GTS48 02

「ルピスさんの…家で?」
 「はい、家に帰ったらお風呂に入る予定でしたので、よろしければご一緒にと…」
 タンクトップを着直したルピスはそう答えると、元々はワゴン車5台に加え諸々の家電製品だった、ボーリング玉サイズにまで圧縮された数10tはある鉄塊を口元に近付けた。
 その巨大な口からすれば、鉄塊はまるで米粒のように見えてしまう。
 ルピスは、茫然としながら自分を見上げている尚人の姿を見て、満足そうに優し気な笑みを浮かべると、一瞬で鉄塊を吸い込んだ。
 「ん…あまりおいしくないですが…とりあえずこれでお掃除は完全に終わりですね」
 一応味わってみたのか舌先を少し動かした後に残念そうに感想を述べると、ルピスはいまだに茫然としている尚人に向かって身体を前に倒した。
 タンクトップから今にも零れ落ちそうな、巨大な双球の膨らみが尚人の真上にまで落ちてくる。
 重々しく、ド迫力で揺れる巨人のルピスの爆乳。
 地球人の尚人からすれば巨人の女性だということだけでその胸の大きさは途轍もないのに、ルピスの星の中でも大きすぎるというその膨らみ。
 その巨大な膨らみが持つ凄まじい重量に、身体を前に倒すだけで起こる風圧で周辺には土埃があがり、尚人はよろめいてしまう。
 「尚人さん…私と一緒にお風呂は…嫌ですか?」
 少し潤んだルピスの大きな瞳が、尚人を見下ろす。
 まるで叱られた子犬のような心配げな表情に、それまでまるで呆けていた尚人の表情がハッとしたものに変わった。
 「嫌じゃないですです!」
 精一杯の大きな声で、グッとルピスの瞳を見つめ返しながら、尚人は叫んだ。
 「僕だって、ルピスさんと一緒にお風呂入りたいです!」
 冷静に考えると叫んだ内容は心底間抜けだが、これは本心の叫びだった。
 ここまでストレートに好意を表現してくれるルピスに、全力で答えたい。
 その想いだけで尚人が叫ぶと、ルピスの表情はいつもの笑顔より嬉し気で、薄っすらと朱に染まったものへと変わる。
 「尚人さん…」
 「だからルピスさん、僕の身体を、その特等席に運んでくれませんか?」
 尚人にとっての特等席、それはここに来る時にも挟み込まれた、ルピスの巨大な胸の作る深い谷間の中。
 そんな要望に嬉しそうに微笑みながら、ルピスは慎重に尚人の身体を摘まみ上げると、身体を起こしてその胸元へと滑り込ませた。
 「ふぅ、やっぱりここは程よく柔らかくて、とっても気持ちいいですね」
 「ふふっ、ありがとうございます。それでは尚人さん、家までお運びしますから、私の胸の中でゆっくりくつろいでいてくださいね」
 ルピスはそう告げてゆっくりと立ち上がると、地響きを山々に木霊せながら歩みを進めた。
 
 粗大ゴミを処理した場所から10㎞程離れた場所。
 ルピスの家は、周囲に電車もバスも走っておらず、人気のない、500m級の山々に四方を囲まれたそんな山間に作られていた。
 実は尚人が異星人の受け入れに立候補したことの一つに、この土地の事があった。
 祖父から田んぼを引き継いだ際に一緒に譲り受けた山々だったが、人手不足から手入れも出来ず、ただ木々が生い茂るだけの無価値な山でしかなかった。
 そのため、維持しているだけでも金銭的な負担になっていたのだが、ルピスの受け入れ先になったことでこの土地も国が借りてくれる事となり、多少だが収入を得る事が出来るようになった。
 また、それ以外にも恩恵があった。
 異星人受け入れの候補地となった際、国が地質調査を行ったところ、なんと温泉が湧き出たのだ。
 それにより、一気にルピス受け入れの有力候補へと変わった。
 食事はほとんどとらず、水と光があれば成長するルピス達にとって、温泉という地球の文化には深い興味があった。
 ただ、ルピスの巨大な身体が浸かれるような温泉施設もないため、体験することは難しいと考えられていたのだが、その問題が一気に解決したのだ。
 おかげで無事受け入れの土地に決まり、土地の価値も当初より多少上がった。
 まぁ、立地が立地だけに温泉街になるわけでもないため、その後の有効利用は難しいかもしれないのだが…
 
