巨大女子相撲部

美香「あ、あなたは・・・」      3年寮の監督部屋付近で    謎の人物を発見した美海達3人は    その人物と接触していた。    暗闇の先にいた人物の正体・・。    それは、2年生の二崎であった。 二崎「なんであなた達がこんなところに?」    二崎は驚いた様子で質問をしてきた。    その様子に1年生達は違和感を    覚えていた。      なぜなら、彼女達の場合歩行時に    地面に揺れが発生するので人物の    特定まではできずとも、誰かが    近くにいるということは    目を閉じていても分かる。    だが、二崎は声を掛けられてやっと    彼女達の存在に気が付いて    いるようだった。

美海「それはこっちのセリフですよ    なんで、二崎先輩が3年生の    寮にいるんですか・・?」    普段冷静沈着な彼女だが    困惑しているのは表情を見ずとも    容易に理解することができる。    その見慣れない様相に3人は    多少気味の悪さを感じていた。 二崎「私は3年寮の見回りよ。    監督に頼まれてやってるの」 美香「1階の窓…開いてましたよ」    美香の挑発とも思える発言・・。    几帳面な二崎が仮に警備を    やっているのならば、窓の    閉め忘れという失態を犯すはず    がないと美香は思っていた。    彼女なりに墓穴を掘りにきたようだ。 二崎「道理であなた達が    ここまで来れてるわけね・・」 二崎「わざわざ、連絡ありがとう。    ここに来たことは見なかったことに    してあげるから、早く寮へ帰りなさい」

美海「い、嫌ですよッ!!    私達は筑井先輩を探して    ここまで来たんですから!」 美香「それに、見なかったことにしてもらい    たいのは・・・二崎先輩…あなたの方    じゃないんですか?」    執拗に二崎を追い込もうとする美香。    二崎も彼女達と同様に、なにか目的が    あってここまで来ているのは確か。    その真意を知りたがって挑発的な    台詞を吐いてしまっていた。    ”早く口を滑らせてほしい”    その気持ちが美香の言動を    鋭いものにさせていた。    だが、そんな挑発に乗せられるほど    二崎も簡単な女ではない・・。 二崎「私のことは別にどう思ってくれても    構わないけど、あなた達じゃ先輩と    会うことはできないわよ・・」

美海「そんなこと言っても騙されませんよ!    その扉の奥にきっと先輩が    いるんですよね!?」 美海「だったら、そこを調べさせてください!    それで中にいないのが分かれば    私達も帰りますよ!」 二崎「調べたいのならお好きにどうぞ」    こんな時間に彼女がここにいるという    ことは、この場所に何かがあるという    ことを証明している。    にもかかわらず、扉をこうも    あっさりと調べさせることに    美香は怪しさを感じていた。    だが、二崎が調べるのを許した    理由はそれほど深いものでは    なかったようだ。    美海がドアに触れることで    その答えはすぐ分かることになる。

   扉が重すぎて動かないのだ。    小さな小さなドアノブを    握り、思いっきり力を込めるが    微動だにしない。 美海「うっ・・!!かたすぎ・・・。    こんなに小さいのに1㎜も動かない」 二崎「先輩がこの中にいようといまいと    ドアが開けれない以上会うこと    なんてできないのよ」 二崎「仮に、この扉を開けることが    できても、先輩と会うことは    叶わないけどね」 雪鳴「何でですか・・・?    ドアが開けば先輩出て来れますよね?」 二崎「何でかって言うのは、    このドアを開けた、もう一つ先の    部屋に先輩は居るからよ」 二崎「部屋の2重構造。その仕組みを攻略    しない限り接触は、まず無理よ」

二崎「建物を横から見ても分かるけど    他の階の窓は1つしか付いてないけど    この階だけ、小窓が等間隔に    唯一"二つ"付いてる。    監督の身長から部屋の大きさを考えれば    2部屋以上あると考えるのが妥当」 二崎「それに照明…    実際この建物の裏に回れば    一つだけ明かりのついた部屋があったわ    まあ日が落ちる前の話だから    今はついてるか分らないけど」 二崎「たぶんあなたたち正面から見える    ” 廊下の窓 ”の大きさで    この場所を割り出してきたんでしょ?    この暗い中ちゃんと場所を    当ててきたことは評価するけど    ちょっと詰めが甘いんじゃない」    確かにこの場所を割り出した方法は窓。    だがその窓から明かりが見えることもなかったし    人の有無を判断するにはあまりに不適切だ。    雪鳴はすごく恥ずかしい気持ちになっていた。

