巨大女子相撲部

美穂「さて、1年生達の為に稽古の準備でも    しておいてあげようかな」 二崎「私も手伝うわ」    3年生達は今、翌日行われる大会に    向け開催場所に移動中のため不在。    あまりの巨体と人数から下級生は    応援に行くことすらできず学校に    残されていた。    監督も3年生もいない今    女子相撲部を取り仕切っているのは    来年部長候補の永嶋美穂。    一時的に部を任されたことにより    部員への目配りが以前より強くなっていた。

   2人の準備も終わり    他の2年生達が稽古を始める。    しかし、1年生達が来る気配は未だにない。 美穂「なかなか来ないわね・・・。    先輩でもだめだったのかしら」 二崎「” 先輩だから ”だめだったんじゃない・・」 美穂「えっ、どうしてよ・・?」 二崎「相変わらずあなたって少し抜けてるわね。    あの子達の性格考えれば分かるでしょ」     二崎「先輩と初めて会った時もそうだけど    考えなしに、いろいろ喋りすぎなのよ。    あの時のあれ煽りにしかなってなかったわよ」     二崎「私はあなたのリーダとしての資質を    高く評価してるんだから、もう少し    しっかりしてほしいわ」     美穂「・・・はいはぃ」

美穂「あ、さっき連絡がきたんだけど    監督今日一回こっちに来るって」     二崎「え? 今大会に行ってるはずよね監督?」 美穂「筑井先輩を見に来るって言ってたような。    大会前日は稽古もできなくて暇でしょうし    何かのついでに立ち寄るのかも」 二崎「ふぅん・・。そうなの・・。    それにしても、わざわざ戻ってくる    なんてご苦労なことね」     美穂「監督の性格なら3年生達と    プライベートまで一緒にいたくないだろうし    そういう理由もあるのかもしれないわね」     二崎「確かに・・・」

二崎「て、それが分かってんなら    なおさら1年達を早く連れて    こないとまずいでしょ!?」     二崎「監督にこんなところ見られたら    新キャプテンとしての示しもつかないわよ」 美穂「そういえば監督怒らせると    やばいんだ!! いつも3年生の所に    しかいないから忘れてたけど」     美穂「仕方ない、みんな!!    ちょっと集まって!!」    稽古を中断し2年生達を    慌てて収集する美穂。     美穂「監督が来るまでに、1年達を連れて    来ないと私たちの身が危ないわ!    総力を挙げて探し出すわよ!!    急いで!!」        そして2年生達は1年生の捜索を開始する。    この人数ならばそう時間はかから    ないだろうが、はたして・・・・・・・。

   戻って1年女子達は・・・・・。     美海「手の大きさも比べっこしましょ先輩」    手をこちらに持ってきたので    それに僕も合わせる。 筑井「うわッ・・・⁉でかっ!!」    正直僕も彼女たちの大きさを    マジマジと見る機会は中々ない。    だから大きさ比べに興味が    ないわけではなかった。    さきほどまで彼女たちが言っていた    ”人の大きさが気になる理論”は    僕も同じである。    手の大きさを見てみれば差は一目瞭然    指の関節まで全く届かない。

   なにより大きさを実感させられたのは    ” 手の厚み ” だ・・・・。    相撲の稽古で鍛えられたのか、    僕の10倍以上はある・・。 美海「でかっ・・・⁉じゃないですよ!    先輩が小さすぎるんです。 上級生の    皆さんを見てれば分かりますよね?」     筑井「いや…、そりゃ彼女達と比べれば    君たちは普通・・・・?んっ・・・?    あれ・・、よく分からなくなってきた・・」    感覚がだんだん麻痺してきている・・・。    今じゃ1年女子はあまり大きく感じないと言うか    可愛らしくすら感じる。    本来そんなことは絶対ないはずなのだが        部位での比較は行ったことがなかったので    さっきのような反応が出てしまったが。

美海「それじゃあ次は体重を測りにいきましょう!」 筑井「測りに行こうって、体重計は準備してないのね」 美海「寮生活なのに体重計    持ってるわけないじゃないですか。    さあ、早く保健室まで行きますよ!」     筑井「とか、言いつつ本当は    重すぎて量れる体重計が    売られてないだけとか・・・」ボソッ    その発言をした瞬間恐ろしく冷たい    視線が遥か上空から降り注ぐ。 筑井「ごめんなさい・・・」    それから彼女達に囲まれた状態で    保健室まで移動することに・・。

美海「ここが女子校舎の保健室です!    学年で平均身長が大きく変わるので    ここは1年生専用ですが。」    外観は普通だがサイズがどれも桁違い。    ここに来るたびに思わされることなのだが    毎度小人になったような気分になる。 筑井「体重計もめちゃくちゃでかいけど    これ僕がのって反応するの・・・?」 美海「ちゃんと1㎏単位で計測できますよ。    最大で500tぐらいだったかな?それだと    3年生は全然量れないらしいですけど」    確かにこの程度の大きさじゃ    3年生は絶対に量れないだろうな・・。    という僕も3年生だけど・・・。 筑井「じゃあ3年生はもっと大きい    体重計使ってるの・・・?」 美海「そうらしいですけど、体重を量るにも    専門の機関じゃないと、計測できない    みたいです」

美海「先輩ちょっと失礼しますよ・・!」    後ろから抱きかかえ上げられ    体重計の上に乗せられる。 美香「えぇ~と体重は・・・・、    さ、34㎏!?軽すぎでしょ!?」 美海「こんなに軽いんじゃ風で    飛ばされそうで心配です・・・・」 筑井「飛ばされるわけないだろ!!」    3年生女子と相まみえた時は    風圧で飛ばされたけど・・・。 美香「だいたい30㎏なんていったら    私が一口で飲む水の量より少ないし」 美海「先輩、ちゃんとごはん食べてますか?    この部に入った以上お米一石は最低でも    食べないと体もたないですよ」 筑井「お米、一石・・・・?    何合とかって言ってくれないと    よく分からないんだけど・・・」

