三角関係 女子会

綾子は庭の手入れをしていました。
「綾子元気にしてる?」
「あら、沙織じゃないのどうしたの?」
沙織は綾子と小枝子の高校同級生で綾子と同じ時期に巨大化しました。
「ちょっと近くに寄ったから」
「あら、そうなのだったら紅茶淹れるから飲んでってよ」
綾子は庭のテーブルに紅茶を用意しています。

「ずいぶんと手入れの行き届いたお庭ね、特にこの桜が綺麗だわ」

お庭には多くの桜が満開でした。ピンク色の絨毯のように咲き乱れています。
桜はコツコツと綾子がこの周辺から抜いてはここに移動させたらしく
今では数万本近くあります。

「まぁそんなこと言ってくれるの沙織だけだわ。桜をこれだけ集めるのいろいろ大変だったから」

ティーカップに紅茶を入れて持ってきました。既にクッキーは用意されており、ティータイムが始まります。

「最初はこの区画の桜を集めてきたんだけど少なかったから隣町の堤防に生えてる桜を取りに行ったわ
そうしたら、小さい人たちが反発するの」

その堤防は、昭和初期に血気盛んな男たちが大正元年から20年近く掛けて水路工事を行い完成させたものです。
その記念に地元出身の政治家が川の両岸に約12000本の桜を植樹し、「万楼堤防」という呼び名で親しまれてます。

「それは怒るでしょう。あそこの桜有名だもの」
「私たちの大きさだと桜ぐらいがタンポポみたいなもんでしょ。それ以上小さいと扱いずらいでしょ」
「それじゃ根こそぎ持って来たの?」
「桜の根を痛めない為にも堤防ごと持ってきたわ」
「まぁその街の人大変じゃない」

1週間も掛からない間に桜ばかりでなく堤防ごと持って行かれた住民の気持ちを綾子に説明しようとしましたが
「そんな事より紅茶が冷めちゃうよ」
沙織は綾子の言葉に説明は無駄そうなので言うのを止めました。

「あっそういえば、この前沢山の小さい人たちが家の前で何かしてみたいたけど、この桜の事だったのかな?」
「まっそんな事あったの」
「でも水撒きしてる最中だったから、いたずらで水掛けたら、そのまま静かになったからすっかり忘れてたわ」
堤防を持って行かれた街の人達は、綾子に堤防の再建を手伝って欲しいと言うお願いに来ていました。
でもその思いを伝えられないまま、巨大なホースから降り注いだ大量の水に押し流されました。
仕方なく1週間で持っていかれた堤防を3年以上かけて修復する事になりました。


「そういえば夜逃げしちゃった岡本さんの土地結局どうなったの?」
「昨日家とか取り壊して更地にしたわ、隣の佐藤さんの家も含めて」
「あら、結局売ってもらったの?」
「いいえ、勝手にやちゃったわ・・・・」
「そんな事して岡本さんも佐藤さんも帰ってきたらどうするの?」
「まさか帰って来るとは思えないけど帰ってきたら話し合いするわよ。もちろん押し切るけど」
話し合いと言っても巨大な女たちは、仁王立ちで足元にいる小さな男を見下ろして交渉します。
小さな男たちがどれだけ正しくても巨大な女達は全く話を聞いてくれません。
それどころか笑顔で小さな男の真横で足踏みをしてズシンズシンと言う地響きで威嚇します。
小さな男の中には銃を打ったり刃物で刺そうとしましたが全く効果が無いどころか
巨大な女に摘まみ上げられ殺人未遂として巨大婦人警官に引き渡されます。

「沙織こそ最近どうなの?まだ奴隷がいっぱいいるの?」
「まっ奴隷だなんて失礼ね。執事よ。今は100人くらいかな」
「そんなにいるの、大変じゃないの?」
「そんな事ないわよ、掃除とか洗濯とかやってくれるから助かってるし
真面目だしお皿とかコップとか洗う時に全身ベタベタになりながら洗う姿は可愛いわよ」
「お給料は払ってるの?」
「私の執事ってホームレスばかりなの。お金よりも食料みたいだから私が作った料理を分け与えるだけでいいの
100人いても私の一口ぐらいだから経済的でしょ。」
「案外沙織悪い事してるわね」
「何言ってるの、社会貢献よ」
綾子と沙織の笑い声は静かで広大な庭に響き渡る。

