巨大女子相撲部

美海「先輩を探さないと!!」    筑井が消えてから丸一日が経過。    部活も終わり、日が落ちた時刻。    姿を見せない筑井のことを心配し    美海が捜索を始めようとしていた。 美香「監督と一緒に大会に行ったん    じゃないの?一応先輩も3年生だし」 美海「そんなわけないよ。あんな危険な    場所に連れて行くわけないもん!!」 美香「危険って、確かにそうだけどさぁ」 美海「私今から探しに行く!    美香も手伝ってよ!!」 美香「えぇ・・・・めんどくさッ。    今日はもう稽古でクタクタなのよ」   (居ても監督の部屋だろうし    頑張っても無駄でしょ・・) 美海「だったら一人でも行く!!」 美香「はいはい・・」   ( 最初からそう言えっての )

??「う、うちにも・・」 美海「!?」    二人が会話をしていると部屋の中にいた    もう一人女生徒が話しかけてきた。 ??「うちにも手伝わせて・・」    彼女の名前は雪鳴怜奈。    美海達と一緒の部屋で生活する    物静かな女生徒である。 美海「雪鳴ゆきなき!!ありがとう!    やっぱ雪鳴って最高!」 雪鳴「ありがと美海ちゃん・・」 雪鳴「先輩が消えてつらそうにしてた    の見てるといたたまれんくて・・。    少しでも励みになれればなって」 美海「雪鳴・・・」ウルッ‥

雪鳴「私の予想やと、たぶん先輩が    いる場所は監督の部屋やと思う。    まずはそこから行ってみない?」 美海「そうだね!!!3年生の寮に    行くのちょっと怖いけど    まずは、そこに行こう!!」 雪鳴「うぅ・・3年寮か・・。    向かうって考えたら先輩方    いなくてもちょっと怖いかも」 美海「大丈夫!私がついてるから!    心配しないで!!」    二人の会話を部屋の隅からどこか    不満げな表情で聞いていた美香。    そんな彼女が急に立ち上がり    会話の中に混ざりだす。 美香「美海がいるから逆に心配だわ。    昨日みたいに何しでかすか    分からないし・・」 美海「なによ美香」

美香「私もついて行く・・!あんたら    二人だとなんか頼りないから」 美香「それに万が一、問題起こして    連帯責任による超重量特訓なんてことに    なったらたまったもんじゃないし」 美海「美香・・・。本当ほんとは最初から    ついて行きたかったんでしょ。    素直じゃないんだから」 美香「違うわ!!バカッ!!」 美香「たくっ・・そこは美香ちゃん    ありがとうで、済ませればいいのに    余計なこと言いすぎなのよ」 雪鳴「美香ちゃん、ありがとう」 美香「・・・・。ん、んぅ・・」    美香(言われたら言われたで    ちょっと恥ずかしいわね・・)

   そして彼女達3人は1年の寮を    出て、3年生の寮へと出発する。 美海「いざ、決戦の地へ    しゅっぱーーつ!!!」 美香「声がでかいって!!他の皆に    気付かれちゃうでしょうが!」 雪鳴(なんかこういうのちょっと    ドキドキする、楽しみ・・)    彼女達が向かうは巨大な砦、    女子相撲部3年寮。    地平線の彼方からでも    目視できる大きさから    人々はそれを”人工山”と呼ぶ。    筑井との接触を果たす為、    それから彼女達は誰もいない    静かな夜道を歩き始める。

   部活で疲れていた影響もあってか    彼女達の歩くスピードはとても    速いと言えるものではない。    それでも歩き始めて30分が    経過するも、中々到着する気配が    見えてこず美香が小言を口にする。 美香「これだけ歩いたのに    まだ着かないのね・・・」 美海「でも、もうそろそろのはずだよ。    だいぶ大きく見えてきたし」 雪鳴「時間がかかるのはこの地面が    少し歩きづらいのもあるよね・・。    妙に凸凹でこぼこしてるから」 美香「よく見るとこれ足跡よね。    たぶん3年生のものなんだろうけど    私達もいずれこうなるかと思うと    ちょっと気が引けてこない・・?」 美海「え、なんで?」 美香「なんでってこんな醜い体でずっと    いなくちゃいけないのよ・・。    普通ならオシャレしてデートしたり    外食だって自由にできる・・・。    でも私達じゃそれも、もう無理」