美海「先輩、珍しい単位使ってるんですね。    体重量る時に㎎で量るようなものですよ。    その単位普段使わないから    ちょっと私も分からないですね・・・」 美香「千合とかじゃなかったっけ・・・?」 筑井「せ、千合・・・!?」   (0.5合食べるのもやっとなのに    彼女たちは2000倍は最低でも食べてるのか。    そりゃこんな体になるわけだ・・・) 美海「なんでそんなに驚いてるんですか?」 美海(恥ずかしいからちょっと少なく言った    つもりだったけど…まだ多かったのかな    0.5石って言っとけば良かったかも・・・) 筑井「い、いや、まあ    きみたちならそれぐらい食べても    おかしくないよね……、ハハハッ…」    こういった重さや量の話をしていると    自然と気になるのが彼女達の体重。    好き勝手にされ続けていたから    嫌がらせの意味も込めて尋ねてみることに。

筑井「せっかくだし美海達の体重も知りたいな。    僕だけ一方的にやられるのも    腑に落ちないし・・・・」 美海「ちょっと先輩!?女の子に体重聞くのが    どれだけ失礼なことか分かってるんですか?」 美香「まあいいじゃん、美海。    ここまで無理矢理、計測しといて    先輩の言うことは何一つ聞いてあげません    なんてさすがに可哀そうでしょ」    さきほどと同じように    周りの女子達が美香の意見に同調する。 美海「ちょっと、みんなして卑怯よ!    だったらあなた達が量ればいいじゃん!」 美香「もともとこの計画の発案者は美海なんだし、    少しは先輩のために動きなさいよ」

美海「うぅう……。分かったよ!?    量ればいいんでしょ量れば!!」    美海は嫌々ながらも皆の意見を    了承し体重計の前に立った。    周りから拍手が起きる。 美海「先輩は後ろ向いててください!    結果は口頭で伝えますから!!」 筑井「う、うん・・・・・」   (ちょっと可哀そうなことしちゃったな…)    同調圧力というやつか・・。    周りが盛り立てたせいで取り消し    にくくなってしまった・・・。       こういう時にしっかり言えない    自分がかっこ悪くて嫌になる・・。

   僕が後ろを向かされた後    息を呑みながら美海が体重計に乗る。    機械のきしむ音が聞こえてくる・・。    まるで悲鳴を上げているようだ・・。 美海( 昨日一応量ってはいたけど    ちょっとは減ってないかなぁ・・・ )    女子たちがメモリに注目する中    針の動きが止まった。 美海(34523㎏…⁉昨日より    500㎏だけ増えちゃってる・・・!?    牛2頭分で我慢してたのに・・) 美香「美海、先月より1000㎏痩せてんじゃん!    ダイエット頑張ってるのね」 美海「ちょっと、美香やめてよ・・⁉」        美海が美香の肩を押すとその衝撃で    一瞬部屋が揺れる。それほどの衝撃にも    拘わらず美香は平然としていた。    彼女達からしてみれば軽く肩を叩いた程度の    感覚なんだろうな・・・。

美海「先輩もういいですよ・・・・」    その合図で僕は地面に戻された。    美海の表情を見てみると    先ほどよりも明らかに暗くなっている。 美海「体重30㌧でした!これでいいですか!」 筑井「なんで半ギレ・・・」 美海「先輩のせいですよ!!」    美海が僕に向かって勢いよく    四つん這いの体制になりながら叫ぶ。    その勢いに圧倒されるばかりだった・・。 美香「あれ、体重正確には34523㎏でしょ?」 美海「4000㎏ぐらい誤差でしょ!どうでもいいじゃん」 筑井(4000㎏で誤差なのか、僕の体重    100人分より重いんだけどな・・・)

  (先輩の体重のちょうど1000倍じゃん)コソコソッ       (一緒に寝たら間違いなく潰しちゃうわね)ボソボソッ    周りの女子達の小さな会話が    嫌でも耳に入ってくる・・・。    だいたいの意見はきみらにも同じこと    言えるだろというものだったが、    今の状況じゃ、つっこむこともできない。 美海「うぅ・・・。みんなひどい・・・。」    さきほどから涙目にはなっていたが    ついに美海が泣き出してしまった。 美香「ちょ、ちょっと美海何も泣かなくても    私たちが悪かったからごめん」

美海「もういい私出ていく道開けてよ」    突然の涙にみんな気を使ったのか    巨女の壁に一筋の道ができる。 美海「フフッ・・・」    突如美海が不敵に笑みを浮かべる。    その声はあまりに小さく    目の前にいた僕がギリギリ    聞き取れる程度のものだった。    すると、急に僕の体を掴みだし    美海は走り出したのだ!    右手で体を左手で顔を覆った状態で・・。    叫ぶこともままならない。

   手で覆われたことにより僕の姿は見えず    傍から見れば、ただ彼女が泣きながら部屋を    出て行くようにしか見えなかっただろう。    残された女子達がその行動の意図を    理解するには少しの時間が必要だった。    30秒か1分・・、決して長い時間ではない。    一人の女生徒が    「先輩が消えてる!!?」と、叫んだ。    その声で美海が筑井を持ち去ったことに    皆が気づいたようだ。 美香「美海のやつ…!やられたッ・・!!    みんな早く先輩を助けないとまずい!!    今の美海は何をしでかすか分からないわ!!」    こうして、1年女子達による怒りの    美海大捜索が始まるのであった・・・。

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