全文表示 巨大女子相撲部

二崎「‥!?」

   3年寮に潜入していた美海達。    監督の部屋と思われる場所まで訪れると    そこにはなんと二崎の姿が‥。

   足音で彼女達が近づいてくるのは    分かるはずなのだが、彼女は声を    掛けられるまでその存在に気付いて    いなかったような様子であった。

美香「なんで二崎先輩が、こんな    ところにいるんですか‥?」

   この場にいる1年生全員が    同じ疑問を抱いていたことだろう。    それを代弁するかのように    美香が誰よりも先に質問をした。

二崎「・・・・・・」

   この状況ならば、1年生達の方が    緊張する場面のはずなのだが、    何故なぜか今は二崎の方が    動揺する仕草を見せていた。

二崎「私は3年寮の見回りよ‥。    監督に頼まれてやっているの」

   3人は、二崎が普段冷静沈着な女性    だということを知っている。

   だからこそ今の彼女の動揺する姿を    見て、何か怪しいと感じていた。    そして美香が続けて話しかける。

美香「1階の窓‥、開いてましたよ」

   挑発とも受け取れる発言‥。    美香なりに墓穴を掘りにいこうと    しているようだ。

   几帳面な二崎が警備をやっていた    のであれば、窓の閉め忘れという    初歩的な失態を犯すはずもない。    そう思い彼女は透かさず攻めに行く。

二崎「道理であなた達がここまで来れた    わけね‥。わざわざ連絡ありがとう。    来たことは見なかったことにして    あげるから、早く寮へ帰りなさい」

美海「い、嫌ですよッ!!    私達、筑井先輩を探して    ここまで来たんですから!」

美香「それに、見なかったことにして    ほしいのは‥‥二崎先輩‥、    あなたの方じゃないんですか?」

   美香は執拗に二崎を追い込もうとする。    二崎には見回り以外の目的があって    ここにいると思い込んでいた美香は、    真実を知るべく、攻撃的な発言を    行い続けていた。

   ” 早く口を滑らせてほしい ”    その気持ちが美香の言動を    鋭いものにさせていた。

   だが、そんな煽りに乗せられるほど    二崎も簡単な女ではない・・。

二崎「私のことは別にどう思ってくれても    構わないけど、あなた達じゃ先輩と    会うことはできないわよ・・」

美海「そんなこと言っても    騙されませんよ!その扉の奥に    先輩がいるんですよね!?」

美海「だったら、そこを調べさせて    ください!それで中にいないのが    分かれば私達も帰ります!」

二崎「調べたいなら、お好きにどうぞ」

   ここに二崎がいた理由。    美海との会話から筑井が関係して    いるものだと予測は立てられるが、    だとすれば、何故調べる許可を    与えたのだろうか‥?

   美香はそんな疑問を抱きながら    美海が扉に触れる様子を    遠くから見つめていた。

   そして彼女が扉に手を触れた瞬間、    その疑問はすぐに解決することとなる

美海「うっ・・!!なにこれ・・・?!    こんな小さいのに微動だにしない‥」

   どうやら、扉が重すぎて開くことが    できないようだ‥。それを知っていた    から二崎は簡単に許可を出していた。

二崎「これで分かった?先輩とは    会おうと思っても会えないのよ」

美海「くっ‥‥」

二崎「まだ、諦めてないようね‥。    粘られても面倒だから言って    おくけど、扉を開けれたとしても    先輩と会うことはできないわよ」

雪鳴「何でですか‥?扉が開けば    先輩出て来れますよね?」

二崎「開けた先にはいないの。    その更に" 奥の部屋 "に先輩は居るわ。    部屋の2重構造。これをどうにかしない    限り接触は、まずできないでしょうね」

二崎「今の説明だけだと、分からないかも    しれないから帰る時に寮の横側を    見に行ってみて、それで私の    言っている意味が分かると思うから」

二崎「他の階には窓が1つしかないけど    この階だけ唯一2つあるの。それで    2部屋あるって分かるはずよ」

二崎「ちなみに、あなた達ここを    どうやって特定してきたの?」

美香「3年寮で小さい窓が唯一あったのが    ここだったので‥それを頼りに‥」

二崎「なるほど‥、やっぱりそうだったのね。    だけど、それじゃ甘いわ。監督の部屋を    見つけるだけならそれでいいと思うけど    あなた達の目的は先輩なんでしょ?」

二崎「だとしたら、まず人の有無の    確認をしなきゃいけないはずよ」

二崎「その確認をするのであれば、例えば    照明がついてるかついてないかぐらい    見てきた方がいいんじゃない?」

二崎「横側に回るついでに裏から照明が    ついてるか見に行って御覧なさい」

二崎「もしまだついていれば、それで先輩が    いることの裏付けが取れるわけだし    私が嘘を付いていないことも    分かってもらえるはずだわ」

二崎「そういうことだから、ここに    居座っても何の意味もないの。    分かったら早く帰りなさい」

美香(このまま、ここに居ても仕方ないのは    間違いないわね‥。なんで二崎先輩が    ここにいるのかは分からないけど    今は引き返す以外に‥‥)