美香「こういった現実を受け入れなくちゃ    ってのは分かってるんだけど、    辛いもんは辛いでしょやっぱ」 美香「この地面に付いている足跡を見てると    自分の将来の道筋を辿ってるようで    なんか気が重くなる・・・」 美海「じゃあ、見なきゃいいじゃん」 美香「あんたねぇ・・・」 美香「なんで美海はそんな楽観的なのよ?    正直羨ましいわ、その感性が」 美海「んぅ、そうだね・・・。    私はこの体のおかげで筑井先輩と    出会えたからそれで充分だと    思ってる。むしろ充分すぎるぐらい」 美海「それに美香とも仲良くなれたし!    私はこれで良かったって思ってる」 美香「よくそんなこと    サラッと言えるわね・・」

美海「なんか気に障った?」 美香「いや、そうじゃないけど・・」 雪鳴「うちも美海ちゃんと同じかも、    そんなにこの体嫌だと思ってない」 美香「へぇ、ちょっと意外なんでよ?」 雪鳴「この体のせいで大事なものを    いっぱい失ったり、心も傷ついたり    してきたけど、その代わり失って    初めて見えたものもいっぱいある」 雪鳴「小さな幸せにも気付くことが    できるようなったから    そういう意味では感謝してる。    大事なものをもっと大事にしたい    と思えるようになったから」 雪鳴「そして、美海ちゃんも私にとって    大事な人やからその美海ちゃんが    大切に思っている人を助けたいと    私は本気で思ってる」

美海「ゆ、雪鳴・・・!!!!」ガバッ!!    号泣しながら雪鳴に抱き着く美海。    ついでに、交際しているという嘘に    すごく罪悪感を感じているのであった。 美香(なんという善人・・・。自分が    情けなくなるから、そういうの    やめてほしいんだけど・・・) 雪鳴美海ちゃん、苦しいはなして‥ 美海「アぁ!?ごめんごめん・・。    つい、感極まっちゃって!」 美香「美海はほんと涙もろいわね。    昨日から泣いてばっかじゃん」 美海「しょうがないでしょ!!    そういう体質なの!    美香だって汗すぐかくじゃん!」 美香「ぜんぜん違うでしょ涙と汗じゃ・・。    つか、体質の問題なのは汗だけ!」

   そんなこんな言いながら、もうしばらく    歩きやっとのことで3年生の寮に到着。 美海「デっか・・・。近くで見ると    全然違うわね、迫力が・・・・」 美香「ドアもめちゃくちゃ大きいし    これ私達だけで開けれるとは    到底思えないけど・・・」 美海「せっかく来たのに諦めちゃ駄目!    まず、3人で押してみようよ!」    扉の前に立った3人はそれに手を当て    掛け声と共に一斉に押し出す。    3人とも全力で扉を押すがピクリとも    扉が動く気配はなかった。 美香「ハァ・・ハァ‥やっぱ無理よね・・。    ねずみが人間のドアを開ける    ようなものだもの。これじゃ」 雪鳴「ねずみなら・・・。もっと別の    入り口探すんやない・・」 美海   「別の入り口・・・・排水管か!!」 美香

美香「て、待てぃッ・・!!    そもそも私達が入れるような    排水管なんて、まずないでしょ。    入れても絶対登ったりできないし」 雪鳴「排水管やないよ。それにうち    そんな汚いとこ行きたないし。    それよりあっち見て」    雪鳴が遠くを指さしたので二人は    その方角に視線を移す。その先には    暗く確認が取りにくいながらも、    一か所だけ窓が開いている    部屋があるのを見て取れた。 美海「窓空いてる部屋あるじゃん!    たぶん喚起するために開けてたん    だろうけど、閉め忘れてたのかもね」 美海「換気が目的だったら部屋の扉も空いてる    かもしれないし、そのまま中に侵入    できる可能性高いんじゃない?」 美香「それはあるかもね・・。    とにかく行ってみましょ」 美香(普段は抜けてんのに、たまに    勘が冴える時あんのよね。    美穂先輩に似て・・・)

