三角関係 服用

幸次は今日も仕事へ向かいます。
いつもと変わらない時間に起きて
顔を洗い、歯を磨き、髪を整え、服を着替え
朝ごはんも軽くすまして出掛ける時間となりました

玄関からトラックの駐車場まで歩いていると
「あら、幸次おはよう、今日もお仕事に出掛けるの?」
いつものように空から声が降ってくる。
「おはよう、綾子。いつもの様に仕事に行くよ。僕はこの仕事が好きだからね。」

笑顔で話をするが表情は何処か寂しい。。。
「そうなの。でも残念ね。その仕事も今日で最後なんでしょ。。」

綾子は知っていた幸次が行っている仕事が今日終わることを
「でも、まだ仕事はあるさ。。。」

あれだけ活気のあった会社だったが半年前に巨大女が会社を買収しました。
今や小さな男達の会社など巨大女の半年の給料以内で買えてしまいます。

「ほんと、何でそんなに働くのよ。」
「仕事も好きだし、この家を守るためさ。約束したのさ小枝子と・・・」
「なんで小枝子は大きくなったのよ!!そうでもなきゃ幸次を奪ったのに!!」

不満顔の綾子が発した声量に、幸次を尻餅を付いてしまいました。
でも幸次はホッしていました。

あの時の行動は間違っていなかったと・・・・・



沙織からもらった薬は晩御飯の料理に混ぜて毎日小枝子に服用させました。
小枝子が気付いたのは、2日くらい後でした。
数か月前に購入したブラが着れなくなったと幸次に言ってきました。
幸次は白状しました。

しかし小枝子は怒りませんでした。
それからは小枝子自身の意思で服用し始めました。
1ヶ月も経つと小枝子はこの家に住めないくらい大きくなりました。
一先ず巨大女用のアパートに明日から住む事になりました。
その二人でこの家に過ごす最後の日に

「幸次・・・実は私ね、幸次が豊胸剤をご飯に混ぜたこと知ってたの」
「えっ・・・」
「あの日沙織に私もあったのよ。いろいろ聞いたわ。そんな後に幸次が思いつめた顔で
私がご飯を食べてる所見てたから・・・沙織の話を聞いてから私も服用しようと思ってたのよ
でもちょっと怖いの・・・あんな可愛らしかった綾子でも横柄な態度になったんだよ。
巨大化すると性格が変わるみたいだから・・・大きくなって幸次の事を愛せなかったら・・・どうしよう」

不安そうな顔になる小枝子の顔をみて幸次は
「本当に悩んだよ。小枝子が望んでない事をするのは、でも生きてく上で仕方ないのかなって
でも今は小枝子が理解してくれて嬉しいよ。もし巨大化して小枝子が僕の事愛してなくっても
僕は一生愛し続けるから・・・」
ちょっと涙声になりながらも必死に話す幸次に小枝子は幸次を抱き寄せました。
3mを越えた小枝子にとってはあんなに大きく逞しかった幸次は今では可愛く華奢に見えるのです。
幸次も小枝子に必死に抱き付きましたが大きな体に身を寄せているだけになっています。

「明日からちょっとの間会えなくなるけど、この家を守ってね。私の実家なんだから」
「もちろんさ、もう入れないかもしれないけど綺麗に掃除しておくよ」

幸次は立ち上がり
「さぁー僕は仕事に行ってくるからね。」
トラックに乗り込みエンジンを掛けます。
出発しようとアクセルを踏み込む少し前に出た所で急に辺りが暗くなりました。
幸次は綾子がまたイタズラするのかと思い、ブレーキを踏み窓から顔を出して見上げました。

「あら、幸次、今からお仕事なの?」
発せられた声はその場の空気を一瞬にして吹き飛ばすような破壊力がありました。
トラックもガタガタと少し動いています。

小枝子でした。
巨大女用のアパートに入ってから連絡は取ってましたが逢う事はありませんでした。
それが突然今日帰ってきたのです。
しかも巨大女の中でも大きくなってもまだ巨大女が成長期に着るビキニ姿でした。

