巨大女子相撲部

   そして、僕たちは    道具倉庫へ向かい始めた。    二崎さんと瑠璃に挟まれる形で    間を僕が歩いていた・・・。    普段2年生と一緒になる    こともそうないので    間に挟まれて歩くのは    ちょっと怖い・・・。    それに、今は逃げようにも。 筑井「なんで僕にロープ巻いてるの・・?    まるで犬じゃん・・・・」 瑠璃「さっき先輩逃げ出したじゃ    ないですか!! だから逃げられ    ないようにリードつけてるんです!    今の先輩は犬と同じですよ」 筑井「・・・・・・。    いや、逃げないって」 二崎「信用できません」 筑井「二崎さんまで・・・」

二崎「先輩、道具倉庫に行く理由そろそろ    教えていただけませんか?」 筑井「あぁ、そうだったね    えっと、かくかくしかじかで・・」    筑井は、ナナの情報を二崎に伝えた。    いつも美穂と一緒にいる彼女なら    何かいい情報を教えてくれるのでは    ないかと思ってのことだ。 二崎「先輩も、ほんとお人よしですね…。    それが先輩の魅力だと思いますが」 二崎「ただ、美穂の邪魔をすると言うなら    賛同しかねる部分もあります」 瑠璃「だったら、あんたも美穂側なんだ!    先輩!今こいつは、協力する気ない    みたいですよ。 絶対一緒じゃ    ないほうがいいです!」 二崎「そんなこと先輩なら話す前から    分かってるでしょ。 それでも、    ここまで話してくれたのは    私を信用してくれてるから…。    そうですよね、先輩?」

筑井「うん。二崎さんが美穂さんと    仲良くしてるのはよく知ってるし    たぶん、美穂さんの意思を汲み取るだろうと    予想はしていたけど・・・」 筑井「ただ、二崎さんなら僕たちに    協力してくれるんじゃないかなって    なんとなくだけど・・・」 二崎「先輩って、案外無鉄砲なんですね。    慎重な方かと思っていましたけど」 筑井「僕だって男だ。いざって時は動くさ。    いつまでも慎重になってたら、    助けられるものも助けられないし」     瑠璃「女子相撲部なんですから    先輩は、半分は女ですよ。    まあ、私はちゃんと男性として    見てますけどね、せ・ん・ぱ・い♡」 二崎「お前は黙ってろ・・」

   歩きながら、二崎さんは    昨夜のことについて、話をしてくれた。    警備をしていたこと、そして    美海たちが訪れていたということも。 二崎「ナナという人物についてですが    美穂と私は監督から前もって    少しの情報だけ聞いていました。」 二崎「彼が来るということ、そして先輩と    接触させるな…。監督に言われたのは    それだけで、それ以上は何も・・・」 二崎「監督に、聞きたいことは山ほどありますが    おそらく何も教えてくれないしょうね」 二崎「美穂もそれは分かってると思います・・。    だから、奴から情報を無理矢理にでも、    聞き出そうとするはずです」 二崎「そうなれば彼は間違いなく    無事ではすまないでしょうね・・」 筑井「また、監督が関わってるのか・・。    変なこと企んでなきゃいいけど」

二崎「ただ、美穂が彼から情報を聞き出せた    としたら、それはそれで危険というか…。    監督も私たちを守るために、詳細を    話さなかったのかもしれませんし・・」 二崎「万が一美穂が、知ってはいけない    情報まで知ってしまい、誘拐犯を    送ってきた連中に目を付けられないか・・、    それが私は心配なんです。」 瑠璃「ちょっと考えすぎじゃない・・?」 二崎「本来なら私たち以外出入り禁止の    この区域に侵入して、誘拐を行う    ような連中よ、法を無視する    ような相手が危険じゃないわけない」 二崎「だからさっきは美穂の意思を尊重したいとは    言いましたが、本心は美穂を止めたいと思ってます」 瑠璃「でも、知ってはいけない情報ってのを    美穂が知るようなことがあっても    誘拐犯の 身柄をこっちで 拘束しとけば、     知ったことを知られることもないんだし、     そんなに 気にしなくていいんじゃない?」

瑠璃「その連中?ってのが来るかもしれないなら    人質としても使えそうだし」 筑井「ひ、人質って・・・    さすがに可哀そうだと思うんだけど・・」 筑井「僕は彼に助けてもらった立場だし    利用するような真似はさせられないよ・・。    それに彼に人質としての    価値があるかも分からないわけだし」 二崎「そうですね、こういった潜入を行う    人間に関しては 人質としての価値が    ないものと 考えた方がいいでしょうね。    彼を使っての交渉も、たぶん不可能」 二崎「私たちの情報を極力渡さず    彼をもとの場所へ帰すのがおそらく    今取れる最善の手だと思うわ」 筑井「・・・・・・・」    その時、筑井は二崎の意見に黙ってうなずいた。 二崎「先輩のお人好しぶりには、    ちょっと心配に、なりますが    ここから逃がすことで問題なさそうですね」