美海「壁・‥。壁を壊せば    いいだけじゃないですか」

美香「ばかッ!?そんなことしたら‥!」

   美香が指摘する前にすでに美海の    体は動いており、そのまま    思いっきり壁に張り手を加える。

   普通のコンクリートなら簡単に破壊    できる威力のはずなのだが‥。    この壁に大しては全くの無力であった。

美海「う、嘘‥!?ひび一つ入らないなんて…」

二崎「だから、諦めなさいって‥。    周辺の外壁も扉と同じ素材で    作られているらしいから無理よ」

美香「ちょっと、美海!    考え無しに動きすぎよ!」

美香「ここで問題起こせば先輩はずっと    監督の部屋で暮らすことに    なんのよ、まず落ち着きなさい!!」

美海「美香‥‥。ごめん…」

美香「傷一つ付かなかったのが    不幸中の幸いね。今日は一旦・・    引き下がりましょ」

二崎「・・・・・」

美香「雪鳴!帰るよ!」

雪鳴「う、うん…」

美香「二崎先輩、すみませんでした」

二崎「いいのよ、気を付けて帰って」

   そして元来た道を3人は引き返す。

美海「ねぇ、美香!もうちょっと粘っても    良かったんじゃない?二崎先輩なら    開けれたかもしれないじゃん!」

美香「だから、開けれても意味ないのよ!    奥の部屋の扉はどうするつもり?」

美香「私達じゃ扉が小さすぎて入れ    ないんだから、仮に開ける力が    あったとしても無駄に終わんの」

美香「元々、扉を開けて先輩から出てきて    もらう以外に外に出す方法がなかった    ところを、2重構造が上手い具合に    それを不可能とさせてる」

美海「どんだけ私達と会わせたく    ないのよ、あのバカ監督!!」

美香「だけど、そこまで悲観的になる    こともないと思うわ。二崎先輩あのおんなが    部屋の前にいたってことは、何か    先輩と接触する方法があるってことよ」

雪鳴「最初、うち達と会った時も    こっちに気づいてない様子だったし    何かの作業をしてて集中してたって    こともあるかもしれんよね‥」

美海「んぅ‥なるほどねぇ‥。    とにかく、まだ希望はあるんだね。    じゃあ、一旦離れたのは・・」

美香「そう…その何かを確認するため。    私達が離れた今もあそこから    移動していないのが、ある意味    それがあることを証明していると    言ってもいいんじゃない?」

美香「距離はだいぶ離れちゃったけど    これだけ静かなんだし変化が    あればすぐに分かるはずよ」

美海「いつの間にか、美香が    一番ノリノリじゃん‥」

美香「そういうこと一々言うんじゃないわよ」   (窓や照明の話をして無理やりにでも    外に誘導しようとしてたんでしょうけど    こっちもそんな甘くないのよ)

   何かが隠されているのは間違いないと    考えた美香達は、中央階段付近で    二崎を見張るべく張り込むことに‥。

   監視は思いのほか長く続き、    約30分が経過する。

   その間、物音ひとつしないことを    彼女達は不思議に思っていた。

   すでに何かが行われているのだろうか?    そう思い耳を澄ますも、やはり    何も変化は感じられない。

美香(見回りしてたって言ってたけど    本当にそうなのかも‥?ここまで変化が    ないんじゃそう考えるしかない)

美香(もし、そうだとすれば    ”筑井先輩限定”の警備員ってことに    なるけど、でも何のために‥?)

美香不埒ふらちな生徒を追い返すための    ただの用心棒ってことはまずない)

美香(それなら、わざわざ場所を確定させる    情報を教えるはずないし、そもそも    部屋の構造上、先輩と接触できないん    だからそんな物を置く意味がない)

   頭の中で様々な推測を行っていた美香で    あったが、何も進展がない状況に嫌気が    さしてか美海達に話しかけていた。

美香「何にも変化ないわね‥?」

雪鳴「もしかして、うち達いるの    分かってるんやない・・・?」

美海「ここからかなり距離あるよ。    それに時間も結構立ってるし    さすがに私達のこと意識    してるとは思えないけど‥」

美香「んぅ~‥。気になることは多いけど、    明日、朝練もあるしこれ以上何もない    ようなら付き合ってられないわね」

美香「あの女自体何かする様子も    ないし、もう帰ろっか‥」

美海「そうだね‥‥」

   監視を諦めた彼女達は    元来た道を戻ることに。

   そして建物から出た3人は    再び3年寮を眺めていた。

雪鳴「力になれなくてごめん」

美香「なにも謝ることないでしょ。    むしろ、役に立った方だって!    雪鳴がいなきゃあそこまで    行けてなかったんだし」

雪鳴「でも、会うことはできなかった‥」

美香「元々あわよくば会えればいいってだけ    だったし、別にこういう結果になった    からって気にする必要もないでしょ」

美香「何より、まだチャンスが    ないわけじゃなさそうだし」

美海「あ、そう言えば、窓と照明の話    していたよね。せっかくだし    見に行かない?」

美香「悪あがきってわけじゃないけど、    先輩がいるって確証だけでも得て    帰りたいしね。行きましょうか」

   5分程度歩き、窓の確認を行い    そして、校舎裏に着いた3人。    上を見上げると一つだけ    明かりのついた部屋を見つける。

美海「明かりがついてる部屋があるね。    まだ22時ぐらいだろうし    先輩も起きてるか・・・」

美香「これで先輩がいることは確定ね。    もっと計画練ってから    明日、再挑戦するわよ!」

美海「う、うん・・」   (すんごいやる気‥)

雪鳴「ちょっと待って・・二人とも

美海「どうしたの?」

   雪鳴は怯えた表情で二人を    見つめた後話し出した。

雪鳴「明かりついてる場所おかしくない‥?    監督の部屋‥、角部屋のはずやのに    その隣の部屋の明かりがついてる‥」

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