二崎「て、ことだから先輩と    あなたたちは会えないの    分かったならさっさと帰りなさい」   美香(二崎先輩の目的は分からないけど    結局のところ先輩に会えなさそうだし    ここは引き返すしか…) 美海「かべ・・・。壁を壊せば    いいだけじゃないですか」 美香「ばか、そんなことしたら…」    そう言い終わる前に    美海は壁に張り手をしていた、    普通のコンクリートなら    簡単に破壊できる張り手…。    しかしこの壁に大しては全くの無力 美海「う、うそ…!?ひび一つ入らないなんて…」   二崎「だから、無駄だって…    この部屋の周辺の外壁も    ドアと同じ構造になってるから…」

美香「ちょっと美海!    考え無しに動きすぎよ    ここで問題起こせば先輩は    ずっと監督の部屋で暮らすことになるのよ    落ち着いて!!」 美海「美香…。ごめん…」 美香「傷が付かなかったのは不幸中の幸いね。    今日はいったん引き下がりましょ」 二崎「・・・・・」 美香「雪鳴!帰るよ!」 雪鳴「う、うん…」        そして元来た道を引き返す3人であった。

美海「ちょっと美香!もうちょっと    粘っても良かったんじゃない?    二崎先輩ならあの扉開けれた    かもしれないじゃん!」 美香「それじゃあ、意味ないって    もしも最初のドアを開けれたとしても    奥のドアはどうやって開けるの?    ドアが小さすぎて開けれたとしても    そもそも私たちじゃ入れないじゃん」 美香「ドアを開けて先輩の方から    出てきてもらう以外に外に出す    方法はないのよ。    2重構造のせいでそれが無理なんだから    今は諦めるしかない」 美香「でも、あの女が部屋の前に    いたってことは何かあるってことよ…    なにか、先輩と接触する方法が・・・」 雪鳴「最初にわたし達と会った時も    私たちに気づいてなかったみたいやし    何かに集中してたってことかも    しれないしね・・・」

美海「あ、分かったいったん    二崎先輩と離れたのは・・!」 美香「そう…そのなにかを確認するため」 美香「事実私達が離れた今も    あの女あそこから移動してる気配もない」 美海「移動してれば音でわかるもんね」 美香「私たちの方から近づきすぎるのは    危険だからしばらく中央階段付近で    待機しときましょ    距離はだいぶ離れちゃうけど    これだけ静かなんだし    変化があればすぐに分かるでしょ。」 美海「いつの間にか一番    ノリノリじゃん美香が…」 美香「う、うっさい…!」

   美香の予想に2人も同意し    中央階段に戻り様子をうかがう。        だが二崎があの場所に訪れていた    理由は美香の予想とは    全く違うものだった…。    それを証明するかのように    二崎には全く変化がない    30分ほど待機していたが二崎が    動く様子は全くなかった。    警備員とは言っていたが    本当にそうなのだろうか?    仮にそうだとすれば”筑井限定”の    警備員ということになるが    正確な目的が不明だ。    不埒な生徒を追い返すための    ただの用心棒なのだろうか    だとしたらなぜ場所を確定させるような    情報をわざわざ教えたのか、    疑問がさらに深まる。

美香「どうしたのかしら?    物音ひとつしないけど」 雪鳴「もしかしたら私たちいるの    分かってるんやない・・・?」 美海「ここから結構距離あるよ    それに時間も1時間はたったんじゃない?    さすがに帰ったと思ってるでしょ・・」 美香「明日学校もあるしこれ以上何もない    ようなら付き合ってられないわね。    あの女自体も手を出すような    様子はなさそうだし。    帰った方がいいかもね…」 美海「んぅ・・・そうだね。    いちおう先輩も無事そう     なのは分かったし」    そう言って彼女たちは    元来た道を戻ることに。

   そして建物から出た3人は    再び3年寮を眺めていた。 雪鳴「力になれなくてごめん」 美香「なにも謝ることないでしょ    あんたがいなきゃあそこまで    行けてなかったんだし」 雪鳴「でも、助けれんかった」 美香「別に助ける助けないの話じゃないって    先輩が無事そうなのは分かったし」 美海「そういえば校舎裏から部屋の明かり    見えたとか言ってたけど    一回見に行ってみない?」 美香「悪あがきってわけじゃないけど    先輩がいるって確証だけでも得て    帰りたいしね」    そう言って彼女らは校舎裏に回った。

   5分程度歩き、校舎裏に着いた3人。    上を見上げると確かに一つだけ    明かりのついた部屋があった。 美海「一つだけ明かりがついてる部屋あるね。    まだ22時ぐらいだろうし    先輩も起きてるか・・・」 美香「これで先輩がいることは確定ね。    もっと計画練ってから    明日、再挑戦するわよ!」 美海「う、うん・・。    明日は朝早いし、もう戻ろっか」   (一番やる気出しちゃってるよ) 雪鳴「ちょっと待って・・二人とも」 美海「どうしたの?」    何やら雪鳴は怯えてる様子だった。 雪鳴「明かりついてる場所おかしくない…?」 雪鳴「監督の部屋…、角部屋のはずやのに    その隣の部屋の明かりがついてる…」

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