・・・」

??「すみません。    いきなり重い話しちゃって」

??「でも、そんな中でも全く救いが    ないわけではないんですよ」

??「今は、藤崎監督が私達みたいな病気の人    の為に、全国に高校を作ってくれたり」

??「相撲で結果を残せれば    日の目を浴びれるチャンスを・・、    人権を、与えてくれました・・」

??「監督には本当に感謝    しかないです・・・」

??「ですが、それだって狭き門・・」

??「それにプロになれても生活に制限が    あることは変わりないんですよ・・・」

??「少なくとも後世にこの病を    残さない為に、私たちは子供を    作ることを禁止されています」

??「これから先、セッ〇スする機会なんて    ほぼないんですから、先輩は皆にとって    最後の希望みたいなものなんです」

??「だから・・・」

??「だから・・・!!」

筑井「・・・・・」

筑井「そうだったのか・・・」

筑井「何も知らずに偏見を    もってしまっていたよ。    ごめん・・・・」

??「じゃあ、セッ〇ス    してくれるんですね!!」

二崎「こら!瑠璃るり!!」

瑠璃「あいてっ!?」

   彼らが会話をしていると    急に二崎が姿を現してきた。

   普通なら地面が揺れて気付くものだが    ここら一帯の地盤は相当丈夫なようで    二人が気付くことはなかったようだ。

筑井(というより、まさか、    本人以外の口から名前を聞くことになる    とは思わなかったな)

筑井(彼女の名前は瑠璃るりって言うのか)

二崎「同情させて性行為しようとは    この不届きもの!」

瑠璃「なんであんたがここにいんのよ!?」

瑠璃「デブ眼鏡・・・!!!」

二崎「で、デブ眼鏡・・・!?」

二崎「・・・・・・」

二崎「あんたの墓標はここに    立ててほしいそうね・・・」

筑井「ちょっと、二人とも落ち着いて・・」

筑井(うぅ・・・怖っ・・・。    話題変えないと・・・。)

筑井「それより、二崎さん、    彼女の話って本当なの・・?」

二崎「チッ・・・・、えっと・・」

二崎「まあ、ほぼ本当です・・」

二崎「私達のほとんどが肉体労働に回され    るのは、事実で間違いないです」

二崎「ですが、性行為に関しては子供を    作らなければ一応・・、認められてはいます」

二崎「私達の生活区域は決められているので    男性と出会える機会は、ほぼない    でしょうが・・・・・」

二崎「過剰な表現だと思って瑠璃こいつの    言うことは流してあげてください」

瑠璃「デブ眼鏡・・ねッ・・・・」

二崎「・・・・・」

二崎「それより先輩、あなた    監督の部屋にいたはずじゃ・・?」

筑井「あぁ・・・いや・・・、    とにかく、いろいろあって    出てこれたんだ」

二崎「そうですか。    無事が確認できて何よりです」

瑠璃「せ、先輩!!それよりさっさと    道具倉庫に向かいましょう!!

瑠璃「私達・・の用事を早く済ませないと!!」

二崎「私達の・・・用事・・・?」

二崎「あなた達を二人きりにするのは    今はすごく危険そうなので、    悪いですが、私もついて行きます」

瑠璃「えぇ~!!来ないでよ!    二人だけのお楽しみなんだから!」

二崎「先輩もちろん、いいですよね?」

筑井(瑠璃も美海と同じタイプだな・・。    引っかき回してくるのがやっかい)

筑井(二崎さんが一緒じゃないと    絶対やばいな・・・・)

筑井「えぇ、いいですよ・・」

筑井「あまりゆっくりもしてられないので、    詳しいことは歩きながら説明します」

   こうして、筑井、瑠璃、二崎の3人は    道具倉庫へと向かいだすのであった。

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