瑠璃「先輩って下級生に心配ばっかり    されてますね」 筑井「・・・・」(たしかに・・・) 瑠璃「そいつも十分苦しんだでしょうし、    すぐ逃げ帰るでしょ!」    ナナさんを救えそうで 良かったけど    はたしてこれで、良いのだろうか・・?    極力情報を渡さずとは言っていたが    もしも、その情報をすでに手に入れてて    彼を帰すことになってしまえば    それもまずいんじゃないか・・・・。    筑井は得体知れぬ、敵に漠然とした不安を    募らせていた。言ってしまえば 優柔不断。    だから、今の彼はこう考える    しかなかった。人助けができるなら、    それでいいじゃないかと。    そして、しばらく歩き1年寮前の    道具倉庫に着いた。普段、道具の    準備は1年生が担当しているらしく、    それで1年寮前に建てられたらしい。    時計があったので時刻を確認すると    早朝の5時頃。 7月と言うこともあり    すでに日が昇り始めていた。

二崎「彼がいるかは分からないけど    ここにいれば逃がしましょう。    美穂がいた場合が一番厄介ね…」 瑠璃「説得すれば、分かってくれるよ !    ここに彼を残すのは部員達に    危険が及ぶ可能性があるって言えば、    美穂も考え方変えるでしょ」 二崎「それもそうね・・、じゃあ開けるわよ」    道具倉庫の扉が開く。    扉は1年生用と2年生用、そして3年生用の    サイズがそれぞれ準備されており    二崎は2年生用の扉を開けた。    彼が無事でいてくれればいいが    美穂さんが あの場を離れてから    しばらくの時間が経過している。    すでに拷問にでもかけられてるんじゃ・・    心中でいろんなことを考えながら    道具倉庫の中を確認する・・。

瑠璃「やばっ! 先輩隠れて!?」    そう言うと、瑠璃がロープを引き上げ    自身の胸の中に筑井を放り込んだ。 美海「お、おはようございます!    あれ?  先輩方?    どうされたんですか… こんな時間に?」    中にいたのは、美海達だったようだ。    美海達の角度からだと、胸に挟まれた    僕はどうやら見えていないようだ。 二崎「あなたたちこそ、こんな時間に    な、 なにしてるのよ…」 美香「私たちの部屋が、今日の朝練の    当番なので準備してただけですよ」 瑠璃「普通6時からでしょ・・・?!    早すぎじゃない?」

美海「先輩を助けるためです!    昨日の部屋にもう一度行く時間が    欲しいので先に準備してました」 瑠璃(先輩は今ここにいるんだけどね…) 瑠璃(先輩の存在に気づかれたら    とやかく事情を聞かれそうだし    気づかれないようにしないと)    筑井は瑠璃の考えをすぐに    理解し、1年生たちに存在が    ばれないよう気配を消していた。 雪鳴「先輩方はどうしてこちらに・・?」 二崎「私達は、監督の命令で    道具の準備を頼まれたから    ここに来ただけよ」 瑠璃「断食強制ヘルメットなんだけど    どこに置いてたっけ?」

美海「それなら私が持ってきますよ!    先輩たちは待っていてください」 二崎   「あぁあ!!!いいから!いいから!」 瑠璃 二崎「わ、私達で取りに行くから大丈夫よ…    あなた達は朝練の準備続けてなさい」 二崎(この馬鹿デブ…何考えてんのよ…⁉) 瑠璃(場所忘れてたんだから仕方ないでしょ!) 美海「・・・?    わ、分かりました?」 美香(美海…?なんか変じゃない?    先輩の部屋で監視してたはずの    二崎先輩が、私たちが行こうと    してるのを止めないなんて・・) 美海「どうせ無理とか思ってるんじゃない?」 美香「そうかなあ・・・?」

二崎「さっさと行くわよ!瑠璃」 瑠璃「ちょっ!?引っ張るなデブ眼鏡!!」 1年「・・・・・・・」    二人は道具倉庫の奥へと    姿を消した・・・・・。    その後、しばらく立っても    1年生3人は何故か皆動かない・・。    理由はというと・・。 美海「デブ眼鏡・・ だって…」クスクス 雪鳴「笑っちゃいけないんやろうけど    二崎先輩…  プッ・・・」 美香「笑い堪えるのが辛かったわよ・・!    デブ眼鏡って、そのままじゃん…ウフッ」 3人「アハハハハっ!」    我慢できずに噴き出す3人。    なお、その笑い声は二崎の    耳にしっかり届いていた・・。