「そういえば小枝子とは仲良くやってるの?」
沙織が小枝子の話をすると綾子は少し顔が曇りました。どうやらあまり良くないと沙織は察しました。
「最近、顔も見えないわね。元気でやってるのかしら・・・」
「そんなこと言わないでお隣さんなんだから仲良くしないと」
「小さいからよく見えないだけかもね・・・」
沙織がフォローしてる事が分かったので綾子も笑顔で返しました。

「ほんと早く小枝子も大きくなればいいのに」
沙織は広大な庭の向こうに見える小さな小枝子の家を見ていました。
最近では女性が巨大化しない割合は減ってきています。
やはり社会的な地位は巨大女の方が上になっているからです。

「小枝子は少し変わってるから仕方ないわよ」
「そうね昔から少し天然だったもんね」
沙織が付け加えると綾子は再び神妙な顔になりティーカップを見つめる

「幸次、今だったら私を選んでくれないのかしら・・・・」
綾子・小枝子は同じ短大を卒業し同じ会社に就職しました。
そこに幸次はいました、1年先輩でしたが毅然とした仕事ぶりに綾子は恋心を抱いていました。
しかし、親友の小枝子と付き合い始めました。
親友が自分の好きな男と付き合ってるのは複雑でした。
でも綾子は小枝子の女性らしい魅力も知っていました。
一緒にお風呂に入っても小枝子のあのスタイルには勝てるとも思えないかったし
本当に天然でその性格は男性を魅了していたからです。
完敗でした・・・・

もともと綾子は身長150㎝で小柄で胸もペッタンコで一見すると小学校高学年のようでした。
逆に小枝子は身長177㎝でバスト110㎝でウエスト58㎝とヒップ92㎝と男性が尻込みするぐらいスタイルで
特にバストはLカップと巨乳アイドルを凌駕していました。
小枝子と並べるのは社内でも身長188cmのモデルの様な幸次しかいませんでした。

綾子は豊胸剤が発売された時に誰よりも早く購入し服用し始めました。
幸次に振り返って貰いたかったからです。
色々な成長剤を服用してきましたが効果が出ませんでしたが、この薬は効果がすぐに現れました。

1ヶ月も経たない間にバストは95㎝まで大きくなり女性らしい肉付きにもなりました。
しかし幸次と小枝子は既に婚約をしていました。
1年前に豊胸剤が出てれば・・・と少し悔みましたがそれでも親友の結婚にエールを送りました。

服用してから1ヶ月経つと綾子の体は小枝子を越えていました。

身長は198㎝バスト135㎝でウエスト65㎝とヒップ101㎝となりました。
女性の中でも話題になり、そろって服用を始めましたが小枝子は今のままで十分と服用はしませんでした。
幸次も綾子の変化にはビックリしていました、今まで身近で自分よりも大きな女性を見たことが無かったからです。

1年後幸次と小枝子は結婚式を挙げました。
綾子と沙織は結婚式への出席は断りました。
もうこの時には今と同じ大きさになっていて到底式場には入れなかったからです。
ただ、式場の外で2人でずっと見守っていました。
すると式場のバルコニーから幸次と小枝子が出て来てくれました。

小枝子の赤いウエディングドレス姿は、どんなモデルよりも綺麗でした。
幸次のタキシードは長身を生かした純白で他の男性には無いオーラでした。

誰もが憧れるカップルなはずですが綾子・沙織の大きさになるとお人形さんの様に小さいのです。
バルコニーから笑顔で見上げる幸次と小枝子の姿に綾子は
『やっぱり私幸次が欲しいわ・・・もう小枝子に負けるところなんか無いもの』
と笑顔で手を振る心の中で思っていました。