 「尚人さん、着きましたよ」
 ルピスの声に、尚人は微睡みからゆっくりと目を覚ました。
 時計を見ると、まだ数分しかたっていない。
 「あ…ごめんねルピスさん、あまりに気持ち良かったから、つい寝ちゃって…」
 「ふふふっ、気にしないでください。むしろ寝てしまうぐらい気持ちよかったと言ってもらえて、私は嬉しいです」
 尚人は、見下ろすルピスの笑顔に、恥ずかしそうに顔を赤らめながら苦笑いを返した。
 「ここは尚人さん専用のおっぱい布団ですから、使いたい時は遠慮せずに言って下さいね」
 「僕専用ですか…」
 「はい、おっぱいだけじゃなくて、私の全身全て、尚人さん専用です♪」
 「ぜ、全身!?」
 「はい♪尚人さんが希望されれば、この全身で癒してあげますし、もし破壊ショーを見たいと言われれば、全身でどんな物でも壊して見せます♪」
 にっこり微笑みながらとんでもないことをいうルピスに、尚人はついその姿を想像してしまう。
 
 都会のビル群を、その圧倒的なまでの巨体によって蹂躙していくルピスの姿。
 「んっ…やっぱり地球の建物は脆いですね」
 進行方向にあった高層ビルが、はち切れんばかりに突き出されたルピスの爆乳によって薙ぎ倒される。
 「電車というのも…柔らかすぎて簡単に潰れてしまいます」
 走っていた電車を簡単に摘まむと、10両以上あった車両を無造作に折り畳み、爆乳の谷間へと押し込んだ。
 メリメリメリ…
 少し奥まで押し込まれただけで、電車は飲み込まれ、押し潰され、単なる一枚の金属板へと形を変えてしまう。
 「ふふっ、では少し疲れたから、座って休んでみますね」
 疲れなど全く見せていない余裕の表情でそう告げてゆっくりとその場に座り込むと、真下にあったビル群もまた超重量を誇るルピスの巨尻によって、残骸すら残らずクレーターとなってしまう。
 「あらあらあら…地球の建物は私がちょっと動くだけで、簡単に壊滅してしまいますね」
 本人にとってはほんの戯れでしかない行動で、一つの都市を壊滅させてしまったルピス。
 周囲に残された瓦礫の山を満足そうに見据えると、次なる獲物を求め移動を開始した。
 
