巨大女子相撲部

   美海達が二崎と会話をして    いた時のこと‥。    そんな、彼女達の会話を頭上から    盗み聞きしている人物がいた。

??「フッ‥‥。なるほど‥」    彼の呼び名はNO.72ナンバーセブンツー。    とある目的を果たす為に    3年寮に侵入し、現在    天井裏に身を潜めていた。 72「1年共やつらのおかげでいい情報が    得られた。筑井って奴は    この部屋の中にいるようだな」    筑井との接触を目論む謎の少年は、    彼女達が会話を終え別れたのを    見届けたと同時に、その場から    移動を開始する。

72(建物が無駄にデカいから侵入する    だけで、だいぶ消耗しちまったな‥。    しばらく休んでから向かうのも悪く    ねえが、早いに越したことはねえ) 72(とにかく、会わねえことには    話にもならねえし、さっさと    会いに行って終わらせるか‥)    脳内で今後の計画を考えながら    彼は筑井がいると思われる    部屋の天井裏に到着。    それからしばらくの間、    天井裏がどのような状態に    なっているか調べ始める。 72(空調ぶっ壊すのが一番はええか‥。    二崎やつも中に入れねえようだし    音で気付かれても問題はねえだろ)    そして彼は、ポーチの中に入っている    道具を取りだし、迷う様子もなく    空調設備の取り外しを行う。

   作業はなんと1、2分で完了。    彼が最後のネジを外し終えると    巨大な空調設備は床に落下し、    大きな音を立てる。    そんな大きな音も一切気にする様子も    なく、彼は中に侵入するべく淡々と    ロープを垂らしていき、そして、    そのロープを使い下へと降りていく。 72「こっちが手前の部屋になんのかな。    にしても相変わらず、すげえ匂いだ」    しばらく喋っていなかった    72だが部屋の匂いが気になってか    暗闇の中1人喋り出す。    地に降り立った彼は愚痴をこぼし    ながらポーチに手をやり、次は    懐中電灯を取り出した。    周囲を確認すべく、まず目の前を    照らす。だが、目の前を見てみると    見えたものは肌色の壁‥。    これは何かおかしいと彼も    思ったのだろう。正面を照らして    いた手を次は上に向ける。

   すると、その壁が突然動き    出したのだ!?驚いた彼は    その壁から距離をとった。 72「どういうことだ‥。    聞いてた話じゃ、藤崎と    同じ体格だってことに    なってたんだけどな」    彼は不思議そうに目の前に    ある何かに話かけた。    彼が発言し終えると同時に部屋の    照明がつき、壁の正体があらわになる。 美穂「潜入お疲れ様… 小人さん」 72「・・・・ども…  」    なんと72が潜入した部屋の中には    美穂が予め待ち伏せをしていたのだ。

   部屋が明るくなった瞬間72は    すぐにロープに摑まり逃走を始めた。    彼はロープの扱いに長けており    中でも、ロープ登りに関しては名人と    言っても差し支えないレベルである。    その実力を示すかのように    あっという間に5m付近まで登るが‥。 美穂「わざわざ掴みやすい位置まで    来てくれて、ありがとう」    高さ7,8m付近に来たところで、    美穂に捕まってしまう。これだけの    高さを登ってもまだ胸元付近の高さ。    彼がどんなに早く登っても    美穂からしてみればゆっくり    上がってくる物体を掴むだけの    簡単な作業でしかないのだ。 72「ぐっ・・・!!?」    捕まった72はそのあまりの    力の強さに苦しむ姿を見せていた。

二崎「美穂、うまく捕まえてくれたみたいね」    72が捕まってから入り口の    扉が開く。開いた扉の先に    いたのは先程まで筑井の部屋の    前にいたはずの、二崎の姿が。 72「てめぇ‥、どうやって入って    来やがったんだ‥!?てめぇらじゃ    この中に入れないはず‥じゃ‥‥?」    彼は二崎が来た方向に目を向けると    扉のサイズは何と、3年生用の    ものになっていたのだ。 72「この部屋の扉はずっと小さい    やつだったはず‥‥?」 二崎「小さい扉って‥‥‥。    監督の部屋のこと言ってるの?    残念ながら、あなたが入ったのは    ” その隣 ”の部屋よ」 72「えっ・・・なにっ・・!?」