「小枝子なんでそんなに大きいのよ!!」

「あら、綾子お久しぶりね。なんかよく分からないけど凄い確率でここまで大きくなる人がいるみたいよ。
この辺だと私が始めてみたいだけどね。これだと綾子との差なんて二人とも豊胸剤を飲む前より大きくなったわね」

80mの綾子には、180mの小枝子は2倍以上の大きさです。

綾子が爪先立ちで見上げてるのを小枝子はそっと屈み込んで頭を撫でています。

「でもね。まだ大きくなってるのよ。こんな大きくなっても成長が止まらないのは始めてらしいわよ。
人類初の200mオーバーは確実みたいよ」
あれだけ大きくて恐怖を感じていた綾子が小さく見えてしまうほどに大きくなってしまった小枝子に
幸次はトラックの中から見上げるだけで呆然となるとブレーキが緩んでしまい、
トラックが動き始めますが幸次は気付いてません。
一番早く気付いたのは小枝子でした。
「あら危ないわよ。」
小指をトラックの前に出すと小指に当たりトラックが止まる。

「まったく幸次が望んだ事よ。そんな顔で見ないでよ。」
突然突き出された小指に幸次はトラックが潰されると思い、反射的にドアを開けてトラックから飛び降りました。
実際にはトラックを止めるためにそっと小指を突き出してトラックを止めただけでした。

幸次はトラックから飛び降りた時に転んだ状態で小枝子を見ていました。
「ありがとう。まさかトラック動いてるなんて思わなかったから」
それぐらいしか声が出ませんでした、幸次の視界は小枝子の笑顔しか見えてなく魂が吸い取られそうでした。
「でも大丈夫だった?足とか挫いてないの?」

「なんとか大丈夫だよ。さっ仕事に行かないと・・・始めての遅刻だな。。。。」
節々がちょっと痛むが笑顔で返してトラックに乗り込む。
「うん頑張って来てね、仕事終わったら連絡頂戴。今後の事色々話したいことがあるから」
に幸次が分かったと言わんばかりにドアから手を振っています。
「じゃ指退かすよ。。気を付けてね。」

フロントガラス一杯に広がっていた指紋が取り除かれると幸次はアクセルを踏み現場に向かいました。


「今日はね。綾子に相談があって来たのよ。」
「何よ。」
小枝子は綾子の方を向きました。
綾子のスタイルは服用前では小枝子には完全に負けていました。
でも服用し巨大化した綾子は、小枝子など取るに足らない存在でしたが
巨大化した小枝子に綾子は尻込みしてしまう位の差をつけられていました。

「さっき人類初の200mオーバーとか言ったけど今の成長度合いから行くと500m近くまで大きくなるの
でね、そんな巨大女がウロウロされたら綾子みたいな小さな巨大女でも困るでしょ
だから、この街周辺しか行動が出来ない様に制限されるの」

「それがどうしたのよ。私と何が関係あるの?」
「行動が制限される代わりに、この周辺は私の土地になる事が決まったのよ
だから綾子にもこの家を出て行って貰わないといけないの」

「そんなの何かの間違えよ!!」
綾子は幾度となく幸次と小枝子の家の土地を奪おうとしていましたが
まさかその小枝子に自分が今まで積み上げてきた家を奪ってくるとは思いもしませんでした。

「綾子がそうやって言うのも仕方ないわ。折角ここまで綺麗に仕上げたお庭を手放すなんて
だからねここから相談なんだけど・・・私の使用人にならない?
もちろん表向きよ。親友にそんな思いはさせたくないけど、私サイズの家を建てようとすると
誰かが出て行かないといけないの・・・その時に優劣つけられると場が悪いじゃないの
だから最善かなと思って・・・」

申し訳なさそうな顔の小枝子を綾子は
「・・・分かったわ。あなたの使用人になればいいのね。」

「ホント!!良かったわ!!綾子がそう言ってくれて助かるわ。ほんとずっと悩んでたのよ。
いつも私たち一緒だったから出ていけなんて言えないし」

小枝子の笑顔に綾子はいろいろ考えてしまいましたが小枝子の今の言葉が本心なんだと
綾子は巨大女になって性格が変わったことは自分でも自覚していましたが、仕方ないことだと思っていました。
でもそれは間違いだった事を小枝子の表情を見て気付きました。