 「尚人さん?」
 ルピスの声に、尚人は我に返った。
 どうもルピスと出会って以来、とんでもない妄想をすることが増えていた。
 本来、尚人は自分を現実主義者だと思っていたのだが、ルピスのようなこれまでの自分の常識を破壊する非現実的な存在が身近に現れたからなのか、自分らしくない行動が増えてきているように思った。
 ただそれが悪いかといえば、むしろ心地よく感じてきていた。
 ルピスとの出会いは、それだけ尚人にとっても衝撃的なものだった。
 「尚人さん?」
 「あ、すみませんルピスさん。ついまた考え事をしてました」
 再度のルピスの問いかけに、尚人は慌てて言葉を返した。
 そんな尚人をルピスは心配そうに見つめるが、重ねて尚人が大丈夫であることを告げると、納得したのかいつもの笑みを浮かべた。
 「大丈夫なら良いのですが、何かありましたら相談してくださいね。それより、家に着きましたから…まずは入りますね」
 「あ、はい、お邪魔します」
 移動中、危険なため尚人はルピスの胸の谷間から出られない。
 そのため視界はルピスの着るタンクトップに覆われていて、目の前の景色を伺い知る事が出来ない。
 そんな状態の中、ルピスはドアを開けると室内に入っていく。
 ルピスの星の技術で建てられたため、人類のありったけの兵器によって攻撃しても煤一つ付けられないという堅牢さを誇る建物内を移動すると、ルピスの足が止まった。
 「尚人さん、着きましたので一度ここから出しますね」
 胸元に伸ばされたルピスの指先に優しく摘ままれると、尚人はようやくその巨大な胸の谷間から解放された。
 「ここがルピスさんのお部屋ですか…」
 テーブルに乗せられた尚人が部屋を見渡すと、そこに広がっていた光景は予想外なものだった。
 「えっと…可愛らしいお部屋ですね」
 薄いピンクを基調とした壁とベットに、デフォルメされた熊のぬいぐるみや、ファンシーなキャラクターが散りばめられたクッション、可愛らしい小物などが置かれている。
 「あら…だって、地球のデザインって、とても可愛らしいものが多いですから…私の星は、機能性ばかり求めていてこういった文化があまりないんです」
 頬を染めて恥ずかし気に、ルピス呟く。
 「あの、やっぱりこんな私が可愛い物が好きなのはおかしいですか?」
 そんな、巨大で、圧倒的な力を誇る存在なルピスが見せる可愛らしい姿に、尚人はつい口元を綻ばせた。
 「僕はそんな可愛いルピスさんが好きなんですから、いいと思いますよ」
 「あらあらあら…尚人さんったら、意地悪なんですから…」
 可愛いと言われ、一層頬を赤らめたルピスは、照れ隠しなのかテーブルに立っている尚人の目の前に、その巨大すぎる爆乳を振り降ろした。
 ズズズズズンンンン………
 流石は宇宙製、ルピスの爆乳爆撃にも壊れずに堪えている、が、途轍もない振動が尚人をひっくり返した。
 ルピスとしてはもちろん手加減して振り下ろしただけなのだが、尚人が体験したこともない大地震級の揺れが起こったのだ。
 「あ…だ、大丈夫ですか、尚人さん…」
 「ははは、大丈夫です。ルピスさんの彼氏なんですから、これぐらい乗り越えないといけませんからね」
 ぺたりと尻餅をつきながらも、尚人は笑顔を返した。
 そんな不格好ながらも微笑んでくれる尚人の姿に、ルピスもまた嬉しくなったのか、いつもの優し気な笑顔を返したのだった。
 
 「それでは尚人さん、お風呂場に行きましょう」
 だいぶ慣れた手つきで尚人を優しく摘まんで掌に載せると、ルピスは浴室へと向かった。
 きれいに整頓された脱衣室に入ると、ルピスは尚人を洗面台に乗せた。
 「あの、私は服を脱ぎますから、尚人さんも…」
 「はい、お風呂に入りますから、ね…」
 お互い顔を赤らめながら服に手を掛けると、恥じらいごと脱ぎ捨てるかのように勢いを付けて服を脱いでいく。
 そしてほぼ同時に脱ぎ終わると、お互い相手に視線を向けた。
 (ルピスさんの身体…やっぱり凄い…)
 全てが露になったルピスの姿に、尚人の心拍数が跳ね上がる。
 特にその巨体の中でも、暴力的なまでな巨大さを誇る爆乳が身体を動かす度にブルンブルンと重々しく動く姿と、胸程ではないがこちらもかなりのボリューム感を誇る肉付きのいい巨尻が、異様なまでの艶めかしさを感じさせる。
 (尚人さんの身体…小さくて可愛いのに、とても引き締まっているんですね…)
 一方ルピスも、まじまじと視線を尚人に向けていた。
 農業をやっているからか、小柄ではあるが引き締まった尚人の身体に、いけないと思いつつもどうしても魅入ってしまう。
 「………ルピスさん?」
 「あらあらあら…私ったら、つい尚人さんに見惚れてしまいました♪」
 名前を呼ばれ、微笑みながら赤らんだ頬に手を当てて恥ずかしがると、ルピスは胡麻化すかのように慌てて尚人を摘まみ上げた。
 そしてそのまま、浴室への扉を開けると、尚人の視界には湯煙が上がる全長300mはある湖のような湯舟が広がっていた。