二崎「せっかくだから説明してあげるけど    元々監督の部屋と、この部屋は    同じ一つの部屋だったの」 二崎「監督が3年寮に部屋を欲していた    そうだから仕切りを設けて    部屋を作っただけらしいわ」 二崎「とは言っても監督の体の大きさなら    綺麗に2等分する必要はないから、    部屋の面積の10%未満しか    使われてないって話よ」 二崎「元はと言えば一つの部屋だったん    だからもちろん空調も一つしかない。    空調は部屋の中央に設置されるから    必然的に一番端にある空調は    こっちの部屋のものになる」 二崎「それをあなたが監督の部屋のもの    だと勝手に勘違いしていただけ」 72「そういうことか・・・」 二崎「そもそも、天井もそのままの    高さだと監督には高すぎるから、    監督の部屋だけ一般的な高さの    天井を設けているわ」

72「どういうことかは分かったが、    気になんのは、なぜ俺が侵入する    ことをお前らが知っていたんだ‥?」 美穂「監督からの指示よ。監督が何故    知ってたのかまでは知らないけど‥」 二崎「ちなみに、私達は監督から    あなたと筑井先輩を接触させるな    とだけ命を受けていたわ」 二崎「もし、侵入者が筑井先輩と会うなら    この建物の構造上、天井裏からしか    侵入は不可能だと分かっていたから    常に意識をそこに集中させてもらって    いたわ。だから、あなたの存在も    途中からしっかり気付いていた」 二崎「1年生達に情報を話したのも    あなたをここへ誘導する為よ」 72「ククッ‥‥。てめぇらも結構やる    じゃねえか。デカ物に知性何て    ないと思ってたんだけどな」    彼がそう言うと美穂の握る    力が急激に強まる。 72「ぐりょうおおわあああーー!!?」

   強く握りしめられたことで    気絶するまではいかなくとも    悶絶する様子を彼は見せていた。    そんな姿を気にすることもなく    彼女達は会話を進めていく。 美穂「ひとみ、こいつの処理どうする?    色々聞き出したいことはあるけど」 二崎「尋問してもいいけど監督の指示が    あるまでは動かない方がいいわね。    今は拘束して閉じ込めておくのが    ベストじゃないかしら?」 72「女子高生が吐く台詞じゃねえな‥。    やっぱり頭の中化け物    だったってことか‥?」 二崎「・・・・・。少し五月蠅うるさいわね。    黙らせておきましょうか」 美穂「異議なし」 72「えッ、あ‥‥な、何するつもりだ‥」

   美穂と二崎が目線を合わせた後    ボールを投げるように美穂は    軽く彼を上へ放り投げた。    もちろん空中なので、    身動きをとることはできない。    彼はされるがまま放物線を描く    しかなかった‥。 美穂「じゃあひとみ、あれやろうか」 二崎「やっぱりそれやるのね‥。    分かったわ‥‥」ハァ‥‥    段々と彼が地面との距離を近づける    のと一緒に美穂と二崎の間も    徐々に縮まっていた。    彼の落下地点に合わせて二人も    移動し、72が二人の間に    差し掛かった時・・・・・!?

二崎   「んっ!!」 美穂    彼が落下する前に二人は勢いをつけ    体をぶつけ合う。500t近い二人に衝突    される72。その後、1分近く彼女達の    間に挟まれ続けることとなる‥。    それから、くっついた体を離し、    2人は72の状態を見る。当然のこと    だが彼は気を失ってしまっていた。    全身の骨や筋肉もどうなっているか    分からない状況であるが、辛うじて    生きていることだけを理解する。 美穂「狸寝入りってわけでもなさそう‥。    それじゃあ、目を覚ます前に    こいつを縛り上げるわよ」    72が使用していたロープを引き    ちぎり、二人はそれで彼を縛り上げる。    その際に、衣類や持ち物を回収。    これらの持ち物から彼の素性を    割り出そうと考えているようだ。

   彼を縛り上げ持ち物を回収し終えた    二人はその場で会話をしていた。 二崎「それにしても何であの技を…。    あれ、筑井先輩の特訓の為に    編み出した技って言ってたでしょ。    あれをしなくても握り潰して    終わりで良かったんじゃないの?」 美穂「練習台よ練習台、先輩の前に    試すいい機会だったから」 二崎「まあ、こいつは鍛えていて    これだろうから先輩の時は    ものすごく慎重にやらないと、    たぶん、すぐ死ぬわよ」 美穂「最大限に加減してこれなんだけど    ひとみは力入れてたの?」 二崎「いや私もそうだけど…」 美穂   「・・・・・・。」 二崎 美穂「この技は先輩には使えないわね・・」

美穂「それにしてもこいつ何者    なんでしょうね‥?    まず、他の皆には教えちゃならない    存在なわけだし、どうしよっか‥?」 二崎「ここには誰も来ないでしょうし、    この部屋に閉じ込めておいて    いいんじゃない?」 美穂「それもそうね‥‥。    無暗に移動させても、    あれだし・・・」    彼の倒れている姿を見た彼女達は    部屋の照明を消し、姿を消した。

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