瑠璃「あんた、1年に笑われてんじゃん」ニヤニヤ 二崎「あいつらも後でぶちのめす…    あと、お前もな・・・」    鬼の形相    殺気に満ち溢れている・・。    美穂さんより、今やばそうなのは    完全に二崎さんの方だ・・・。    僕も少し笑っちゃったけど… 二崎「さっさと目的の誘拐犯見つけて    逃がすッ!!いいわね!!」 瑠璃   「は、はい!」(すごい迫力・・) 筑井    そして僕達は3年生用の    断食強制ヘルメットが    ある場所に辿り着いた。    数は全部で5個、全て後ろ向きに    されていた。美穂さんが    見えないようにこう    置いたのだろうか・・・?

   二崎さんがヘルメットを向きを    変え中身を確認するようだ。     左に置いてあるものから    順に中を確認していくらしい。    さっそく中を確認すると、    なんと一発目から ナナさんが    何に入っていた!?    彼の様子はどことなく    辛そうに見えた・・。 72「て、てめえは…昨日の」 二崎「心配しないで…私達は    あなたを助けに来ただけよ…」 72「助けに・・・?嘘をつくな・・」 瑠璃「ほら、これ見てよ」 筑井「ナナさん助けに来ましたよ!」 72「・・・⁉ なんで、わざわざ・・」 筑井「恩を返しに来ただけですよ・・!」 72「変わってんなあんた・・。    まあ、礼は言っとくぜ」

二崎「あまり時間もないと思うわ。    美穂が帰ってくる前に    さっさとここから逃げなさい」    その時、ナナさんの様子を見ると    だいぶ苦しそうに咳をしていた。    それを心配してか二崎さんが・・ 二崎「あなた大丈夫・・?    だいぶ苦しそうだけど。    昨夜はごめんなさいね・・・」 72「これはお前らのせいで苦しんでる    わけじゃねえよ。ただの風邪だわ」 瑠璃「ちなみに、美穂に何か    教えたりしてない?」 72「いや、気を失っていて    今、目を覚ましたばっかりだ。    何も話しちゃいねえよ」 二崎「そう・・・それなら良かった」 筑井「気を失ってたんじゃ    ここにいる意味もないからね。    その間移動してたのか・・、    運が良かった」    そして二崎が自身の襟元に彼を入れ、    一年生がいるであろう出口へ向かう。

美香「あれ?先輩達    もう戻ってきたんですか?    何も持ってないみたいですけど?」 二崎「え・・、 あぁ・・・・。    言われてみれば3年生が帰ってくるまで    時間あるし、まだいいかなって…」 美海「そうなんですか?    んっ・・・?」    美海は瑠璃を見てある異変に気づく。    ひものような物が胸元から    垂れ下がっていたのだ。    何も言わず瑠璃に近づく美海    瑠璃は誘拐犯のことが気になって    美海のことは気にしていなかった。 美海「なんか垂れてますよ? 瑠璃先輩?」    美海はごみを取ってあげるつもり    だったのだろうが・・・・、

   引っ張った先にいたのは筑井・・。    完全に油断していた瑠璃    筑井は胸の上を引きずられ    その後地面に真っ逆さまに落ちる・・!    それを胸でキャッチする美海。 美海「せ、先輩!!!!!!!!!!!!!!!    どうりでさっきから先輩の臭いが    すると思った」 美香(お前は犬か…?!) 美海「会えてよかったです!!!    ほんと心配したんですから!!!」    ムぎゅううううう!!    あまりに強く抱きしめすぎ・・・?! 美香「なんで瑠璃先輩の中に先輩が…⁉    ちょっと二崎先輩ちゃんと    説明してくださいよ!!」 二崎「うっ・・・・」   さすがに言葉をつまらせる二崎   同時に瑠璃に対して、更なる   怒りを覚えていた・・・・。

瑠璃「こ、これはそのね・・・!    そうだ! 私たちがあの部屋から    先輩を助け出せたのよ・・!」 二崎(そうだ!ってあんたねぇ・・) 雪鳴「なんで、隠してたんですか?」 瑠璃「えっと・・・・」 美香「他にもまだまだ秘密がありそう    ですけど何、隠してるんですか?    ちゃんと話してください!!」    すると、入口からもう一人    誰かが入ってきた。 美穂「あんた達・・何してんのよ?」 二崎   「あ・・・」(最悪のパターン・・) 瑠璃   突如戻ってきた美穂。   はたして筑井達はこれから   どうなるのか・・。

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