   さっそく空いている窓まで向かう3人。    段差を無事よじ登ることもできたので    部屋の中の様子を観察し始める。    奥の方、つまり部屋の入口側を    見てみると、美海の予想通り    部屋のドアはひらいていたようだ。 美香「はぁ…部屋に入るだけで一苦労ね、    どんだけデカいのよ3年生は」 美海「入れたんだからいいじゃん。    あれっ・・?そういえば    監督の部屋ってどこなんだろ?」 美香「そこ一番重要なとこじゃん!?    すっかり忘れてしまっていたわ・・。    3年生だけで100はいるのよ!    この広さから場所を特定するだけ    でもかなりの時間がかかる・・」 雪鳴「私、たぶん分かる・・」 美海「ほんとっ!?でもなんで・・?」 雪鳴「外から見た時に2階の一番左側に    一つ小さい窓が見えたの。たぶん    そこに監督の部屋があると思う」

美香「雪鳴、あんた思ってたより    できるじゃない。見直しちゃった」 雪鳴「そんなことないよ・・。    偶然だから」 美海「じゃあ、あの扉の向こうに    2階に続く階段もあるはずだから    そこから監督の部屋に向かおう!」 3人オォー!!    それから3人は部屋を抜け廊下に出る。    周りを見渡すと予想通りの暗黒では    あったのだが、運の良い事に    なんと丁度ちょうどまえに2階へ続く    階段があったのだ。    廊下の先を見ようにもあまりに距離が    ありすぎてどこまで続いてるのか    分からない中、階段をすぐに発見    できたのは幸運なことである。

   そして階段を上りだす美海達。    だが、3年生用ということもあり    一段一段があまりにも巨大なため塀を    よじ登るような感覚で上り続けていた。 美海「これ先輩だと絶対に登れもしないし    降りれもしないよね・・・。    仮に部屋から脱出できたとしても    外に出るなんて無理そう」 美香「脱出とか言ってるけどさ、    なんで先輩が脱出すると思って    るわけ?別に逃げ出す理由は    ないと思うんだけど」 美海「それは先輩に危機が    迫ってるからよ!!」 美香「危機って何のこと・・?」 美海「私この目で見たもん!!    監督が先輩を押し倒してるところを!    もちろん性的な意味でね」 美香「えっまじ・・・?」

美海「あんな淫乱監督なんて知らなかったわ。    このままだと先輩が何されるか    分かったもんじゃない!!    だから私が会って助けないと」 美香「そんな一面があったなんて‥。    いつもクールぶってたけど確かに    先輩と初めて会った時、明らかに様子    おかしかったしなぁ。美海が言ってる    ことも間違いではなさそうね」 雪鳴「でも、もしそうなら    外に出すのってまずいんじゃ?」 美海「知らないわよ、そんなこと    そのときはその時!」 美香「まあ最初に先輩に状況聞いて    大丈夫そうならそのまま、    外に出たいと言えば一時的に逃がして    あげて監督が帰ってくる前に    部屋に戻しておけば大丈夫でしょ」 美海「えっ・・でもそれじゃあ    結果的に監督に襲われることに」 美香「それはもう仕方ないって。    無事かどうかだけでも分かれば    今はいいでしょ」

   それから、巨大な数十段もの    階段を登り切る美海達。    疲労がこれだけでだいぶ溜まって    いるが、ここから更に2階奥まで    進まなくてはならない。    疲れながらも彼女達は今までの    苦労を無駄にしない為にも    何とかその足を監督の部屋だと    思われる場所まで運ばせる。    すると、先頭を切っていた    美香が突然立ち止まる。 美香「ちょっと待って!!    誰かいる・・・!?」    一番最初に奥に誰かの気配に    気付いた美香は後ろの二人に    小声で奥にいる人物の存在を伝える。    一気に緊張感に包まれる中、    美海が一歩踏み出しその誰かに    声をかけた。 美海「だ、誰・・?」

NEXT